橋下知事 大阪都構想の問題点 4 | 社員と顧客と経営者の幸福

橋下知事 大阪都構想の問題点 4

こんにちは 心のソムリエ橋本文隆です。

橋下大阪府知事の大阪都構想 その4回目です。

橋下知事 大阪都構想の問題点 1
橋下知事 大阪都構想の問題点 2
橋下知事 大阪都構想の問題点 3

大阪都構想実現が極めて難しいことを見てきましたが、
では、もし実現した何が良くなるのでしょうか?

実は、ここがよくわからない点が大阪都構想の大きな問題です。

つまりどのような問題をどう解決するのか、そのソリューション
(解決策)が見えないわけです。


これは小泉政権下の郵政民営化に似ています。

郵政民営化そのものにはソリューションは無く、どのように
民営化して、どう運営するかがポイントであるにも関わらず、
民営化そのものが善か悪かで選挙が行われました。

現在、中途半端な民営化によって、郵政がグタグタになって
いるのはご存じの通りです。

(これは小泉さんひとりの責任ではなく、民主党や亀井さんが
関わってのことですが)

TPPもそうですが、ソリューションがわからないのに、賛成か
反対か判断させても、適切な答えは出ません。


大阪都そのものは直接ソリューションを生み出しません。
では間接的にどんなソリューションがあるのでしょうか?

よく言われているのは、

1.二重行政解消によって、税金の無駄使いが減る
2.行政単位が小さくなるので、住民サービスが向上する
3.大阪都が一元的に政策を進められるので、大阪全体が
  活性化する政策を打てる


これらをソリューションとして出すには、例えば
「二重行政解消によって、何をどれだけ削減するのか」
を、明確にすることが必要です。

経費としては、膨大な公務員を抱えている人件費が大きい
でしょうが、公務員を簡単にカットできるでしょうか?

今でも、府と市は公務員を、少ないながらも削減しています。

このペースで削減を続けたとして、数年後、大阪都が
できたときに、さらにどれだけ削減できるのでしょうか?

このあたりの計画がないと、ソリューションが見えません。


「2.行政単位が小さくなるので、住民サービスが向上する」
は、橋下氏も認めているように、その地域の住民次第です。

橋下氏のやろうとしていることは、

「こういう政策により、○○をよくします」
ではなく、
「自由にできる枠組みをつくるから、後は自分達でやってね」
というものだからです。

大阪市には、生活保護を受けている人が多い区もあり、
そのような地域をどうするのか、まだ区割りも決まって
いないので、不明瞭な部分です。

ただ、大阪市の行政には不満の声が大きいので、
今より悪くなることはないと考える人も多そうです。


「3.大阪都が一元的に政策を進める」は、大阪の競争力
強化を訴える橋下氏の主要な主張になります。

しかし、これも、何の政策を進めるのかがわからないと、
どんなソリューションがあるのかわかりません。

「特区」「カジノ」「関空鉄道」「リニア新幹線」など案は
いろいろありますが、具体化はしていません。

「カジノ」以外の政策は、たぶん市は反対しないので、
これらの政策からは、「どうしても大阪都」という理由も
見えてきません。


やはり、「府も市も大幅な赤字財政のなかで、どんな
政策が打てるのか?」
というところを議論するのが、
本筋だと思います。

たぶん橋下氏は、「東京のように金のない大阪では、
一元化をしても、東京のように政策は打てない」

とわかっているので、政策よりも構想を前面に打ち出す
作戦を取っているのでしょう。

このあたりの世論のつくりかたは見事です。

逆に、平松氏は、橋下氏への人格攻撃などしないで、
政策論に持ち込むべきです。


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