8日後れのガレット・デ・ロワ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
 
 
我が家の近所にはフランス人学校があり、よってフランス人も多い。数年前まで、私の通うパロッキア(教区教会)にはカトリックフランス人会も所属していた。
 
とにかく在ミラノの日本人カトリック信者なんぞ非常に少数(日本での人口比から言ってもそうなのだから在外なら尚更のこと!)だが、私の知り合いのフランス人は皆無神論者だが、意外にフランス人のカトリック信者は多く、皆子沢山!
 
そのフランス人会を仕切っていたフランス人司祭の移動によってグループも小さくなったのか姿を消した。実際には近くの修道院に集まっていたようだが、現在はイエズス会系の学校を借りて毎週ミサをあげているようだ。
 
それが今朝、ミサの5分前にお御堂に入ると、やたら人が多く、特に子供達がたくさんいるではないか!隣接しているカトリックの学校の児童とその家族の行事があるのか?と思ったら、あとから彼らはフランス人会であったと知った。
 
ところで、今日は、ミラノのアンブロジアーノ典礼は「カナの結婚」であったが、「世界移民•難民の日」であり、パパ様は「移民と難民に、受け入れ、保護、支援、統合を」というタイトルを昨年メッセージで送られていたことを思い出した。また今日のtwitterも「国(家)を逃れ困難の中にいる人を受け入れ、保護し、支援し、融和できるよう共に働きましょう。」というものだった。
 

世界各地で家を追われた難民は昨年の夏の時点で推定2200万人超。8月からはミャンマー軍による掃討を逃れて、60万人以上のロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れているという。

 

パパ様は、教会がその分野における第一線での取り組みとして「出会いの文化」の推進を改めて希望され、また今日のごミサでも、「他者との出会いを拒否しないことが大切である」、と強調されていた。

 

ミサの中でも主任司祭は、この地域も外国人が多い。フランス人、フィリピン人、南米人、エジプト人、モロッコ人、アルバニア、ルーマニア、インドネシア...沢山国の名前は出ていたが、所詮日本人は少数派..と思って、頭の中は上の空だったのだが、あとから、そうだ!我がオラトリオには日本人も一人いたんだ!と祭壇に戻った司祭が私の方を見て、ごめん!というジェスチャーをしていた。いつものことだし...と思っていたら、ミサのあとに、また「我が聖歌隊の日本人を忘れていました。」とわざわざ紹介してくれた。笑

 

ミサのあと、茶話会が催された。行ってみると、フランス人ばかり。おやっ?と思ったら、ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)じゃないの? 先週6日の”エピファニア”(公現祭)にフランスで食べるケーキだという。中には小さなお人形(フェーブ)が入っており、切り分けられたケーキの中に入っていたら、この1年間王様、王妃になれるとか?また、シャンパンやリンゴのお酒であるシードルが振る舞われた。

 

考えてみれば、昨年もエピファニア直後に、フランス人会と共同ミサを上げ、やはりガレット•デ•ロアをいただいたことを思いだした。

 

 
以前、フランス人会と一緒だったとき、ミサの時間帯は違っていたが、年に数回合同ミサをするにも、やれ、フランス人は保守的だ、やれイタリア人は保守的だ、という声を耳にしていた。同じヨーロッパ同士で、しかも同じ神様を信じる者たちがいがみ合っていたら、信仰、国籍を超えた人をうけいれられるはずがないでしょ!
 
とはいえ、オラトリオにいる人間としては、だれが身分が上とか下ではないけれど、受け入れ、というのは、そうそう綺麗事ではないし、簡単なことではないのは身をもって体験している。
 
ああ、明日もオラトリオ。
 
気合を入れないとなかなか行けないのが現実かな。