●ジョージ・デューク~個人的な思い出 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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●ジョージ・デューク~個人的なジョージとの思い出

【Death Of George Duke】

衝撃。

2013年8月6日火曜日夜8時「ソウル・サーチン・レイディオ」が始まる直前(8時ちょっと前)、「ジョージ・デューク死去?」みたいなツイートを見かけて、焦った。いくつか調べてみると、かなりその情報がでていて、どうやらそれは相当かけめぐっているらしいことがわかった。ただまだ確定というほどのものが見つからなかったので、とりあえず、ジョージと親しいMさんにメールで問い合わせてみた。そうしたら、「そうです」との答えがすぐに返ってきて、ではまちがいないと確認し、急遽一曲差し替えて「スイート・ベイビー」を追悼でかけた。どうも夕方6時くらいからこの情報が出回ったらしい。

ジョージ・デュークに最後に会ったのは、そのインターFMのスタジオだった。2012年12月5日のこと。ジョージが「レディオ・ディスコ」に生ゲスト出演するというので、会いに行った。生放送が終わったあと、ロビーで雑談をしたのが最後だった。

番組が終わり、Mさんに電話すると、電話の向こうで泣いていた。そのときに、「実は白血病で…」という話を聞いた。ただ、その死因を発表するかどうかはわからないので、第一報では死因はわからない、とした。(その後、死因を追記)

今回知ったのだが、実はあの日(2012年12月5日)、ジョージは体調が芳しくなくインターFMののち、すぐに病院に行ったという。そこでいくつか検査をして白血病が発覚。ただ本人はどうやらそれを知っていたようだった、という。体調はよくなかったのにラジオのインタヴューをキャンセルすることもなかった、と今回、知った。その後、抗がん剤治療などもしていて、髪の毛がどんどん落ちていったそうだ。このあたりの事情は本当に彼のマネージャーなどごく近い人しかしらせていなかったという。

1983年。

僕はジョージ・デュークのノース・ハリウッドの自宅に行ってインタヴューしたことがある。調べると1983年8月3日のことだった。それがジョージとの初めての出会いだ。あれから30年の歳月が流れている。あのインタヴューは午前中のもので、リヴィングに現れた彼は、マグカップに強烈なブラック・コーヒーを飲んでいた。「朝はいつもこれで目を覚ますんだ」といったことを言っていたことを思い出す。

その後もジョージは何度となく日本の土を踏んでいる。自分名義では初来日だったか、フィリップ・ベイリー、デニース・ウィリアムスを従えてのライヴも強烈だった。あの頃、日本のレコード会社はジョージの多様性をして、「第二のクインシー」的な売り方をしていた。

2005年のジョージとジョー・サンプルという二人のピアノ奏者のみのデュエット・ライヴも強烈だった。2台のグランド・ピアノを向かい合わせに置き、それぞれがそれぞれの曲を弾いたり、二人であわせたり、あれは本当にすごかった。

■ ジョー・サンプル、ジョージ・デューク・ふたりのピアノ対決

November 25, 2005

Joe Sample (Part 5); Performance In Living Room
【リヴィング・ルームのパフォーマンス】 
http://blog.soulsearchin.com/archives/000662.html

あ、このときだったのかな、ジョーとジョージを三宿のナッツに連れて行ったのは。

いつだったか、日本人シンガーのプロジェクトで来日していたときに、なぜかブルーノートでばったり会い(来日していることを知らなかった)、ジョージを僕の車に乗せてそのままホテルまで送っていったことがある。なぜか話の流れで、その車中でジョージが「マイルス・デイヴィスの物まね」をやってくれた。あれは本当にそっくりだった。録音しておきたかった。

2012年3月には、「スキヤキ」を徹底研究している佐藤剛さんがジョージ・デュークにインタヴューしたいというので、そのセッティングもして無事、剛さんはジョージの話を聞けた。「ジョージは年に2回も来るから、いつでも話は聞けますよ」とそのとき軽口を叩いたものだが、こんなことになってしまうと、聞けるときに話を聞かないとだめだなあ、とつくづく思う。

日本のミュージシャンとも親しかった。特に、トランペット奏者、フルーゲルホーンのトク(TOKU)とは個人的にも親しく、ジョージはTOKUとアルバムを作りたがっていたらしい。

最近では人気曲「スイート・ベイビー」の高い声が出ないので、オリジナル・キーではできない、とぼやいていた。それでも、観客はこの曲を一番求めていることを知っていて、1オクターブさげて、ちゃんとファンのために歌っていた。

僕は彼がPファンク系のファンクをやるのも好きだが、ソウル・シンガーのバックでさりげなく弾くアコースティック・ピアノも大好きだった。ジェフリー・オズボーンのバラードでのジョージのピアノは大好きなヴァージョンだ。彼もいつも新しいプロジェクトに燃え前進するタイプのアーティストだった。

ご冥福をお祈りします。

OBITUARY>Duke, George (January 12, 1946 – August 5, 2013, 67 year old)

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