献花 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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【ドン勝本氏、お通夜】

献花花束

2007年4月19日(木)に逝去したドン勝本さんのお通夜が、25日18時から都内の臨海斎場でしめやかに盛大に行われた。勝本さんを知る人が多数つめかけ、最後のお別れをした。

式は18時過ぎから斎場内に入れないほどの人の前で、まず黙祷を捧げてから、ジェームス・ブラウンの「トライ・ミー」(インストゥルメンタル)を聞いて始まった。無宗教とのことで、祭壇には多くの花が飾られ、その中央に在りし日の勝本さんの写真が飾られた。斎場中央に棺が置かれ、勝本さんはその中に自らのグループ「キング・オブ・ソウル」の一員として着ていた赤のスーツをまとい横たわっていた。その前に献花台が置かれ、まず一本だけ花が置かれていた。

そして、「キング・オブ・ソウル」のメンバー、ニック岡井さんとマイケル鶴岡さんがそれぞれマイクに向かった。先にマイクを握ったニックの言葉は「長い間、ソウル、ディスコの業界でお疲れ様。ジェームス・ブラウンとゆっくりしてください」といった内容の短い言葉だったが、ほとんど震えていた。マイケルも、「長い間、お疲れ様。今日は、勝本さん、おなじみの赤いスーツで3人揃ってますよ。キング・オブ・ソウル、ドン勝本、最後のステージ、みんなにお別れしてください」と振り絞って言葉を送った。

棺を中央に、向かって左にマイケル、ニック、江守さん、矢作さんら。そして、向かって右に息子さん、お兄様、お母様ら親族。この後、弔問客が次々と献花をした。

後追い。

奇しくも、僕が座った席が献花の一番最初の席ということで、最初の献花をさせていただくことになった。ゆっくり献花したかったが、さすがにそれはかなわず、両サイドに挨拶をし、出口に進んだ。ひじょうにシンプルな式だった。出口に出ると、まだ受付を済ませていない人たちが大変な数いらした。さすがにソウル界のドンだ。その人たちの熱気で、暑かった。なんでも、お通夜には400人以上の人が集まったらしい。

献花後、二階の部屋に移ると、そこもものすごい人になっていた。その部屋の一番奥に、昔の勝本さんの写真がたくさん飾られていた。その前に、色紙があり、すでに何人かの人がメッセージを寄せていた。江守さんから、「明日、棺にいれるから、なにか書いてよ」と言われ、何か書こうと思って、他の人のメッセージを読んだ。みな、勝本さんへのお礼が書かれていた。

そんな中、僕の目をぱっと引いたのが江守さんの一言だった。もちろん、いつもの江守さんのおなじみのファンキーなイラストの横にシンプルにこう書かれていたのだ。「カツ、bye bye」。江守さんは、いつも彼のことを「カツ」と呼んでいた。江守さんらしい、いい言葉だ。胸が熱くなった。僕もなんて書こうか、ずいぶんと迷ったが、結局こう書いた。「勝本さん、ミスター・ブラウンとファンキー・ダンス!」 

ミスター・ブラウンの逝去から4ヶ月もしないうちの旅立ち。あるゆる点で、いつもミスター・ブラウンの後を追っていた勝本さんらしい後追いだ。

■今日、大田区・臨海斎場で午前11時から告別式。

ENT>OBITUARY>Katsumoto, Kenji/1949.5.20 - 2007.4.19 (57)
ENT>OBITUARY>Brown, James/1933.5.3 - 2006.12.25(73)