# サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」: 当初シングルのB面だった | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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# サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」: 当初シングルのB面だった

【Sam Cooke’s “A Change Is Gonna Come“ Was Side B of “Shake”】

ラスト曲。

毎週火曜日夜8時からインターFMで放送している「ソウル・サーチン・レイディオ」。今月のラスト曲は、サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」の各種カヴァー。2014年1月は火曜日が4回なので、サムのオリジナル以外4ヴァージョン選ぶ。すでに2回はオンエア済みで、ソロとボビー・ウーマックをご紹介した。先月、ざっくり自分のCD棚から、それこそ棚つかでこの曲ばかりピックアップして、ついでにこれだけをいれたCDも焼いてしまった。(ヴァージョンは下記参照)

そんなこんなのうちにリスナーのアフターミッドナイト・トレインさんから熱心なメールとツイートをいただいた。それによると、ブルーズ&ソウル・レコーズ誌(2008年12月25日発売号・85号)には、138曲の「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」のカヴァーがリストアップされているという。そんなにあったかと改めて感心。

それと彼の解説と予想を見て、若干、当初考えていたあと2曲を迷い始めた。その予想メールでこのように書いてくださった。

~~「『ソウル・サーチン・レイディオ』では、第1回目の放送で、Terence Trent D’arbyの「A Change Is Gonna Come」、第7回目の放送でJaye & Jaye’s Mass Choirの「A Change Is Gonna Come」、第12回目の放送で、BGMでManhattans の「A Change Is Gonna Come」、 Gerald Alstonの「A Change Is Gonna Come」がかかっており、第37回目の放送では、Otis Reddingの「A Change Is Gonna Come」がかかっていますので、これらのミュージシャンは予想からはずします。~~」~~ (アフターミッドナイト・トレインさんからのメール)

詳しく調べていただき、大感謝。じつは、残り2回をオーティスかシールかアリーサと考えていた。が、オーティスをかけていたんだ。すっかり忘れていた。さて、どうしたものか。(笑)

さらに、いろいろ自分でも調べていたら、ノラ・ジョーンズもChange Is Gonna Comeを映画のサントラでやっているということを知った。さっそく、アマゾンで探して中古をぽちって、翌日届いた。のだが、なんと、サム・クックの曲とはまったく関係ない同名異曲だった。まあ、こういうこともある。(笑) 

ノラ・ヴァージョン
http://www.youtube.com/watch?v=VqlrKKW-ZwY



~~~

特集。

とりあえず、アナログしかないものはここにははいっていない。マイティ・クラウズ・オブ・ジョイとかいれたいところ。サム・クックの直系ルー・ロウルズ、ジョニー・テイラーあたりもやっていると思ったが、やっていないみたい。細かいライヴ音源にはあるかもしれないが。

Rケリー、ルーサー・ヴァンドロスのものは、正式なCDのものはなくライヴ音源のみのよう。そんなことをライターの林さんに尋ねたら、なんとこれを元にした楽曲を教えていただいた。

Calvin Richardson - Keep On Pushin'

http://youtu.be/lXf1c0Tps30



これは、完璧に「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」を元にした楽曲。ただ歌詞が違うのと、メロディーもちょっと違うのでカヴァーとは言えなさそう。しかし、元にしていることは明らかなので、改作、というのか。「インスパイアーされた」というか。ひょっとして作者クレジットにサム・クックの名前があるのかと思って林さんに尋ねると、それがないという。もしこのカルヴィン・リチャードソンが全米1位になっていたら、それこそサム・クックの遺族から訴訟を起こされただろう。ロビン・シック・ケースのようなものだ。ロビン・シックも、最初から「ガット・トゥ・ギヴ・イット・アップ」の作者クレジットをいれておけばここまで大問題にはならなかったはず。

そして、もうひとつ大事なこと。

B面。

このサム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」は、最初1964年3月リリースのアルバム『エイント・ザット・グッド・ニュース』に収録された。その後、1964年12月、シングル盤「シェイク」のB面としてリリースされた。つまり当時の一押しは「シェイク」で、この「ア・チェンジ…」はそれほど押されていなかった。ただそれでも一部のラジオDJはこの曲をプレイし、シングルB面ながらもチャート入りを果たし、「シェイク」は最高位2位で、「ア・チェンジ…」も最高位9位まで行く。そして結果的には、こちらのほうがサム・クックの代表作のひとつとなり、「グラミー賞殿堂入り」を果たすことになる。

そして、今週火曜日は1月21日だが、翌1月22日はサム・クックの83歳の誕生日だ。もし生きていれば。

■関連記事

「チェンジ・イズ・ゴナ・カム」から「チェンジ・ハズ・カム」へ~オバマ氏勝利演説
2008年11月08日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10161914791.html

(この曲についての項、続く)

私家版「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」作品集は次の通り。

Collection Of “A Change Is Gonna Come” – The Soul Searcher Edition Vol.1

01. Sam Cooke
02. Solo
03. Bobby Womack
04. Otis Redding
05. Arthur Conley
06. Al Green featuring Booker T. Jones
07. Gerald Alston
08. Manhattans
09. Aaron Neville
10. Neville Brothers
11. Seal
12. Leela James
13. Aretha Franklin
(53 minutes 36 seconds)

ENT>SONG>A Change Is Gonna Come

「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」が最初に収録されたサム・クックのアルバム『エイント・ザット・グッド・ニューズ』(1964年3月1日全米リリース)

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