医療否定をするドクターの責任。 | ミタクエ・オヤシン

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【ミタクエ・オヤシン】はアメリカ・インディアン、ラコタ族の「私に繋がる全ての存在」と言う意味です。

ワタクシが尊敬する長尾先生の、この記事を読んでみてください。

http://www.nagaoclinic.or.jp/doctorblog/nagao/2013/05/post-3161.html


最近、新聞(と言っても我が家は山梨日日新聞と言う地方紙…)の広告などに、デカデカと宣伝されている本の中に、「がんは治療するなーっ!」と言う内容の本が多く掲載されております。


私は医療従事者では無いけれど、これって酷いなぁ~…って、広告を見る度に思っていました。


なんかね、極端過ぎるんです。

ダメダメダメーって、それヘンね…って思います。


私は医療従事者じゃありません。

単なるがん患者です。

でも患者側から考えた時、がん細胞にはそれぞれ個性があるんじゃないかなーって感じています。

だから何が良いか悪いか…って、実はお医者様にも分からないのが本音じゃないのかな?

そんな風に思うんですよね。


手術をするべきじゃない

リンパ節を廓清するべきじゃない

抗がん剤治療はもってのほか


…そんな単純な話じゃないと思うんですよね。


医療を否定する医師が居て、その医師の書いた医療否定本がじゃんじゃん売れちゃっている。

書いてあることを鵜呑みにすべきでは無いと言われても、私たち患者側からすれば、医師の言葉の重さって確かに在ります。


お医者様が、「まだ大丈夫ですよ。」って言ってくれた一言で、たったその一言で、本当にほっとする場合もある。


逆にその一言を疑って、疑って、疑ってしまう場合もある。


人それぞれ受け止め方はあるにせよ、医師の言葉って本当に重いんです。


今日は病院に行く車中で、主人とそんな話をしました。


医師はその重さを実感しているからこそ、歯切れが悪くなったり、言葉を濁したりもするんでしょう。

海外のように訴訟も多くなってきた中で、保身…なんて事も出て来ているのでしょう。


私は、胃を全摘出しました。

手術前のコンサルで、脾臓の摘出と周辺リンパ節の廓清も説明を受け、予防的措置の意味(胃を全摘出した場合、胆石になる可能性が高くなる)も含めて胆嚢の摘出も考えた方が良いと言われました。


術前ギリギリまで答えを出さなかったけど、麻酔かける直前に、麻酔医に「どうせ開腹するんだから、取れるモンは全部取っちゃってください!って先生に伝えてください。」とお願いしました。


結果、胃、脾臓、胆嚢、リンパ節84個廓清となりました。


ハッキリ言えば、術後のQOLは著しく下がったと言って良いでしょう。

食後は必ず下痢をするし、脂肪やたんぱく質の消化吸収がほとんど出来なくなっています。

体重も増えないままだし、術後の抗がん剤治療では、何度も星一徹になってちゃぶ台返しをしたくなるほどでした。


でも、それでも。

これだけは言えます。

私は、手術を受けて正解だったと。

抗がん剤の治療も8クールまで受けた。

それも苦しんで、苦しんで、苦しんだけど、治療をするかしないか決めたのは、私なのだから。

今後どうするか…に関しても、自分で考えて結論を出していきたい。


迷っても良い。

答えを引っくり返したって良い。


大事にすべきなのは、自分で考えて、考えて、考え抜いて。

それから結論を出すって言うことなんだと思います。


病気になったのは、誰のせいでもありません。

もちろん自分自身だって、病気になりたくてなったわけでは無い。

積み重ねてきた結果が、今あるのだと気付くしかないんですよね。


医療の知識が無いから分からないと仰る方も居ると思います。

だけど、調べようと思えば、調べる手立てはあります。

調べる事もせず、ただ鵜呑みにするのでは、病気にどうやって向って行くのか分からなくなってしまいます。


ひたすらに一縷の希望を求めて治療をしていくと決めても、辛くて苦しくて結果が出ないからと「やっぱりやーめた。」って言ったって良い。


でも最後に決めるのは、誰でもない。

ちゃんと自分で考えて、考えて、考え抜いて。

自分で結論を出さなければ、何も背負えないと思います。


背負いたくないと言うのなら、自分では決められないと言うのなら、丸投げする覚悟をした方が良い。


大学教授が書いているからとか、売れているからと言う理由だけで鵜呑みにして信じてしまうのは、ちょっと悲しいな…って思います。


病気には個性がある。

個人個人が持って居る病気なのだから、それぞれの個性があって当然です。

簡単にダメとか良いとかって言えないと思います。

それこそ、遺伝子レベルで研究されて、個人にあう治療法が確立されれば…と思いますが、病気を根絶してしまうことも、私は何か違うな…って考えます。


1つ根絶出来ても、必ず、新しい何かが出て来る。

その新しい何かを根絶する為に、医療は発展してきました。


病気が何もかも無くなってしまったら、どうなるんでしょうか?


私はそれが想像出来ないのです。

不老不死=幸せなこと…って想像が出来ないのです。


それは違う!そんな甘いモンじゃない!!と仰る方も居るでしょう。


それも良い。

違って当然です。


それが人間ですから。

生きているってことなんですから。

揺れて揺れて、揺れ動いて。

そうやって生きて行くのが人間なんだって思います。


それからね。

医療には過大な期待はしない。

でも、医療に夢や希望は持ちたいな。