芸を繋ぐ | Ode To Daisuke

Ode To Daisuke

フィギュアスケーター、髙橋大輔さんをひっそりと応援しています。

ファンタジーオンアイスは
こちらの真夜中にリアルタイムで放送を見ることができ、
Kissing Youで骨抜きにされ小一時間動けませんでした。
真夜中って、家族に気兼ねなくいつまででも
TV前にうずくまっていられるんですよねー:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

今でも動画で見返すたびに何とも心がヒリヒリしてしまい
結果、いつものごとく感想が書けません。(笑)

そして、前記事でしーさんブログのFaOIレポを英訳させていただきましたが
その後、ツイで違う質問を発見して、、、
もしかしてトークショーって、2回ありました!?(今ココ)



そんな中、今週末は
地元で行われた、弦楽器コンクールを観に行っていました。(いや聴きに行く、か)
セミファイナルとファイナル、2日間がっつり!
いや~~、面白かったです!!



以下、スケートとまったく関係のない話を
長々と語ります(笑)




こじんまりとしたアットホームな雰囲気のコンクールなのですが
15カ国から120人のエントリーがあったとのことで
セミファイナルに呼ばれた8人はすでに相当レベルが高く、
一人当たり25分ほどのリサイタル形式でじっくり聴くことができました。

で、昔からコンクールというと、私が聴いていて良いな~と思う人は
たいてい2番とか3番になることが多かったんですよね。
ものすごいテクニックでSUGEEEEEE!!!!!!
・・・けどあんまり好きな弾き方じゃないな、という人が
優勝したりすることが多いような・・・気のせいかもしれないけど。

今回も、ファイナルに残った3人は
それぞれ個性がまったく違い、それぞれに素晴らしかったのですが、
そのうちの一人は、いかにもコンクール慣れした、堂に入った弾き方をする子でした。
16歳のヴァイオリニスト。
もう、どこを取っても上手いの一言。音のニュアンスの付け方も素晴らしい。

それなのに、なぜか私はまったく感動できなくて。
どうしても、全てが「作られた」ものに感じられてしまったんですよね。

繰り返しますけど、ほんっとうに上手なんですよ。
そして「作られた」と私が感じた感情表現も、派手な動きも、ドヤ顔も、
隣に座っていた知人には本物と伝わったようで
「優勝は彼女で間違いなし!!」と言い切りました。
そして私も、ここまで完成された「作品」を見せられたら
優勝しても文句は言えないよなー、やっぱりこういう演奏が「勝つ」んだよなー。。。

ところがところが!

実際に優勝したのは、別の演奏者でした。15歳のチェリスト。
今回セミファイナルに残った中で最年少でした。

彼もまた、技術的にはまったく劣ることなく
ものっすごい難曲を弾ききりましたが、
ヴァイオリンの彼女と決定的な違いは
一音ごとにしっかりと魂が感じられたこと、かな。

本当にどんな音も、矢のように飛び去って行ってしまう小さな音も
ひとつも逃すことなく、すべての音が「立って」いた。

そして演奏者が自己を主張する気配がまったくなく、
ただひたすら純粋に、曲が求める音を追求していった結果
必然的に出来上がった音楽だけが、そこにある、という印象でした。
最後に弾いたシュニトケのチェロ協奏曲は、震えるほど素晴らしかったです。

もう、年齢とか、まったく関係なくすごいと思ったし、
彼の演奏なら高い金額を払ってでももう一度聴きたいと思いました。下世話な話だけど。

・・・と、私は感じたのですが、
正直、まだ荒削りではあるし、
観客とのコミュニケーションも取れていないし、
まさか優勝するとは!

優勝者が発表される前の、コンクール主催者代表のお話の中に
こんな言葉がありました。

「ここにいる審査員たち(男4人、女4人、年齢まちまちですが全員演奏家)が
彼らの知識と経験と信念の全てをかけて慎重に審査いたしました。
私たちは、自分たちの信じる芸術の道を継承するということを、
このコンクールの究極の目標とし、
今回の結果に到りました」

なんか、この言葉を後から思い出して
すとーーん、と腑に落ちました。



こういう挨拶は地味だけれど、
何気にコンクールごとの色合いが出ると思うのですが、
場合によっては「将来性が期待できる」であったり
「演奏家としての完成度を重視」であったり
ちょっとした言葉の言い回しで、ニュアンスがいろいろで面白い。

それが、このコンクールは
審査員が信じるthe way of our art form (芸術の道)を繋ぎたい、ときました!


あああ、しみじみ良いコンクールだなあ!!

そしてここまで長々とお読みくださったかたは
私が言いたいことにもうお気づきと思いますが、


フィギュアスケートも同じような流れになって欲しいものだなあ

としみじみ思いましたとさ。


現在行われているらしいISUの総会では
芸術としてのフィギュアスケートが引き継がれていくよう、
ハチャメチャなルール変更がないことを祈ります。



ちなみに、3位に終わったヴァイオリニストは、銅メダルをかけてもらって
表彰式の間中、不服そうな顔をしていました。

やっぱりそういうところは、始めから見抜かれていますよね、きっと。(笑)




そして、1位争いでは2人のチェロ奏者を巡って審査員の意見が真っ二つに割れ
最終的にタイブレーカーまでもつれこんだのですが、
長くなるのでその話は割愛!( ´艸`)