携帯電話は命綱 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

Telefono Cellulare per Anziani, Facile da Usare con Tasti Grandi, Volume Alto, Funzione SOS, Doppio SIM, Base di Ricarica, Chiamata Rapida, Torcia,
 
85歳になった空手仲間の友人であるF爺に連絡を取っても繋がらないと言うことが多々ある。
 
家にはいても間に合わない、気が付かない、と言う事もあるから、連絡がつかないのも1、2回は仕方ないと思うが、大抵は着信に気づいたらコールバックしてくれるはずなのに、なにもない...と言うことが先日あった。
 
気になって、彼を支えている友人達に連絡をしてみたが、この1-2ヶ月皆何かと多忙で、お互い誰かしらが連絡を取ってくれているだろうと思い込んでいることがあった。
 
一度は携帯電話を落としてしまい壊れ、修理に出していたとの事。亡き妻の携帯電話に自分のSIMカードを入れていたが、扱い方がわからず電話を取るに取れなかったこともあるらしい。
 
その後修理された携帯電話が戻ってきたにも関わらず。再び落としてしまい使えなくなっていたと言う。(落とす直前に会話をしていた友人もおり、なぜ繋がらないんだ!と大騒ぎになった)
 
またその直後にそろそろ短期入院の時期だなあ、とは思っていたがその時彼は入院しており、携帯電話を家に?忘れてしまっていたのだと言う。家の固定電話に電話しても出ないから、多分病院だろうと思いつつ、どう言う状況で病院に行ったのか?心配の時があった。
 
結果としては大きな問題はなかったのだが、彼が退院してから、「皆が心配してたんだからね。電話が繋がらないだけで皆が(特に私が?!)大騒ぎするのわかってよね?」と言うとを大笑いしていた。
 
外出先で怪我や事故に遭い、携帯電話を持っていて良かった!と言うこともあるかもしれぬ。しかし、一人暮らしの高齢者にとっては、自宅の固定電話でも良いが、やはり携帯電話は命綱。
 
また、数日前、母に電話を入れたが繋がらず。私も仕事に入る直前だったので、その後電話もできず、コールバックがなくても、慌ただしさの中、すっかりそれについて忘れていた。
 
ところで、現在長男がミラノに戻っているし、先月の誕生日は何もしておらず、来月に入ると夫は日本出張。私もシッターを休んでの別の仕事が入り、そこで長女や長男とも一緒になるが、次男は大学の試験があり、また誕生日も迎えるので、この限られた時間に家族が集合した。長女の彼も交えて食事。
 
その時の集合写真を母に送付したが、日伊間時差があるとはいえ、丸2日間、電話も画像も未読のまま。普段ではあり得ない事だった。
 
最後に電話で話した時、7回目のコロナワクチンを打ったということで、今回は腕が痛いと言っていた。その後発熱したのだろうか?家に中で転んでいないだろうか?悪いことばかり考えてしまう。
 
長男に「ここ2、3日の内におばあちゃんと話した?」と聞いても、話していない、との事だった。もう直接電話したり、日本の弟や親類に聞くのも時差的に遅いと思ったので、弟にメッセージを入れた。長男が「しばらくミラノに出発し家を空けるので、おばあちゃんをよろしく!」とメッセージしたらしいが、全く連絡がないとは母から聞いていた。(自分の親だろうが....)
 
結局、母は元気でLINEのメッセージ欄に広告類?の不要なメッセージが私の上下に入っており、私まで消去しまっていたらしい、と後から長男から聞いた。決して友達の登録を消したわけではないのだが、それは口で説明してもややこしい。
 
日本時間の朝7:30を待って母に電話をした。「連絡が取れなくてびっくりしたよー」
 
何かあっても飛んでいけない距離であるし、ただ声を聞くだけで安心するものがある。携帯電話は今やその確認のための命綱と言っても過言ではない。
 
弟から珍しくメッセージが入った、と言って母は嬉しそうだった。「私が大騒ぎして彼に母の様子を確認するよう頼んだんだよ」また「本人も連絡はまめに取らないとダメだね」と返事が来ていた旨伝えると、「まあいいわ。気持ちだけあるのが分かれば安心だから」、と母。確かにそうだろう。お互い余計なことは言わなくても、元気でいることさえわかれば、安心出来るのだ。
 
弟には今年のカレンダー昨年購入し、12月の夫の帰国の際託したのだけれど、弟が待てど暮らせど母のところに行かないから、長男がそのカレンダーを誰かにあげてしまったらしい。今回も来年度のものを購入し、実家用と弟用に夫に託すつもりだが要るか?と聞くと欲しいと言うことだった。やんわり「だから実家に行け!」と言う意味が込められている。爆
 
この秋長女が一時帰国した時、弟は長女と長男を飲みに連れて行ってくれたそうで、お酒が入って気が緩んだのか?!「ママは子供の頃からきつくて怖かった!」と言っていたらしい。苦笑 「気が弱くて優柔不断な人間が海外で暮らせるか!きつい日本人女性はもっといる!私なんてまだまだ甘っちょろい!」と子供達に言い大笑いした。
 
...と話はそれたが、携帯電話は命綱。
 
高齢者の親や身内、友人知人がいる人はたまには連絡を取り、声を聞き、状況を把握できる関係、状態であるべきだと強く思う。