◎タワー・オブ・パワー、7ヶ月で再上陸 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

吉岡正晴のソウル・サーチン

ソウルを日々サーチンしている人のために~Daily since 2002

◎ タワー・オブ・パワー、7ヶ月で再上陸

【Tower Of Power: After 311】

再上陸。

前回のタワーたちのライヴは、あの2011年3月11日をはさんでのことだった。10日にライヴを行ったものの、11日に大震災。その当日はさすがに休演となったが、12日から14日は予定通りライヴを敢行した。その3月以来7ヶ月ぶり通算20回目の来日公演。

今回は10月1日韓国ソウルから名古屋に入り1日ライヴ、その後東京入り。東京で二日(4日と5日)ライヴをして、オーストラリア、その後中国の上海に行くというアジア/オセアニア・ツアーの一環で来日した。

今回はこの8月に新メンバーになったトランペット奏者、サル・クラキオーロが初お目見え。タワーのサイトでは、リー・ソーンバーグの後釜と紹介されている。東京に来たライヴ・ミュージシャンとしては、マイク・ボガート、ミック・ジレットの後釜になった形だ。残るメンバーは前回メンバーと同じ。

しかし、素晴らしいのはファースト・セットとセカンド・セットでのダブり曲が1曲もないということ。これはすごいなあ。ファンならファースト、セカンド通しで見たくなるのもうなづける。

そして、冒頭から最後までそのハイエナジーなライヴ・パフォーマンスは全速全開だ。タワーのライヴはいつもそのファンが熱いところも大きな特徴。リード・ヴォーカルのラリーが「昨日は(名古屋のライヴ)、ファンクラブのメンバーは何人いた? 7人? 今日は何人いる?」 二人が手を上げる。「もっとたくさんメンバーを増やさないと。みんなファンクラブに入ってくれ」(笑)

そのファンクラブ会長、櫻井隆章さんがいつものようにいた。「名古屋も、今回は全部?」と尋ねると「もちろんですよ。このために仕事しているようなもんです」(笑)と即座に返って来た。櫻井さんがライヴ後、「サックス&ブラス・マガジン」の編集長を紹介してくれた。なんとこの季刊誌最新号が、タワー・オブ・パワー大特集で櫻井さんも相当量執筆している、という。

サックス&ブラス・マガジン volume.20 (CD付き) (リットーミュージック・ムック)
サックス&ブラス・マガジン編集部
リットーミュージック
売り上げランキング: 82054


もうライヴに関しては、感想も固まってしまうが、結局は「いいものはいつ見てもいい」という究極の結論に行き着く。タワー・オブ・パワーに興味をもたれた方、そしてそれがどれくらい熱いものかを知りたい方は、過去ライヴ評をぜひごらんください。ホーンセクションが入り、リアル・ミュージシャンが奏でるリアルなバンド・サウンド。そのノリは最高としかいいようがない。

「ウォーキン・アップ・ザ・ヒップ・ストリート」では、ドラムス、ギター、オルガンの3人だけが残り演奏を繰り広げるシーンがあったが、たった3人でこのグルーヴ感を出すところがやはりすごい。

最前列のファンも、ミュージシャンがソロを演奏するときにはそれまで立ち上がっていても、しゃがむ。そのあたりがちゃんとしている。この東京初日ファーストは超満員になっていた。熱心なファンは、タワーが好きで好きで好きでしょうがない。そして、好きすぎて『好きって何?』などと思ってしまうかもしれない。

グループ結成が1968年。今年で44年目を迎えてなお、現役感いっぱいだ。素晴らしい。まさか僕も学生時代に聞いていたバンドを30年後にいまだにライヴを聴きに毎回通うなどとは夢にも思わなかった。

■ タワー・オブ・パワー・ミニ・インタヴュー@メットポッド2011年9月28日
http://metropolis.co.jp/podcast/2011/09/28/the-tokyo-metpod-tower-of-power-mini-special/
Interview by Kamasami Kong


■ オフィシャルサイト(英語)
http://www.towerofpower.com/

■ 日本のファンクラブ・サイト
http://www.towerofpower.jp/

■ 過去関連記事(リンクがうまくつながらない場合は、コピー&ペーストなどしてみてください)

2011年04月28日(木)
タワー・オブ・パワー~エンタテインメントの真髄~震災翌々日のライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10837994490.html
2011年3月12日のライヴ評。

2010年05月12日(水)
タワー・オブ・パワー、ファンクでTKO
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10532446262.html

2009年05月27日(水)
タワー・オブ・パワー~ホーン炸裂41年のソウル・バンド
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090527.html

February 03, 2009
Tower Of Power’s New Album Is Also Soul Cover CD
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090203.html

May 26, 2008
Tower Of Power Live: Power Of Horns, Rhythms, Vocals And Everything (Part 1): Hi Energy Funk Exploded More Than 2 Hours & Half
【タワー・オブ・パワー、ブルーノート史上初、2時間半超ライヴ(パート1)】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080526.html
2008年5月のタワー最終日ライヴ・レポート。パート1。5月27日付け、28日付へ続く。

May 27, 2008
Tower Of Power Live (Part 2) : History Of Tower Of Power
【タワー・オブ・パワー・ライヴ(パート2)~歴史集大成ライヴ】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080527.html

May 28, 2008
Tower Of Power Live (Part 3): Any Questions? Asked Emilio Number Of Times
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080528.html
【タワー・オブ・パワー・ライヴ(パート3)~歴史集大成ライヴ】

March 17, 2007
Tower Of Power Live: Continuation Makes Power
http://blog.soulsearchin.com/archives/001645.html

2004/01/21 (Wed)
Down To The Night Club: Tower Of Power Show What Is Hip
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040121.html

2004/01/22 (Thu)
Stranger Turned To Be A Friend By Power Of Tower & Champagne
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040122.html

February 24, 2006
Tower Of Power Live: It’s Soooo Hot Downstairs, Upstairs, Too
http://blog.soulsearchin.com/archives/000852.html

■ タワー・オブ・パワー・最新作『ライヴ・アット・フィルモア~結成40周年記念ライヴ』(DVD付き)(2011-3-2発売)

ライヴ・アット・フィルモア~結成40周年記念ライヴ [DVD]
ビクターエンタテインメント (2011-03-02)
売り上げランキング: 1813


■ タワー・オブ・パワー  『アメリカン・ソウル・ブック』

アメリカン・ソウル・ブック
タワー・オブ・パワー
VIDEOARTS MUSIC( C)(M) (2009-02-04)
売り上げランキング: 11823


■ ベスト・アルバム

ヴェリー・ベスト・オブ・タワー・オブ・パワー
タワー・オブ・パワー
WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M) (2007-10-10)
売り上げランキング: 174293


■ メンバー

イミーリオ(エミリオ)・カスティーヨ(テナー・サックス、ヴォーカル)Emilio Castillo(ts,vo)
ラリー・LB・ブラッグス(ヴォーカル)Larry Braggs(vo)
トム・ポリッツァー(サックス)Tom Politzer(sax)
スティーブン・“ドック”・クプカ(バリトン・サックス)Stephen "Doc" Kupka(sax)
サル・クラキオーロ Sal Cracchiolo (tp)
アドルフォ・アコスタ(トランペット、フリューゲルホルン)Adolfo Acosta(tp,flh)
ロジャー・スミス(キーボード、ヴォーカル)Roger Smith(key,vo)
ジェリー・コーテス / Jerry Cortez(Guitar)
フランシス・ロッコー・プレスティア(ベース)Francis Rocco Prestia(b)
デイヴィッド・ガルバルディー(ドラムス)David Garibaldi(ds)

■ セットリスト:タワー・オブ・パワー、ブルーノート東京、2011年10月4日(火曜)ファースト
Setlist : Tower Of Power @ Blue Note Tokyo, October 4, 2011

show started 19:00
01. Intro; Soul Vaccination
02. “Stroke Medley”(M2 – M5); Stroke 75 ~
03. ~Ain’t Nothing Stoppin’ Us Now
04. ~You Ought To Be Havin’ Fun
05. ~Only So Much Oil In The Ground
06. Get Yo’ Feet Back On The Ground
07. You Strike My Main Nerve
08. Just Enough And Too Much
09. Me & Mrs. Jones
10. Souled Out
11. Walkin’ Up The Hip Street
12. This Time It’s Real
13. I Got The Groove
Enc. You’re Still A Young Man
Show ended 20:11

セカンドセットは、彼らが持っていたセットリストから書き下ろしました。ソウル・サーチャーはライヴを見ておりませんので、曲目変更の場合があった場合、変わります

Second set:
According to setlist

01. We Came To Play
02. Soul With A Capitol “S”
03. Can’t You See (You Doin’ Me Wrong)
04. Credit
05. Down To The Night Club
06. Maybe It’ll Be Rub Off
07. Below Us, All The City Lights
08. You Got To Funkifize
09. A Little Knowledge (Is a Dangerous Thing)
10. JB Medley: Mother Popcorn – Give It Up Turn It Loose - I Got You – Diggin’ On James Brown
11. So Very Hard To Go
12. What Is Hip – Soul Power
Enc. I Like Your Style

(2011年10月4日火曜、ブルーノート東京=タワー・オブ・パワー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tower Of Power
2011-