落とし物 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

昨日、仕事の帰り道、家の近所で財布を見つけた。中にカードが沢山入っているようだった。

 

一度は通り過ぎたものの、あのままじゃダメでしょ?持ち帰り、落とし主と連絡がつくものがないか中を拝見。

 

見事にお金は入っておらず。スリにあって捨てられたのであろう。しかし写真付きの身分証明書(しかも家族分!)にドイツの保険証?やら銀行のカードなどが数枚。どうもドイツ人らしい。

 

ところで、以前FBのサン・シーロ地区のコミュニティーで「某病院の前で(我が家の真前)財布を拾いました。心当たりのある方はご連絡下さい。」と言って中に入っていた身分証明書の写真が上がっていた。アレッサンドロなんとか...聞いたことのあるような名前だけれど、写真は全く知らない人...そのまま忘れていた。当日か翌日、当時ミラノにいた長男が、友人のアレッサンドロが我が家に来る際、財布を無くしちゃって、探しに帰って一緒に出掛けらなかったと言っていた。

 

「ちょっと待って!アレッサンドロって苗字は?」と聞くとまさにFBで見た名前であった。でもかなりおっさんだったよ、っていうか別人級の画像であったが、投稿を長男に見せたら、「これ!これ!」と言って無事手元に財布が戻ったということがあった。

 

試しにFBやLinkedInに財布の落とし主がいないか検索してみたがヒットせず。さあどうしたものか?夫に聞くと「なんで拾ってきた?」と言う。はあ?!困っている人がいるからなんとかしてあげたいって思うのは当然でしょう?と言うと、領事館に連絡してみたら?と言われた。

 

在ミラノのドイツ人か?旅行者かはわからないが、イタリアの警察に届けるよりもドイツの領事館の方が確実に財布の落とし主本人に到達するのではないだろうか?

 

仕事先に、落とし物を届けてから出勤する旨連絡し、午前8時半から領事館があくので、早速電話をすると担当者が不在のため30分後に再び電話するよう言われた。ドイツ領事館は、ミラノの中心地であるモスコーヴァの駅から5分ほどの場所。直接そちらへ向かい、万が一警察に届けるよう言われるのなら、その近くの警察へ行こうと思い、9時に再びドイツ領事館へ電話した。担当の方と話し、そちらでも警察でもどちらでもよいので届けてください、とのことだったので、数分後ドイツ領事館へ行くことに…

 

近代的な建物に、ドイツの旗が見えたので入り口を見上げていたら、制服らしき服を着たアジア系の男性が立っていたので、入り口はここか?と聞くと、アポイントはしてあるか?と聞かれた。今電話で話したけれど、財布(と言ってからあっ

言うべきでなかったか?と思ったが)を拾ったので、届けに来たのだけれど…というと、自分が与る、というではないか?そうなの?いつ、どこで拾ったか?くらい聞かれるかと思っていたのに、この人に渡しちゃっていいわけ?万が一その人が渡さなかったら???などと頭を横切ったが、まあ信用するしかないか…と思い手渡した。

 

何気に、大丈夫か?!と気になりつつも、一応ここまでこって来たしね…と自分に言い聞かせた。

 

もともといくらお金が入っていたのかはわからないが、再発行などの手続きに時間が要したり、まずは自分のものがなくなるほど気分が悪いことはないだろう。

 

財布が落とし主の手元になるべく早く戻り、安心してほしいと思う。