2010秋季高校野球 九州地区大会出場校19校の横顔 ①
☆出場校(地元開催地の熊本県4校、福岡県3校、その他の6県が2校で合計19校出場)
沖縄県:興南、沖縄尚学
春夏甲子園連葉の興南は今夏の甲子園で登板した本格派右腕・川満昂弥がエースナンバーを付ける。1年生右腕の高良一輝は準決勝の首里東戦では5回を1安打ゼロ封、2番手のマウンドに上がった島袋バリのトルネード1年生左腕・高良尚武が2回4奪三振と新チームでも投手力が高い様だ。打線は旧チームからレギュラーの3番・大城、準決勝で3安打4打点、決勝ではツーランホームランを放った外間等相手にプレッシャーをかけ得点する攻撃陣も健在だ。
沖縄尚学は背番号1のmax144km右腕・ 与座健人、背番号は10ながらも今秋の県予選ではエース級の活躍をしたサウスポーの名城、堂々したマウンド捌きの1年生右腕・山田と3枚擁する。相手のミスに卒なく加点しクリーンアップも振れているが今一歩の得点力アップに期待したい。
鹿児島県:鹿児島実、鹿児島商
鹿児島実のサウスポー・野田昇吾は県内屈指のライバル校であり同じ左腕の戸田隆矢擁する樟南に準決勝で勝利。野田はmax140km超のストレートに加え、スライダー、カーブを投げ分ける。打線も旧チームからレギュラーの揚村恭平、浜田竜之祐、豊住康太が中心に座り、下位の黒木、丸山にも長打力があり得点能力が高い。秋季九州大会では優勝候補に挙げられるだろう。
鹿児島商は俊足好打の打者が揃っており打撃力には定評があり、投手陣では富、福永の継投で勝ち上がってきた。準々決勝の神村学園戦では8-1とコールド勝利目前も終わってみれば8-7、準決勝の鹿児島工戦も7-6の辛勝。投手陣をいま一度整備して古豪復活の烽火をあげたいところか、、、
宮崎県:延岡学園、西都商
シード校の鵬翔、小林西、都城商、それらのシード校と同等以上の力を持つと前評判の高かった宮崎商、宮崎日大、日南学園が早めに姿を消す波乱含みの大会となったが、その中で優勝を飾ったのは今夏甲子園出場の延岡学園だった。
29歳の青年監督・重本浩司監督の多彩な采配で甲子園を沸かせた8月半ばからまだ2か月も経たない中、新チームは今夏の経験と自信が活きた様だ。それは、2回戦の聖心ウルスラとの一戦、6回までに3-7の劣勢も長池城磨の本塁打で打線に火が点くと9回に一気に逆転8-7で勝利した。
今夏の経験、それは大会屈指の右腕・田中太一擁する大分工との一戦では延長サヨナラ勝ち、2回戦では木村、田中と言ったプロ注目の2枚看板を擁し総合力的にも高評価の仙台育英相手に一時は3-6の劣勢も逆転延長戦に持ち込む等諦めない粘りの野球が今秋も健在だ、、、
チームの柱は打っては4番、投げてはmax140kmのストレートを武器にセットアッパーを務める濱田晃成。今秋の九州地区大会は強豪校が目白押しだが、青年監督の多彩な采配とナインの自信は快進撃の延長の予感が、、、
代わって準優勝の西都商は秋季九州大会初出場。県予選の準々決勝では優勝候補の一角・日南学園に8回終わった時点で2-4と敗戦ムード漂うも長時間の雨に依る中断も味方に付き、9回に一気に5点を入れ7-3で勝利、準決勝の宮崎北戦では新名のツーラン・ホームランが飛び出る等して決勝まで勝ち上がった。部員12人と少数精鋭での準優勝で各県を勝ち上がった強豪に挑む。
大分県:藤蔭、大分
大分県代表2校は共にノーシードから勝ち上がった。県1位通過の藤蔭は準決勝では優勝候補の明豊と対戦。練習試合で対戦した相手に繋ぐ野球を意識してシーソーゲームを制すると、決勝の大分との一戦も打撃戦の上勝利した。
準優勝の大分は三好、麻生と言った旧チームの様なスター選手不在も鋭い変化球が武器の小代貴裕を中心に全員で守り勝つ野球が身上。昨秋の九州大会はよもやの初戦コールド敗退。今秋はその雪辱に燃える。