野田官邸 "失笑"造反引き留め工作
(日刊ゲンダイ2012/6/23)

小沢グループは結束

◆若手議員に媚びへつらい

小沢グループの45人程度が「離党届」にサインしたという事実に、官邸が焦りまくっている。

造反がさらに拡大し、離党者が54人を超えれば少数与党に転落してしまうからで、そうなれば、内閣不信任案は可決する。

小沢の覚悟を読み違えた民主党幹部たちは、造反拡大を阻止するため、1年生議員にひれ伏してまで説得工作を行っている。

小沢グループの結束は固い。

22日は、衆院だけでなく参院の複数のグループ議員が小沢と面会。
新党結成となれば、参院からも十数人が合流するとみられている。

造反の動きは小沢グループ以外にも広がりそうで、みんなの党の渡辺喜美代表は22日、「アジェンダ(政策課題)が同じなら、われわれの救命ボートを回したい」と発言。

離党者の受け皿になると手を挙げた。

小沢新党以外の選択肢もできれば、迷っている中間派が造反しやすくなる。民主党に残ってもどうせ次の選挙で負ける。沈む船から逃げ出す動きは止まらない。

これに大慌てなのが官邸だ。

説得工作にネジを巻くが、そのやり方は失笑もの。
普段はエラソーな幹部たちが若手議員に媚びへつらい、「賛成」を懇願しているのである。

「いろんな幹部が電話をしてきたり、面会に来ます。岡田副総理は『どうしたらいいかなあ』『確かに、やり方はマズかったよね』と信じられないほど低姿勢でした」
(中間派議員)

「樽床幹事長代行や長妻元厚労相らに赤坂の居酒屋に呼ばれた。1期生数人が一緒でした。『党分裂はよくない』『定数削減はしっかりやるから』と言いながら、お酌までしてくれましたよ」
(別の中間派議員)

選挙支援のエサもまいている。

「ある中間派議員は、執行部から『今度の選挙は公明党とやるようになるから、党に残った方がいい』と言われたそうです。

しかし、自公の選挙協力があるのに、公明党が民主党議員をやすやすと支援するワケがない。そんなカラ手形まで切っているのです」
(ベテラン秘書)

採決は26日。

民主党は前日(25日)に異例の臨時代議士会を開くことを決めた。
野田首相が党の全衆院議員に“最後のお願い”をするという。

説得工作がうまくいっていない裏返しだ。