◎「ソウル・サーチン、スライ・ストーン・レポート・パート2」 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ 「ソウル・サーチン、スライ・ストーン・レポート・パート2」

【Soul Searchin Report Part 2】

ケイリブ。

いつものソウル・サーチンのハウス・バンド、ソウル・サーチャーズの音楽ディレクター、ケイリブ・ジェームスもスライの音楽を大変高く評価している。

ケイリブ。「『セックス・マシーン』は、14分以上ある曲だ。あの曲で、僕はギターをプレイしたいと思った。プンプンプンププー(メロディーをキーボードで)。これをレコードにあわせて一日中やっていた。ジェームス・ブラウンの曲にも同名の曲があるが、違う曲。どっちが先に出たんだ? (ゲイリーやフィリップにふる) 後で調べよう。そのギターの音色からラリー・グラハムがベースを始める。そこで、『セックス・マシーン』のあとには、ラリー・グラハムの曲をやります」

ちなみに、「セックス・マシーン」は、スライのほうが先。1969年で、ジェームス・ブラウンは1970年。

そして、ケイリブがこの日一番熱く語ったのが、「ドント・コール・ミー・ニガー、ホワイティー」の曲紹介のとき。

「多くの人が次の曲には問題があると考える。絵画だろうが、彫刻だろうが、音楽だろうが、そうした芸術作品というものは、いつでもその時代やそれを取り巻く環境と密接なつながりがある。チャイコフスキーの音楽は改革・革命を反映している。ボブ・ディランの音楽も、いくつかのラップの作品もそうだ。次の曲のタイトルは、『ドント・コール・ミー・ニガー、ホワイティー』というもの。(直訳すると、俺のことをくろんぼ野郎(ニガー)と呼ぶなよ、白人野郎、といったところ。ニガーもホワイティーも相手に対する蔑称) 中には、『ニガー』というタイトルがあるので、この曲は歌わないでくれ、歌うな、という人もいる。それも、ばかばかしいと思う。(この曲が生まれた当時というのは)たとえば警察に助けを求めにいっても、こっちがまったく何の落ち度もなく、武器なども持っていないのに、何も法律違反などしていない丸腰の人間を殴ったりしていた時代なんだ。スライの音楽は、その多くが、ただセックスをしたいということではなく、人と人とのつながり、平和、なぜ人々は一緒に仲良くなれないのか、といったテーマなのだ。相手に対して、どれほどのことができるか。だから、ストリートで人々が傷つき、殺されたりしている状況について、彼は「俺をくろんぼ呼ばわりするな、白人野郎」と歌い、次のラインは「俺を白人野郎呼ばわりするな、くろんぼ野郎」と歌った。つまり、こういうセリフをいうこと自体、どちらの側も、間違っている、ということを表わしている。だから、『ダンス・トゥ・ザ・ミュージック』や『スタンド』を歌うセットリストの中に、『ドント・コール・ミー・ニガー、ホワイティー』を含めないということは、ありえない、と考えて、これをやることにした」

ケイリブは、エンディング、アンコール前のトークでスライの音楽についてこうまとめた。

「スライ・ストーンの最近の状況をご存知の方もいるだろう。しかし、これを覚えておいてほしい。スライ&ザ・ファミリー・ストーンの音楽は、真の意味でスピリット(魂)を動かす音楽だった。そして、スライ・ストーンのグルーヴは、今の音楽を完全に変えた。スライ&ザ・ファミリー・ストーンというグループは、初めて、ステージ前面にかわいくない女の子を出したグループだ。(今は、かわいくないとレコードをだせない) スライの妹ロージー、トランペットのシンシア・ロビンソン、彼女たちはリアル・ミュージシャンだった。そして、スライ&ザ・ファミリー・ストーンというグループは、ブラック、ホワイト、ラティーノなどのあらゆる人種をひとつのグループの中にいれた初めてのグループでもあった。人種差別のテンションがものすごく、公民権運動も活発なそんな時期にだ。彼らのメッセージはシンプルだ。『ラヴ(愛)』と『ピース(平和)』だった。スライ・ストーンという男については、そのことを銘記すべきで、その他のくだらないことなど、どうでもいい。彼の音楽で彼を覚えておいてくれ。さて、みなさん、踊っていただけますか would you dance to the music?」

そして、「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」へなだれこんだ。

ノンストップで演奏される「ユアー・ザ・ワン」~「クレイジー」~「サンキュー」の部分、二部冒頭の「セックス・マシーン」から「ザ・ジャム」~「イット・エイント・ノー・ファン・トゥ・ミー」のあたりは、お客さんも総立ちになって盛り上がった。もちろんアンコールのメドレーも。

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