昨日の午後、テレビで野球観戦をしていたらついついうたた寝してしまった。
そこへ携帯電話が鳴り起こされた。
中学時代の同級生からの電話だ。
(この同級生は今年の新年会のスレッド で触れた友人です。)
「今日の夜は何やってんだ?」と訊かれ、「予定はない。」と答えると、「ちょっと二丁目まで来いやー。」と言う。
ちなみに「二丁目」は新宿二丁目のことである。
「新宿二丁目」というと今や世界中のゲイのメッカとも言える街になっているが、友人の住んでいるところが新宿二丁目だ。
前にも書いたと思うが、私は小学校3年生から大学3年生までの期間を新宿で過ごした。
その中学時代の友達だ。
あの頃は、新宿二丁目はまだ元・赤線地区の名残りが多く、普通に女性が身体を売る店が多かった。
それはともかく…。
その新宿二丁目にあるライヴハウスでライヴをやると言う。
急に電話して来やがってライヴかよ!と思いつつも、新年会から半年も経ったし、行くことにした。
新宿二丁目にある「スモーキン・ブギ」という店が会場だ。
昔住んでいた地域だからとタカをくくって場所もきちんと確認せずに行ったら、しっかり迷ってしまった…。
夜の帳を落とす新宿二丁目で一人さまよう男一人…、ん~、明らかに「そっちの人」に思われるわ、こりゃ!(苦笑)
そこで携帯のインターネットで場所を再確認してようやく到着。
新年会同様に奥さんと娘さんもきちんと来ていた。
加えて、娘さんの彼氏まで来てた!(笑)
オープンな家庭で微笑ましい。
店で友人の話しによると、今日は4組演奏して彼のバンドがトップを飾る。
彼のバンドと書いたが、実は彼がティーンの頃に夢中で通っていたアマチュアバンドが30年ぶりに再結成し、このタイミングで私の友人がヴォーカルで参加することになったそうだ。
彼のレパートリーとしてはキャロルのカバーを歌うと言う。
バンドは元々の4人で当時のナンバーを数曲演奏した後に、私の友人が呼ばれステージに上がって行った。
人前に出るのが好きな奴だが、練習したことを披露するのでは勝手が違うのかとても緊張している。
そんな中で頑張ってキャロルのナンバーを4曲ほど歌い切った。
客席に戻ってきて「いやぁ、緊張した~!」としきりに呟いていたので、「意外と緊張してたな?」と言うと、「だってウチウミさんが最後やるんだよ、今日!」と言う。
「?」と私は思ったのだが、よく判らないことはあまり聞かないので、そのまま彼と残りの出演者の演奏を聴いた。
他の出演者もトークで「ウチウミさん」とか「キャロルは、」とか言っている…。
そして最後にラフな格好で青いレスポールを膝に抱えスツールに一人腰掛けた中年男性が登場した。
その人は内海利勝 氏であった。
そう、あの伝説のバンド「CAROL 」のギタリストだ。
ロックをやる多くの者がキャロルや矢沢永吉を日本のロックのスーパーレジェンドとしてリスペクトしているとなると、そのキャロルのメンバーと同じステージに立つのはそりゃ緊張するはずだ!
私自身はそんなキャロルや矢沢永吉に造詣が深くないのですが、それでもやはりリスペクトしますからね~。
内海氏も新宿に住んでいたということで「ゴールデン街」という曲や新宿にちなんだオリジナル曲からキャロルのナンバーをブルージーなギターの弾き語りで歌っていく。
やはり、カッコいい。
途中、「キャロルの楽譜集と言うのが出しなおされたらしく、一応見たら、俺の曲のクレジットが矢沢永吉・ジョニー大倉作になっていた…」などという話など、今はもうキャロル時代の話もできるようになったようなことも含め語っていた。
年月が過ぎるということは明らかに老けていくもの、錆びていくものがあるなどネガティブなイメージが強いが、やはり深みや優しさをももたらせる事もするのだ!と感じた。
そしてアンコールでは「ファンキー・モンキー・ベイビー」までも披露してくれて、狭い場内は大いに盛り上がった。
あの頃のやんちゃ坊主の同級生がバンドを始めて、その初舞台がキャロルのメンバーと同じステージだなんて、ちょっといいじゃねぇか!!(笑)