逃亡者と追跡者 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

ここ10日くらい、台所やトイレで蟻をちらほら見かけるようになった。 

ミラノのそふぃあさんの日記には、時々蟻の話が出てきますね、とMixiのマイミクさんにいわれたが、以前住んでいた家も数軒、そして今の家も引っ越してきてまだ4ヶ月だというのに、蟻がいるってことは、建物自体に蟻の巣がはびこっているのだろう。ちょっとやそっとで完全退治は無理。

とはいえ、昨年まで住んでいた家には、あまりにも蟻が洗面所にでるので、観察していたら、バスタブの壁に作り付けになっているシャワーの水栓金具の隙間から蟻が出入りしているのを発見!蟻退治用のスプレーをノズルでまき、時間を置いてから、シャワーを噴射。すると中からぶわ~っとごまのようなありが流出。それを何度か繰り返し、最後に女王蟻が出てきて、お~っこれぞ女王様かっ!!と驚いたものだ。さすがにその翌年は蟻が出てこなかった。それくらいしないとだめなんだろう。 

ちなみに、家に出るイタリアの蟻は、小っちゃくて、黒くて、つやがある。手足も触覚も短い。 

女王蟻は一日に約60卵程度を産み、約2ヶ月で成虫の働きアリとなる。働き蟻の寿命は約1年で、気温が5-35℃のときに活動し、低温になる冬季は活動が鈍る。女王蟻も20℃以下では産卵しなくなる。さすがについ最近までは産卵していなかったのだろうが、暖房の効いている室内では、特に季節もなく活動しているってことなのだろう。 

ちなみに、私も複数の女王蜂を見たが、多女王性であり、一つの巣に複数の女王蟻がいるそうだ。その割合は、ふつうは働き蟻1,000匹に対して女王蟻8匹程度であるが、超巨大コロニーともなると1,000,000匹以上の働き蟻を抱え、女王蟻の数は1,000匹以上になるという。もう想像するだけで、倒れそうになる。げっそり 

先日、夫の帰宅を待ってから、夜の教会行事で出かけ帰宅すると、案の定、台所は食べたまま・・・んだよ、ったく・・・・とぶつぶつ片づけをはじめると、床にいためたあげがおちているのを発覚。手が届かず冷蔵庫をどかすと、ギェ~っ!!蟻の大群。冷蔵庫の裏の壁を出たり入ったりしている・・・・ここだったのか!アンモニア水で掃除をしていたが、アンモニアは蟻の好きな匂いだといわれ、漂白剤を直接床にまき、ついでに隙間にも流し込んでみた。 

手荒な事をすると、数時間後、または翌日になって苦しくなった蟻がどっと出てくるが、決してそこで終わりにはならず、民族の大移動になるだけ・・・ただただ、次に発見したとき、何処から出てきているのか、注意深く観察しては、見える分だけ退治。あとは元を絶てない。 

気がつくと、床をにらみつけていることが多い。洗面所でも数匹発見。これはやはり暖房の管が壁を貫通しているのだが、その隙間から蟻が出入りしていた。また、その洗面所は冷蔵庫の裏の壁の反対側にあるのだが、その壁のビデの管の隙間からも蟻が・・・たらーっ(汗)もう隙間という隙間は見逃せない。元を絶たなくてはしかたないのだが、木工用ボンドでぬりつぶし。きっとコンクリートの中は、巨大コロニーと化しているのかもしれない。 

肝心な蟻駆除のスプレーや「蟻の巣コロリ」調のしかけは、今の時期まだ売られていない。既に蚊も出てきているのに、ヴェープ・マットを売っているスーパーもまだないのだから驚いてしまう。ホウ酸と砂糖で毒餌をしかけるしかないか。この毒餌は、アリの体内で脱水症状を引き起こし、水分が蟻やその幼虫の体から徐々に奪われる。その後体内でホウ酸が結晶化するので、蟻や幼虫の消化管は傷つけられ、結果死に至るということらしい。 

基本的に、食事は台所のみ、と子供達に言っているが、たまに子供部屋から食べた形跡を発見する。食べたシーチキンの缶やらミート・ソースの缶が出てきた時は、隠れて猫でも飼っているのか?と発狂した。そんなに腹っぺらしなんだろうか・・・。 

とにかく、常に逃亡者と追跡者の戦いは続く・・・。 
http://www.lucianabartolini.net/pagina_formiche.htm