2018年4月2日から「自分の机」がなくなりました。事務局長の机もなくしました。 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

2018年4月2日から「自分の机」がなくなりました。事務局長の机もなくしました。

(以前はここに僕の机がありました)

 

毎年、この時期になると4年前にあげたブログエントリーを読んでくださる方がいます。ありがとうございます。個人にとっての社会的所属が学校や会社に強く密着していると、それが失ったとき自分をどう他者に紹介するのか迷うものですね。でも、これからはそういう時代でもないのではと思うわけですが、だからといって実際にその環境になったらどうするか、を僕らは共有していないので、当時思っていたことを書いたものです。今ならもう少し違うことを書いていると思います。

 

4月1日から社会的所属を失ってしまった方へ(工藤啓) - Y!ニュース

 

それとは関係ないんですが、2018年4月2日をもって、事務所から僕の机がなくなりました。ついでに事務局長の机もなくしました(笑)15年ほど前に事務所を立ち上げたときは、一応、僕の机っぽい感じのものはありましたが、なにせ狭くて狭くて、所有権という概念を保持することすらできませんでした。

 

それから若者たちが集まるスペースを作ったとき、いったんは自分の部屋(みたいなもの)ができました。パーテで区切った感じですが。そのときは必要性の有無はあまり考えずに、来客も多く来るので話しやすい環境を作ろうか、みたいな感じだった記憶があります。しかし、それも結局スペースは取るし、誰かと話をするにもドアを開けないといけないし、そもそも寂しいし。ということで撤去しました。

 

それからしばらくは、オフィススペースに僕の机があり、みんなの机と同じになりました。しかし、実務ベースでたいして広くないオフィスに、ひとがいない机ができ、一方で、日常的にひとがいっぱいいるということはないにせよ、瞬間最大では座席がない状況が生まれ、別の部屋でやったり、一部の職員はテレワークに切り替えたりしました。

 

その後、車いすで通勤する職員が加わりまして、車いすがなんとか通れる導線を確保したり、必要に応じてみんなが手助けしたりしてましたが、やっぱり、フリーアドレスなり、(少しでも)働きやすいスペースを確保すべきだよね、という話が沸き起こり、実際はこれでは働きづらいという言葉もちゃんとあって、では改めてできる範囲で改装しようということになりました。

 

[1]全員フリーアドレス

[2]一部フリーアドレス

[3]その他の打ち手を考える

 

といったことを話し合ったり、ひとりで考えたりしているなかで、少しずつ自宅からのテレワークができる職員の業務も出てきたタイミングと併せて、基本的にはフリーアドレスだけれど、扱う情報がセンシティブな職員と、扱うデータや範囲が大きい職員は自分の机を持ちつつ、それ以外の職員は空いているところに、という結論に。

 

ただ、ひとによっては自分の机が落ち着くというのもありますし、まさに職場の所属先とも言うべき自分の机という存在は、思った以上に小さくないのかもしれない(ひとによりますけど)と思い、これからやってみてまた考えようかと思います。

 

その流れのなかで、何となく議論のエアポケットに入りそうになっていた僕自身の机については、この際、なくしてしまおう。ついでに事務局長の机もなくしてしまえ!ということでなくしました。

 

そもそも、さほどオフィスにいる時間も長く、いろいろな情報はクラウドにあがってますし、子育てもあってテレワークに切り替えることも少なくない。それに僕の机がなければスペースがその分だけ空きますので、特に不便はないのではないか。それに聞かれて困る話もないですし、ちょっと話声が入るなというときは、スマホやPCを持って別の部屋に行けばいいし。

 

個人的に不便はなさそうだ、と感じていても周囲がどうかはわかりませんので、しばらくはこれでやってみて、そのうち誰もが慣れていくんじゃないかと思ってます。早速、初日の今日は空いているところに座ってますが、これまで不在であった「隣の職員」がいる、「前の職員」がいる、「後ろの職員」がいるというのは、なんとなくいい感じです(笑)

 

業務に関する話も耳に入ってきますし、ちょっとした会話もできるし。これまでも小さなオフィスなのでそういうことはありましたけど、これからは意図をもって誰かの隣に座ることも、意図なく誰かと一緒になることも楽しみです。とはいえ、立川のオフィスだけの話なので、これからもっとスカイプやチャットなどを使って、働く場所を選ばない(選んでもいい)自分をそういう環境により最適化していこうかと思います。

 

15年近く自分の机らしきものがあると、そこには自分の引き出し的なものが生まれ、それら私物を一気に片付けました。ほぼ捨てましたけど。立ち上げ当時の写真が出てきたり、500円札が出てきたり、自分史のパンドラの箱が空きました。もうオフィスに私物が未発見のものを除けばなくなり(一部はロッカー)ましたので、これからの課題は審議会や委員会で多量にもらう紙の保管方法など、仕事を通じてちょうだいした各種「モノ」をどうしていくのかが課題です。みなさんの知見をいただきたいです。