小数点花手鑑 / 小林大吾 | 勇登 OFFICIAL BLOG

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小林大吾氏の4thアルバム、小数点花手鑑。
ネット見てもあんまりまだまだレビューがないみたいなので、先陣を切って書いてみようと思う。



3rd「オーディオビジュアル」についての駄文は先日書いたので、
興味ある方はブログテーマ「Music / アルバム」からどうぞ。



さて今回のアルバム、個人的印象としては、もちろん名盤でございました。
流石は小林大吾!

相変わらずの小洒落た言い回しと男前ボイス。
僕の思う彼の魅力である、
説得力のある意味の無い話や、
キラーフレーズ・パンチラインの多さ
もはやポエトリーともラップとも違う「新しい表現」の開拓を完成させた印象です。


1stでは硬質で無機質なポエトリーだったのから、
2ndで音楽的な楽しい印象を、
3rdで文章のユーモラスさをさらにブラッシュアップされ、
今回で完成、みたいな。

新しいなにか、と言うよりは
これまでのものをブラッシュアップし、強化したなにか、という印象。



個人的に好きなのは以下の曲目。

まずは2曲目。
忘れられた処刑人
早いビートに合わせたアッパーチューン。
今現在の状況とフラッシュバックされる過去の話、
そして脱線を繰り返す本人の思い。

悪魔と言うか/小悪魔と言うか/女房というか、、/マズイ!いますぐ土下座しないと

のラインとか

アイラブ銭湯!

のシャウト。

テンポ感や、韻の面白さ、歌詞の面白さは
そんじょそこらのラップものと比べ物にならない。



3曲目。
ダイヤモンド鉱

前作のジャグリングの流れを汲む応援ソング。
背中をポンと押す、と言うよりは
背中をドロップキックする
曲であるとHPに書いてあった。

まさにそーゆー曲。
hookの言葉遊びが秀逸。


7曲目。
リップマン大災害

2nd「詩人の刻印」収録三角バミューダの大脱走の前日談。
ファン待望の、我らがムール貝博士が登場する。
淡々と語られるシュールな物語。
小林大吾氏の曲に、短編小説のような印象を持つ人が多いと言うが、
まさにこれはショートショートの短編小説のような物語。



15曲目。
石蕗
この曲こそが、このアルバムの完成度をぐぐっと上げてると思う。
歌詞の引用はしません。
てゆーか抜粋ができないくらい全部好きすぎて。。

これは是非ちゃんと歌詞カードをみながら聞いてみてほしい。
1stでの哲学的な難解さの内容を
今の表現力で焼き直したような作品。





好き嫌いが分かれやすい作風ではあると思うけれど、
僕個人は大好きだし、わかり合える人が周りにいたら
是非飲みながら語らいたいものです。


このエントリで僕周りに理解して頂ける人が増えてくれる事を願わん。。



小数点花手鑑/FLY N’ SPIN RECORDS

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個人的には次のアルバムでは2nd「詩人の刻印」の話咲く種をまく男で見せたような
見事なラッピンをもう一度聞いてみたいものです。