最近大した日常生活じゃないので健康ネタばかりですが。

殺人的な猛暑が続いていますが、相変わらず妊婦さんたちからは「妊婦健診の助産師指導で、冷やすな、首と名のつくところは覆えと言われました」という声がきかれています。

同僚の助産師に「そんなん助産学校で習うの?」ときいたところ、「え、全然習ってません、誰ですかそんなこと言ってるの」と言われました。

医療従事者じゃない人が、「顔がきつくなったから男の子じゃない?」「お腹が前に出てるから(以下略)」という迷信と同じノリで「妊婦は冷やしたらダメよ」というのはまだいいとして(それにしてもこんな猛暑、昔は無かったから考えてから言ってよって思いますが)、助産師をはじめとした医療従事者が言ってるのはどうなの、と思います。

そんな訳でこないだ某医科大学に仕事で行った際に、図書館と書店に行って調べてみました。

まず、東洋医学関連(中医学全般、漢方、鍼灸など)の本を片っ端から見たのですが、「妊婦は冷やすな」「冷やすとこんな悪いことが」「首と名のつく部分は覆え」のようなことは全く書いておらず・・

本屋では、助産師の教科書や母性看護の教科書をいろいろ見たのですが、そんなことは書いていなかったという。

ところが、同じ本屋でも一般向けの妊娠本にはそんなことがじゃんじゃん書いてある。

これって、何なの?

(ちなみに、よく見かける、すごい偉い産婦人科医が監修している妊娠本には、「妊娠高血圧症候群を防ぐために食塩は1日7gに」って書いてあったんだけど、産婦人科医の教科書には「予防には10gまで」って書いてました。10gっちゅーと、厚生労働省が普通の日本人に対してそのくらいにしときなさいねって言ってる量と同じなんですが。妊婦だから控えるってことはないってことです(教科書記載のソースは→こちら)なんなんですかね、これ))

ネットの〇〇クリニック、〇〇助産院、〇〇鍼灸院のホームページレベルだとさらっと「冷えのせいでこんな悪いことが」「身体をあたためましょう」なんて書いてあり、「冷え」は西洋医学には無く東洋医学の概念ですから東洋医学の本を調べてみましたが、東洋医学ワールドは当然のことながら非常に奥が深い。一人一人の体質にあった対処法がいろいろある。一朝一夕に理解するのは無理ですが、そんなざっくりと、「妊婦は冷やしたらだめ」「冷えを治せばみるみるよくなる」なんてことはありませんよね、そら。

ちょっと東洋医学を理解可能なようにデフォルメしすぎなんじゃないですかね?

とりあえず、なぜ医療従事者の中にやたらと冷えを悪者にして上から目線で患者さんに指導する人がいるのか、ソースが分からずじまいでした。
引き続き、時間のあるときに調べたいと思います。