天才 | ここで、そこで、いろんなところで

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日々の生活の中で想う、エッセイ未満のことたち

いしいしんじさんの「ぶらんこ乗り」を読みながら、私は物語の中の弟とある男の子と重なっていた。


今小学校3年生になる近所の男の子。


自閉症気味だけど、とってもチャーミング。


こちらの言葉をオウム返しに繰り返す。

です、ます口調で話をする。

数字を見るとすぐに反応する。


この前は二人でちょっと化学の話をした。


「お水は水素が2個と酸素が1個引っ付いて出来ているんだよ。」

「知ってます」

「オキシドール(過酸化水素)は水素2個と酸素2個がくっついてるんだよ」

「そうですか」


小学校3年生でちゃんと理解している。


そのくせ

「ここに来るために人生ゲームをお姉ちゃんに預けてきたんです。

メチャクチャにされていないか心配です」

と、本当に困った顔で打ち明ける。


天才ってこういう子のことを言うんだろうな。


また遊びに来てくれたら、化学のお話をしよう。

でも今度は私が教えられる番かな。