タックスヘイブン〜不誠実な現実[No.100] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
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アイルランド、ギプロス、ケイマンなどの、お金持ちの個人、企業が税金を安くするために籍を置く国、地域。

もともと、資源、産業の乏しい国、地域が富を呼びこむ目的で、税率を下げることによって裕福な企業、個人の誘致を行ったのがきっかけだった。それが今や先進各国にも広がり法人税の引き下げ競争になってしまった。

このようなことは、税による富の再配分が機能しなくなり、結果として富裕層が得して、格差拡大を助長することになる。

日本でも消費税を引き上げて法人税を引き下げるといった不思議なことになろうとしている。これまで企業が負担していた税金を個人が負担するといったように。

年々増加する社会補償費を捻出するために消費税の上昇は仕方ない。さらに現在の状況で法人税を下げないと、日本から法人税の安い国々に優秀な企業、人材が流出してしまい、産業の空洞化、雇用喪失といったことが避けられないのは明白だ。

だから、もういい加減、法人税引き下げのチキンレースをやめて最低ラインを国際的に決めた方がいんじゃないかと思う。富裕層が税金から逃れるためのタックス・ヘイブンが引き金を引いた富裕層の便宜のためのレースに加わる必要があるのだろうか?そうすることで、富裕層はさらに富み、貧困層はさらに貧しくなるって明らかに間違っている。

社会の枠組みを決めているのが裕福な人達で、そういう人達の都合の良さによって法人税引き下げってことになろうとしているのであれば残念なことだ。僕がこういった恩恵とは無縁なところにいるから、言っているわけではないが。I can't get no satisfaction.(The Rolling Stonesの不満を歌ったナンバー)

優秀な人、頑張った人が高い報酬を得る。発展へのインセンティブとして大切な事だ。ただ、そういったことへの過度な傾斜は、恩恵にあずかれない人の不満を拡大させ、行き過ぎた労働者の権利が求められるようになり、結果的に発展の足を引っ張ることになるのではないだろうか。過剰なエリート優遇の結果、ストの頻発によって生産性低下が懸念されている韓国みたいに。要はバランスだと思う。

僕の好きなイギリスの元首相のチャーチルは東西冷戦構造下のイデオロギーについて次のように語っている。

資本主義は最悪のシステムだ。ただし過去存在した他のすべてのシステムを除けば、だが。

全良なものなんかない、マシなとこで折り合いつけて、最善に向けてトライ&エラーで修正を繰り返すしかないんだ。


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