腕白でもいい、たくましく育ってほしい | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

「腕白でもいい、たくましく育ってほしい。丸大ハム」 
昔そんなCMがあった。 

腕白・・・いたずらで言うことを聞かないこと。活発で動き回ったり、悪さをしたりすること。また、その子供。 

次男は、乳幼児の頃から、思い通りにならないと、どこでも大の字になってひっくり返る子だった。一瞬おとなしそうに見える。それは状況を見極めているからだ。相手の人間、状況をよく見て、ここなら、この人ならこれくらい大丈夫と研究している様子。大雑把なわりに抜け目がない、というか、小心者なのに大胆で、ずうずうしいわりに気を使う。つかみどころがないが、とにかく世話が焼けるのだ。 

教会へ連れて行くと、ここなら人が許してくれる?とでも思うのだろうか、そういう場所に限って、はちゃめちゃなことをやってくれる。奉納用に小銭を 渡すと、 ポケットに入れちゃう。あ~・・・「モンテッソーリでそういうこと習ったの?」とまで嫌味を言う人もいる。笑 

ところで、同じ日本人でも、たとえばミラノの日本人学校の児童・生徒達を見ていると、毎年おとなしくて、お行儀のよい、ハメをはずしそうにないお子さん が多い。けれど、補習校に行くと、なぜかうるさい、元気な子が多い。やはり現地校でもまれているから?!爆 

それにしても、次男は、現地校でも補習校でも、「授業中○○をしました。」「集中をしていません。」などと連絡をもらう・・・いい加減にしてくれ~。空手教室でも一度目は教室をだされ、代理のマエストロのレッスンでは、罰でうさぎ跳びをさせられたという。最近ますます太り気味の次男。あの体でうさぎ跳び・・・想像するだけでも、ぷっと吹き出しそうだし、かといって情けなくって穴があれば隠れたい気分。 

もしや、うちの子は多動症なのでは?と悩んだけれど、補習校の先生には、多動症とは違うのでは?といわれたけれど、現地校の担任には、「何か家族の問題 では?」「日本語が問題 では・・・?」とまでいわれ、げっそり。スイッチ入った時は、この子、もしかしてできるかも・・・と思うが、(親ばかちゃんちゃかりん!)そのスイッチもほとんど電池切れ。 

先週補習校へ行く前に、そっと筆箱に「じゅぎょうちゅうは、歩かない!しゃべらない!字はていねいにかく」とメモを入れておいた。どうにか守ったようだ。「先生にほめられたよ~」と嬉しそうに帰宅。それが普通の授業の受け方なの! 

なんだかな・・・ 

そんな次男も12月4日、いよいよ8歳。 
予定日を過ぎてもなかなか生まれなかった。両親に手伝いに来てもらっていたが、生まれたら、夫はすぐにウクライナ出張の予定だった。日本からの出張者との合流予定もあり、いつ生まれるんだ?いつ生まれるんだ?といわれても、そんなの私にだってわからない。 

ある土曜日、午前中夫は両親と子供達をつれてミラノから1時間ちょっとででいける アウトレットに出かけていた。帰宅しすぐに補習校へ。(15-18時)そのくらいからじわじわ陣痛がはじまり、友人へ子供達のお迎えだけ頼み、病院へ。 

陣痛のときは、陣痛室が、出産のときは、分娩室がいっぱいで、最終的にいきなり頭が出始めてきてしまった次男。「今から場所を確保します」と助産婦はいったが、結局そのままストレッチャー上で上半身を直角に壁に移動させ、数回いきんで生まれてきてしまったのだ。夫のほうが汗びっしょりで、それでいて真っ青。なんだかな・・・慌しい出産だった。 

結局夫も予定通り出張に出かけられ、父も先に仕事のため帰国。すべてお見通しってくらいに本当にタイミングよく生まれてきてくれた。 

生まれて以来、本当に病気という病気をしたことがない。上に兄弟がいる分、私が忙しすぎて、待てなくて手を出しすぎた。その分、依頼心が強いのは、私の失敗だったが、それ以外はある意味打たれ強い。 

軟弱でもいい。要領よく生きてもらうか。それとも、多少要領が悪くてもいい。生きる力をもってたくましい人間になってもらうか。 

そりゃあ後者をのぞむに決まってる。 

きっと将来笑える話なのだろうが、今は、どこへいっても頭を下げてばかり。どんな大人になるんだろうなあ。 

 ←今年はお友達を呼んでの誕生会はしないため、クラスメートと先生に配るためのキャンディーの袋詰めと折り紙を次男がすべてひとりでセッティングしている。