☆『ディス・イズ・イット』終了~マイケルのエクステンション | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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☆『ディス・イズ・イット』終了~マイケルのエクステンション

【"This Is It" Final Screen】

エクステンション。

「あああ、終わっちゃった…」 なんか気が抜けた…。そんな感じだ。11月27日(金)、2週間延長になっていた『ディス・イズ・イット』の公開が終わった。まだいくつかの映画館では朝まで上映されているところがあるが、とりあえず、DVDまではしばしお休みか。

結局、六本木ヒルズ、新宿、品プリ、有楽町など軒並みだめで、やっと探し当てた港北ニュータウンのワーナーマイカルまで出向いた。前日の様子だと、意外と空いていたと思ったが、道に迷いぎりぎりに入ったところ、超満員。しかも、26時過ぎの回を急遽、追加しました、と盛んにアナウンスしていた。すごいな、土壇場に来て。

毎回思うことを。それにしても、冒頭オーディションのところはすごい。5000人から11人が選ばれたというが、他にアンダースタディー(怪我などのときの代役)は取ってないのだろうか。

マイケルは、6割くらいの力なのだろうが、マイケルと一緒にステージにあがるダンサーやミュージシャンたちは、マイケルがそこにいるだけで120パーセントの力を出している。あらゆる点でマイケルのマジックがかかっている。

「ビート・イット」でマイケルがクレーンに乗るが、その後オルテガがMichael is on cherry picker againといったようなことを叫ぶ。ずっと意味がわからなかったのだが、今、いろいろ調べたらチェリーピッカーがああいうクレーンのことを指していた。

前回書いたマイケルのナレーションの件。最後の方、週末、全員をまとめて円陣を組み、オルテガが挨拶した後、マイケルがちょっとした挨拶をする。ああいう挨拶が何回かあって、その中の1回でナレーションで使ったようなことを言ったのかな、とも少し思った。でも、そういうみんなの前でしゃべるもの、というより、やはり、ナレーションっぽいんだよなあ。元々「メイキング」を作るつもりで、そうしたニュアンスのナレーションを録っていたのか。これは、機会があったら、ぜひオルテガに訊きたい。

マイケルがこのツアーで「ヒール・ザ・ワールド(世界を癒そう、直そう)」というメッセージを発信しようとしたことはよーくわかった。

オルテガが冒頭でダンサーたちに向かって言う。「君たちは、マイケルのエクステンション(extension=延長、伸ばし、エクステ)なんだ」(マイケルの体の一部となって動くんだ。マイケルの体の延長なんだ、といったニュアンス) それは、体の動き、ミュージシャンなら演奏、歌を意味する。しかし、今、この映画を見た観客もまた、マイケルのエクステンションになると言っていいだろう。

マイケルの分身。ダンサーもマイケルの分身、ミュージシャンもシンガーも分身だ。そしてこれからは、観客がマイケルの分身になっていく。そう、マイケルが伝えたいその熱いメッセージを、観客一人一人が胸に秘め、醸造し、それをマイケルのエクステンションとして、人々に発信していくのだ。物事が広がっていくということは、こういうところから始まるのではないかと、強く思った。まさに、Make that changeだ。これは、字幕よりもっと強い「意志を持って変えていこう」「自分たちで変えなければならない」といった気持ちが固くその言葉に込められている気がする。

最終回、最終日の上映は映画館によっては、ライヴ会場でライヴを見ているかのように1曲ごとに拍手が巻き起こったりした場所があったそうだ。すばらしい。これほどリピート率の高い映画もなかっただろう。かつての『ロッキーホラー・ショー』みたいな延々とやっている常設館なんか出来てもおかしくない映画だ。

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三宿。

映画終了後、三宿に直行。「郷太祭り」という西寺郷太さん誕生日を祝うイヴェントで、郷太さんがマイケルの『ディス・イズ・イット』の曲をかたっぱしからかけるという。三宿ウェッブはかなり煙かったが、「ウォナ・ビー・スターティン・サムシン」から爆音でマイケルがかかった。

途中MCで郷太さんが、最新情報として、「つい最近自殺したイヴァン・チャンドラーの息子ジョーダン・チャンドラーがジャーメイン・ジャクソンに電話をしてきて、『マイケルにいたずらされたというのは全部父親に言わされたもので、うそでした。ごめんなさい』と言ったという」情報が伝わってきた旨の話しをし、客から驚嘆の声があがった。ひじょうに興味深い。

郷太さんは、「シーズ・アウト・オブ・マイ・ライフ」をアカペラで歌っていた。

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