猪瀬失脚で着々…
森元首相が企む東京五輪組織委“支配”
2013年12月20日
http://gendai.net/articles/view/sports/146796
http://gendai.net/articles/view/sports/146796
森喜朗元首相の高笑いが聞こえるようだ。
東京都の猪瀬知事が19日午前に辞任会見。
「5000万円裏金疑惑」にフタをして都知事のポストをブン投げた。これで完全に2020年の東京五輪とは絶縁。本人は「都知事で経験、勉強したことを外部から恩返ししたい」
などと未練たらしく言っていたが、
もはや誰にも相手にされなくなった。
そこで今後の五輪準備で
発言力を増すのが森元首相だ。
「もともと東京五輪は2016年開催を目指し、森が体協会長(05年4月~11年3月)のときに、石原都知事(当時)と一緒になって推し進めたもの。
言い出しっぺみたいなものです。
代々木公園や国立競技場周辺一帯の再開発も視野に入れ、
いろいろとシミュレーションをしていた。
当然、利権もからんでくる。
結局、リオに負けて20年に目標を変えて招致に成功した」
(アマチュアスポーツ担当記者)
■JOCに腹心送り込む
石原都知事がそのままやっていれば森の発言力は
確保されただろうが、猪瀬都知事になって一変した。
猪瀬は安倍首相が東京五輪の組織委員長に森の名前を出すと、「(組織委員長人事は)首相がやるものではない。都とJOCでやる」と露骨に反発。
それだけでなく、
先月8日には突然こう言い出した。
「ロンドン五輪の組織にならってJOCの竹田会長と
僕で組織図を作っているんです。
そこには会長は理事長というのがあります。
ボードというのがあって、そこに竹田さんや都知事、オリンピック担当大臣と理事長が入ってくる。そこが全体をチェックするという形です」
要するに、
従来の組織委員長―事務総長を
トップとする体制を変え、
集団指導体制にしようといったのだ。
これも森阻止が狙いだったろう。
しかし、都知事失脚で猪瀬のもくろみはつぶれた。
「森さんは着々と手を打っています。
元駐仏大使の斎藤泰雄氏がJOCの常任理事になっている。
IOC公用語の仏語に堪能ということもあるが、斎藤さんが駐仏大使時代、森さんはレジオン・ドヌール勲章グラントフィシエを授与されている。
これはフランスでは最高の勲章です。
森さんが送り込んだとみていい。
組織委員長が誰になるにしろ、
実務を取り仕切るのは事務総長。
国際大会では国や自治体との折衝もあるので、
官僚出身が務めることが多い。
森さんは斎藤理事を事務総長にして
組織委員会をコントロールするつもりではないか」
(事情通)
“ポスト猪瀬”に下村博文文科相、
橋本聖子参院議員と旧森派(現町村派)に属する
政治家の名前が出てきたのも納得だ。
だが「首相の品格」を問われて
総理を辞めた男に東京五輪を牛耳らせていいのか。
ロンドン五輪ではモスクワ、ロス五輪陸上1500メートル
金メダルのセバスチャン・コーが組織委員長を務めた。
元首相がのさばるほど
日本のスポーツ界が情けなく思えてくる。