卒業式 ~ その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今日は在ミラノ補習授業校の卒業式だった。 

『君が代』斉唱。 

先日、あるブログで腹が立つ記事が載っていた。 
http://ameblo.jp/go2183west/entry-11186641321.html 
冒頭の国歌斉唱の際、不起立教員がいたという。 
さすがに、こちらでは、それはなかったんじゃないだろうか。 
皆、蚊が鳴くような歌声だったが、とりあえず歌っていた様子。 
ただ、国旗が無かったような気がする。あれは、毎年掲揚されていたのだろうか記憶にない。 

ただ、ぺちゃくちゃ話す、児童・生徒、そして保護者が多い事に、毎年腹が立つ。イタリアでは、こうやって人の話をきく機会なんて、多分教会の説教くらいしかないんじゃないだろうか?だから、人の話が聞けないなんて事はいいわけにはならない。なんといっても、聞こえてくるのは、保護者のイタリア語。ありゃ、本当に腹立つわ。不謹慎極まりない。 

普段、入学式、卒業式というと、長男が両脇の友人とぺちゃくちゃおしゃべりするのが見え、咳払いをしたりして気付かないか?とイライラさせられるが、今年は卒業生で一番前の席だったし、端の席で、在ミラノ日本国総領事をはじめ、在ミラノ日本人学校の校長の近くだったので、さすがにそれは無かった。けれど、次男がやはり落ち着きなく動いているのが見えたが、何気に後を向いたら、私と目があっちゃったからさー大変。私が口に人差し指をあてにらみ、そして拳骨のジェスチャーをすると、それきり静かになった。ははは・・・威嚇が必要。 

ところで、校長先生からの祝辞では、京都、龍安寺にある“つくばい”のデザインとなっている『吾唯足知』(われただたることをしる)を紹介された。足るを知る。 
  
【知足の者は賤しとも雖も富めり 不知足の者は富めりと雖も賤し】 
「満足することを知っている者は貧しくても幸せであり、満足することを知らない者はたとえ金持ちでも不幸である。」ということ。なんか、聖書にも似たような言葉があったような・・・いずれにしても、この満足することを知るということは幸せに生きる為には、とても大切な事なんだと思う。そして、何よりも『感謝』すること。 

総領事や日本人学校の校長先生からの祝辞にも、親に感謝しようとあったっけ。 

中3と高3の答辞では、『お父さん、お母さん有難う』といっていた。やっぱり涙が出てきた。私が学校に通っていたとき、両親に感謝しただろうか?6年生の長男の通知表にも評価のほかに、『ご両親を大切にしてくださいね』とかかれておりびっくり。 

入学式や、卒業式に時間をかけるのならば、授業の時間に回して欲しい、という保護者が以前いたが、やはり日本の学校のやり方で、人の話をきき、言葉を味わい、心に刻み込む・・・そういった儀式はやはり必要だろう。 

知足の心がもたらす、感謝と謙虚さをベースにして、他人を思いやる利他の行いができる人間になれますように、と願ういい卒業式だった。(しかし、私語はいかん!) 

↓の曲を、補習校の校長先生を初め5名の先生方が歌ってくださいました。感動でした。

http://www.youtube.com/watch?v=Nz0V7XGLKj4&feature=related