クライアントがエキスパートである
こんにちは。心のソムリエ 橋本文隆です。
ソリューション・フォーカス・アプローチ<4つの前提>
今日は、その4番目です。
第4番目は、
「クライアントは、彼らの問題解決のための
リソース(資源・資質)を持っている。
クライアントが、自身の問題を解決する
エキスパート(専門家)である。」
というものです。
セラピーやカウンセリングを想定して前提は書かれて
あるので、クライアントという表現をしていますが、
一般的には、対話の相手と考えてください。
ここで大切なことは、こちらがよく知っている人間として
解決策を教えてあげるのではなく、自分の問題に関しては
本人が一番よく知っているという立場で、話をするのです。
この「知らない立場(not knowing)」からの会話を
苦手とする人は多いようです。
コーチや講師にも、「教えたがり」がいますし、一方的に
上から教えるだけの上司や親もいます。
「知っている立場」で一方的に教えることは、効率的な
情報伝達には向いていますが、人を育てることや、
心を開発することには、必ずしも向いていません。
相手の中に、必ずその問題を解決に導くリソースがあり、
その人は、必ず、解決する力を持っている、と信じて、
その信念をもって対話をしていると、相手は
自分のリソースを見つけ、自ら解決に向かっていきます。
その信念が揺らぐと、「知らない立場」から「知っている
立場」に変わり、「この人は、私が教えてあげなければ
ダメなんだ」と思うようになります。
そうなると、ソリューション・フォーカス・アプローチの
対話から、離れていってしまいます。
ソリューション・フォーカス・アプローチ<4つの前提>