Kei Kudo

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2017年01月20日(金)

少年院の「中」での支援について毎日新聞に掲載されました!

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少年院を退院する若者、子どもたちの支援を進める一方、現在、少年院の「中」にいる若者、子どもたちにも支援を、ということで支援活動の領域を広げています。

 

現状では、資金的な部分は持ち出しとなっており、社会の方々にご協力をいただこうとクラウドファンディングも立てさせていただきました。

 

少年院から退院した子どもたちが安心して再チャレンジできるよう「みんなで」支えたい - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)  

 

その「中」での支援活動について毎日新聞で取材記事を出していただきました。

 

少年院:PC教育 出院後へ支援、要望多く 茨城・NPOと連携 - 毎日新聞

 

---抜粋---

 

少年院でパソコン(PC)の使い方を初歩から教える矯正教育の取り組みが始まっている。出院後の就労などに向けて導入されたが、ほとんど触れたことがないという少年も多く、仕事に役立つ段階まで習熟できるかという課題もある。茨城県内の少年院では、昨年10月にニートの就労支援に携わってきたNPO法人と連携し、実践的なパソコン講座のカリキュラムを取り入れている。【岡礼子】

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掲載記事の取材日に僕も子どもたちのサポートに入らせていただきました。PC講習といっても、本当にレベルがさまざまで、それは少年院の若者、子どもたちに限ったことではありませんが、すごくできるひともいれば、PC講習以前の基礎土台から始める必要があるひともいます。

 

漢字、アルファベットが理解できない少年院の子どもたち(工藤啓) - Y!ニュース

 

入院中のPC講座は回数も時間も限られていますので、大きなスキルの獲得までの課題は小さくないですが、「できないことが、できるようになる」が短い時間で何回も得られることは、子どもたちの表情を目の前で見ていても、大きな効果だと思います。

 

正確にタイプができる。変換をしたらしっかり漢字で表記される。計算式を作ったら頭で掛け算しなくても、複雑な計算が一瞬になされる。しかも、それは確実に自らの手を動かして実現したものです。

 

そういう小さな積み重ねを支えながら、少年院を退院した若者や子どもたちも、また、それとは異なる悩みや課題を抱える若者や子どもたちにも貢献していきたいと思います。

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2017年01月17日(火)

パパ、スーパー戦隊は仕事なの?「スーパー戦隊と地域展開」

テーマ:ブログ

非営利組織について、「スーパー戦隊」をテーマに掘り下げて考えています。「公共性」「資金調達」「マーケティング」「ガバナンス」に続く第五弾のテーマは「地域展開」です。

 

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スーパー戦隊の活動エリアは定かではないが、敵の出現シーンを見る限りにおいてはビルやショッピングセンターのようなひとの集積エリア、水道橋付近と思われる遊興エリア、そして何か大きな爆発などが起こっても被害が最小限になりそうな採石場のようなエリアに敵が出現し、すぐに駆け付けられるという意味においてスーパー戦隊もそのエリア付近で活動していると想定されます。

 

しかし、これまでは偶然同一エリアに出現してきた敵も、同時多発的かつ他地域出現の可能性は否定できません。仮に敵ではないにせよ、それと見間違える形での報告があれば、スーパー戦隊が出動しなければならない場面も考えておかなければなりません。

今回は、『稼ぐまちが地方を変える』『地方創生大全』などの著書があり、地方におけるまち作りのプロフェッショナル、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、内閣官房地域活性化伝道師の木下斉氏(以下、木下さん)に、「スーパー戦隊と地域展開」についてお話を伺います。

 

 

調査研究事業から始まるスーパー戦隊

 

 

工藤:本日はよろしくお願いします。今回、木下さんにお話を伺いたいと思ったのは、前回の「スーパー戦隊とガバナンス」で、スーパー戦隊のリソースに限界がある以上、トリアージを試行せざるを得ないというお話があったからです。スーパー戦隊が限られたエリアでの活動を余儀なくされるというのであれば、各地域に独自の戦隊創設の声があがってもおかしくないと思ったのです。

 

木下さん:よろしくお願いします。スーパー戦隊の世界を考えれば、そのような声が住民から上がることは想像に難くありませんね。

 

工藤:既に「日本ローカルヒーロー祭」など、地域でのヒーローはいらっしゃるのですが、それを生業として運営されているところは少なそうです。各地でヒーローが立ち上がることは素晴らしいことですが、ひとつはヒーローが立ち上がらない地域はどうすればいいのか。もうひとつは地域でそれを仕事にするためにどのような可能性があるのかをお聞きできればと思います。

 

木下さん:日本のどこかで敵が出現し、未曽有の事態になってもスーパー戦隊がいればまちの平和を守ってくれる。そうすると、「ウチのところに現れたらどうするんだ?」という声があがるでしょうね。まず不安を抑えきれない市民たちは行政や地元市議会議員に「どうにかしてくれ」と掛け合うでしょう。その後、「わが市におけるスーパー戦隊の創設」について議会で議論されることになるでしょうね。しかしながら、根拠となる法律、そして財源がないのですぐに行き詰まりそうです。

 

工藤:議会、行政となれば当然財源論になりますね。

 

木下さん:地元に財源がなければ、「国にスーパー戦隊創設支援制度はないのか」となり、なければ「地元選出の国会議員に陳情しよう」となったりするでしょうね。

 

工藤:なりますか?

 

木下さん:なります。地方議員が県会議員に話をして、地元選出の国会議員に訴えます。もしくは、市町村長会や都道府県知事会などでも「スーパー戦隊設立に対する国の支援を」という声明が決議されるかもしれませんね。

 

工藤:なるほど。しかし、そういう陳情スタイルですぐに何かが動くとは思えませんが。

 

木下さん:そうですね。しかしながら、そういう動きが出てきて新聞各紙などを用いて、朝刊一面に「スーパー戦隊過疎の地域」といったような見出しで、地方の高齢者の方や子育て期の世代にインタビューし、「毎日不安で眠れない。このままではスーパー戦隊のいる街に引っ越すしかない」なんてコメントが掲載されるかもしれません。

 

そうすれば、「スーパー戦隊格差が都市と地方の格差につながり、地方からの人口流出にもつながっている」といったことが、国会で議論されるかもしれません。少し前になりますが、買い物難民問題という事案も某紙朝刊に掲載されたものを国会議員の先生方がみて、それをもとに国会議論が沸き立って、対策予算が組まれたりしました。

 

地方創生政策も、「地方消滅」という人口統計から地方自治体の経営がたちゆかなくなるという警告を出した民間団体の声明をメディアがこぞって取り上げ、それもあって一気に世論化して国政として予算をつけるという話になって今に至っています。

 

ご当地スーパー戦隊の必要性も、世論が高まっていけばそのうち超党派議連が組成されて、ご当地スーパー戦隊対策費を組む。それが動きだせば、次期国会で予算決議されるかもしれませんし、その最中にある地域に敵が現れて地域がめちゃくちゃになったなんて悲劇が発生すれば、補正予算で一気に対応することになるかもしれません。

 

個別の陳情だけではなく、そういった市民の不安を新聞やテレビが取り上げ、インターネットでさらに拡散をされていく。そうなると市民や国民の平和を守るのは大儀ですから政治が動いていきます。

 

工藤:どのような動きが考えられますか?

 

木下さん:国会などで全国各地にご当地スーパー戦隊を創設すると盛り上がっても、「そもそもご当地スーパー戦隊とは何か、どこでどのような実態があるのか」ということは役所も正直よくわかりません。そういう時には、まずは実態把握のために調査事業費が確保され、調査をコンサルやシンクタンク系企業が入札の上で受託することになるでしょう。

 

この時に大切になるのは、敵を速やかに倒し、市民の安全を確保してきたスーパー戦隊たちの過去の事例、さらに近年効果的に成果をあげていると思われる先行事例を調査するでしょう。

 

敵はどこで現れているのか。誰が対応しているのか。好事例はあるか。そして、併せて受託企業が事務局を務める専門家委員会が設置されます。その時には学識経験者と業界バランスを取った構成メンバーが集まるわけです。スーパー戦隊に関する学識経験者と業界があるのかは不明ですが。

 

工藤:スーパー戦隊を地方各地に創設していく必要性があるかを議論する。

 

木下さん:いえ、まずは「地方に戦隊創設をする」という結論がその時には出ているので、調査した資料をみて、専門家と言えそうな人たちも確認しましたよー、という儀礼的な会として推進される感じですね。

 

工藤:例えば、「スーパー戦隊の地方創設等にかかる有識者会議」みたいな名称で会議体が設置されるわけですね。

 

木下さん:はい。ただ、直接的にスーパー戦隊の名称を使わない可能性もあります。調査事業のアウトプット次第ということもありますが、地方の不安は想定外の敵の出現だけではありません。雇用の消失や商店街の衰退、インフラの老朽化、人口流出などさまざまですので、「いつ出てくるかわからない敵」の対策をするスーパー戦隊一本では予算がつかないかもしれない。そうするとなんだかんだで「地方まで含めた国土安全を確保するため」とか「安全・安心まちづくりで人口増加」みたいな他の政策目標と一緒になる可能性も高いでしょうね。

 

工藤:住民の不安要因を洗い出し、トータルで不安を解消し、安全や安心のまちづくりをしていきましょうということになると、そもそもの出発点からずいぶん遠くにいくことになりますね・・・

 

木下さん:そうですね。(笑)予算の名目が複合化すると、ご当地スーパー戦隊のやることも増加するでしょう。敵を倒さない時は、地元の高齢者の見回りをしたり、交通安全に協力したり、商店街で窃盗防止のキャンペーンをしたり、何かと忙しくなるかもしれません。もともとの話がどんどんずれていきますね。

 

 

スーパー戦隊「不要論」を抑えるために

 

 

工藤:具体的に地方でまちづくりを実践される木下さんからは、スーパー戦隊設置だけで物事は動かないと考えられますか。

 

木下さん:うーん、何か特定の1項目だけだと効能が少ないということになってしまいそうですね。効能が少なければ予算はつかない。だから柱は三つくらいあったほうがいい、ということになると思います。

 

工藤:三本柱が必要であると。

 

木下さん:例えば、商店街活性化とかでも、もともとは商業という中小企業振興のはずが、いつの間にか「地域コミュニティの担い手」みたいな話でも予算が出されるようになっていきました。これは単にまちの小さな商業者のために支援する、なんて話だけだと批判があるので、なんとなく公益性があるような体にして複数の目的を支えている人たちだから予算を出しましょう、みたいな話になっていくわけです。

 

ま、本質から離れていくので、商店街も余計なことばかりするようになって商業としてのパフォーマンスはますます低下して衰退してしまったわけですが・・・。

 

あとは、道の駅などの設置に際しても、3つの目的が設定されています。普通行く人からすれば「地元の農作物が売っているところ」という認識だと思いますが、実は「情報発信機能」が二つ目の柱になっていたりします。道の駅にいった時に必ず1区画が地元のポスターやパンフレットが置かれているブースがあるので見てみてください。とはいえ、ふらっと立ち寄った道の駅で、その日の宿を探すためにパンフレットを見るなんてほぼ居ないと思いますが、そういう理屈が必要なのです。

 

工藤:スーパー戦隊創設のための三本柱となるとどのような理屈が想定されますか?

 

木下さん:そうですね。例えば、安全・安心なまちをつくる「治安維持機能」、自助共助を作り出す住民の意識を向上する「防災教育機能」、最後にみんなでまちを支えるようになった副産物としての「コミュニティの活性化効果」とかですかね。

 

工藤:初めから考えてきていただいたかのようにサクッと三本の柱が決まりました(笑)

 

木下さん:ここの理屈はなんでもいいんですよ。もしかしたらオリンピックに向けたテロ対策的な話にも繋げられるし、「敵が道路や橋を落としてしまうかもしれないから国土強靭化の対策で」とか、なんでもものは言いようです。地方創生やまちづくりの文脈で立てられる柱は無数にあります。

 

とにかく、ご当地スーパー戦隊創設の取り組みは、さまざまな観点からまちにプラスの影響がある、相乗効果があるということで、「やったほうがいいよね」という話に繋げていくのが、調査事業や専門家委員会なる場所の役割です。ま、それが本当にいいのかと言われれば「???」ですが。

 

工藤:スーパー戦隊が設立され、地元警察や消防隊、自治会などと連携が進めば治安維持効果が高まりそうですし、学校などさまざまな場面で”わたしのまち”について考えるきっかけがあれば教育効果が出てくるというのは考えやすいのですが、活性化効果はどう考えたらいいでしょうか。

 

木下さん:まず大前提として敵は現れない方がいいわけですよね。結果的にスーパー戦隊はやっつけてきていますが、それまでプロセスではなんか人質とったり、爆発する技とか繰り出したりしていますよね。何らかの犠牲があるわけです。そのような人類を滅ぼし得る敵が自分のまちに現れることを願うひとはいません。

 

しかし、長年にわたって出るはずの敵が出現しないとなると「不要論」が出始めます。ご当地スーパー戦隊は「無駄」という話ですね。それでは困るわけで、スーパー戦隊の存在が別の形での効果があることを示さないといけません。

 

工藤:スーパー戦隊維持のため、別の存在意義を作らなければならくなる。

 

木下さん:後で話しますが、政治や行政に作っていただこうと思えばそうならざるを得ないわけです。敵が出ないのはいいことですが、ご当地スーパー戦隊の存在を認めていくために、例えば、コンビニの前で深夜溜まっている子どもの数が減るとか、まちの軽微な犯罪減少などの理屈が出てきます。また、スーパー戦隊の握手会で年間何万人が訪れたことによる経済効果などが発表されたりするでしょう。要は「いろんな効果があるから、なくしちゃいけない、大切だ」という話になるわけですね。

 

 

誰かにやってほしいけど、自分はやりたくない

 

 

工藤:補助金的な枠組みとなると、初年度に5か所くらい、三年間で何十か所の地域でスーパー戦隊を発足させるモデル事業が想像されます。

 

木下さん:モデル事業の怖いところは、地域では誰もやったことがないということです。ましてや、政策をつくっている役所側の人もスーパー戦隊ではないですから良くわからない。さらに、調査事業を委託した民間シンクタンクだってスーパー戦隊ではないですから、良くわからないままにヒアリングとかの情報から整理しているに過ぎません。学識経験者も専門家の多くも同様に「やったことはないけど、なんとなく知っている人」という話です。自動車を作ったことはないけど、自動車の情報には詳しい人、という感じですね。

 

そういう誰も良くわからないけど、それらの人たちによって「やること」だけは決まってしまう。さらに、昨今は地方分権ということで、「やることは決まり、やるべき予算も用意しましたが、ここから先は地方で考えね」みたいな話になってしまうわけです。これが結構な恐怖です。

地方の人たちは、スーパー戦隊がいないと怖いとかいったものの、予算は用意したからあとは自分たちで考えろ、と言われてもわからないわけです。ということで、まずは当事者に聞くしかないと、恐らくは何代も前のスーパー戦隊の大御所の方を呼んで講演会が開催されるでしょう。「わがまちに必要なご当地スーパー戦隊創設に関する講演会」といったものです。過去の、そして伝説のスーパー戦隊が来るわけですから、地域からも伝説を聞きに昔の世代がやってきます。

 

工藤:現役バリバリのスーパー戦隊であれば、まさに「僕と握手」イベント的に子どもたちとその保護者が参加しそうですが、確かに伝説となった世代の話となれば、それと同世代の方々が来られるでしょうね。

 

木下さん:今やっている人も呼びたいでしょうが、なかなか忙しくて来てくれないでしょう。敵が続々と毎週出てきているのですからね。そもそも、現役スーパー戦隊が「講演が忙しくて、地球守れません」なんてことになれば、笑えないですからね。地域活性化分野では、講演や視察が忙しくて地域が衰退してしまった、なんて笑えないことも少なからずあるんですが・・・。

 

とはいえ、地域で日中に開催される講演会。聞きに来られるのも高齢者が中心となれば、大御所スーパー戦隊の方から「我々世代がまだまだがんばらないと!」となんて鼓舞されてしまったりすると、下手をすると高齢者戦隊が結成される可能性さえありますね。もしくは「最近の若いスーパー戦隊は礼儀がなくてけしからん」なんて話になったりして盛り上がり、「最後には若者には地域のために身を投じる覚悟を持ってほしい」なんて勝手な担い手議論となり、過酷な条件ばかりが積み上げられて、いざ創設するとなったら、志願者ゼロになる、なんて笑えない話もありそうです。

 

地域活性系の事業では、そんなことはよく起きます。こういう地域をあげた事業には地域の偉いさんたちがまずは集まってくる。なんだかんだで年功序列の世界なので、「偉い人=高齢の人」となってしまう。その人達がスーパー戦隊の大御所からの話をきいて、それをもとに検討をしていくと、結局は若者は志願しないような条件になり、若い力でと言いながらも、結果的にはがんばって50代。シルバー戦隊になります。

 

工藤:若者がいないとなれば、現有世代でやるしかないのは仕方がないことだと思います。補助金の仕様書で隊員年齢を定めるということもないでしょう。がんばれるひとががんばる。シルバー戦隊〇〇ジャーが見えてきました。

 

木下さん:誰であっても主体的に立ち上がることは評価しないといけませんね! ただし、敵がある話ですから、「やる気」だけではどうにもなりません。年齢だけでなく、倒すための技能なども身に着けないといけないなど、『誰がやってもできるコト』ではない点を考慮しなくてはなりません。けれど、実際には誰もよくわからないので、過去の戦隊活動をパクるでしょうね。

 

工藤:東京的な場所で活躍した過去のスーパー戦隊の活動からパクるということですよね。スタートは補助金であっても、持続可能な組織の在り方を考えるのが本シリーズです。

 

木下さん:例えば、簡単に考えると「ヒーローショー」とかパクりやすいですよね。夏休みとか春休みとかに開催するでしょう。しかし、今の地方にはなかなかやるところがないのです。東京ドームもなければ、百貨店は壊滅状態ですし。ま、リアルにはショッピングモールとか、まちなかの市民ホールみたいな公共施設になりそうですね。駐車場もあるし。

 

工藤:それなりの予算が必要になりますね。一からショーを設計するのにどれだけコストがかかるかはわかりませんが。

 

木下さん:スーパー戦隊設立に関する補助金の対象になればやる。できなければ行政が中心市街地活性化事業とか、地方創生政策の交付金などを活用して予算をつけて、駅前の誰もないところでお祭りっぽくやるかもしれません。設営とか大変なので、結局は予算を広告代理店に投げてしまうかもしれませんね。

 

工藤:地域にひとがいなければ、大勢のひとで埋め尽くされるイベントは難しいですよね。近隣や遠方から駆けつけるほどのイベントならともかく、スタートしたばかりの地元スーパー戦隊だと、その認知度も限られてきますから。

 

木下さん:都市部のスーパー戦隊ショーをパクったものの、握手しにきてくれる子どもがいない。でも、計画上は、都市部のスーパー戦隊の事例を参考にして、「すごい数のひとが来る」という前提で事業計画をたててしまったりしていると厄介です。

 

そうなるとスーパー戦隊の単独イベントでは数値目標を達成できないので、だいたいどこの地域でも年に一回、地域でもっともひとが集まる伝統的なお祭りやイベントがありますので、その時に合流して開催させてもらうしかありませんね。

 

工藤:それでも数値があがらないこともあるのではないでしょうか。

 

木下さん:もちろんそれはあります。しかし、どんなに閑古鳥が鳴くような状況になっても、失敗したとはさすがに言えないので、さまざまな切り口で評価をします。すごく頑張って「賑やかさ」が生まれたとか、関係者中心にまいた匿名アンケートで「満足度90%以上」とか。時に動員数は主催者発表なので、「たまたま歩いていたひと」もカウントすることもあるでしょう。

工藤:そうなると活性化効果、経済効果が出ないのではないでしょうか・・・

 

木下さん:そもそも実際の経済効果を把握することは難しいので、一人当たりの消費額を推定し “そこにいた”人数を掛け、場合によっては乗数効果まで取り込んで「経済効果」を算出します。けれど、実際にはその時じゃなくてもお金を使っている人がいたり、逆にイベント開催したことで普段買い物していたお客さんがこなくなったりするので、その効果というもの自体が怪しいのですが、地域活性化分野ではよくある話です。

 

工藤:ヒーローショーの次に浮かぶのが、お菓子や入浴剤などとタイアップした子ども向けの商品開発です。

 

木下さん:それもパクリやすいですよね。東京とかだと大手広告代理店も入って全国区の企業とタイアップを進めると思いますが、地方になると商工会議所に相談をして、地元で有名な食材やお土産、和菓子会社とのタイアップになりそうです。ただし、新商品開発には大きなコストがかかりますので、「特産品開発」や「地域ブランド開発」みたいな名目で予算をさらに確保して取り組むことになりそうですね。

 

工藤:地元の知名度のある商品とタイアップできるのはいいですね。

 

木下さん:ただ、地方だと組んでほしい企業自体がそもそも少ないです。当然、行政予算を活用するとなれば、知られてない、売れていない商品メーカーのほうが「ぜひご当地スーパー戦隊の力がほしい」と要望してくるでしょう。

 

そもそも売れている商品のメーカーは商工会議所など含めた地元付き合いで適当な感じで乗ってきて、はたまた売れていない商品メーカーは他力本願の姿勢で乗ってくるということになり、玉石混交になりますね。ゆるキャラの動きとか参考になりますね(笑)

 

さらに近年ならば、「ふるさと納税」に絡めて、税制メリットで都市部の人にご当地スーパー戦隊商品を返礼品で配ろうとかになるかもしれませんね。もはや何の話かわからなくなってきました。

 

工藤:後はウェブの作成が思い浮かびます。

 

木下さん:ご当地スーパー戦隊を紹介する公式サイトは作りそうですね。ただ、制作費はそれほど予算が確保されそうもないので、ちょろっと作るくらいでしょう。そしてほとんど更新されない。予算がなさ過ぎて、見よう見まねで役所の担当の人が押し付けられて自作するかもしれません。

 

場合によっては、「地域のために無料で作ってくれる製作者を募集」なんてことをやってしまって、ブラック案件として炎上するかもしれませんね。下手すると、古き良き来訪者数カウンターがついていたり、ポインターが小動物だったり。はたまたWordPressで作成するのかと思いきや、MS-Wordで作っているかもしれません。

 

工藤:カウンターなつかしいですね(笑)

 

木下さん:カウンターが上がらな過ぎて、市長の命により、毎朝役所の方々が一人一回はリロード連射することが義務付けられるかもしれません。ゆるキャラグランプリのように。

 

工藤:話を戻しますが、始めるからには誰もがうまくいくように努力するわけですよね。

 

木下さん:結局、やるぞーという政策が立ち上がった最初は「力」が入るわけです。講演会でひとが集まり、ワークショップで「うちのまちにはこんなスーパー戦隊がほしい」みたいな話がまとめられたりする。

 

目的が複数たてられ、スーパー戦隊の仕様が策定される頃から段々と暗雲が立ち込め、実際に「誰がやるか」となった段階から破綻が始まります。結局「誰かにやってほしいけど、自分はやりたくない」という話になるわけですね。

 

そして、仕方なしに暫定的なご当地スーパー戦隊が立ち上がり、もしかしたら「各団体から一人ずつ人を出して、毎年リーダーは持ち回り制」みたいな痛み分けになるかもしれません。場合によっては、「都市部の若者を募集しよう」なんてことで、地域おこし協力隊や集落支援員制度を活用して若者を募集するかもしれません。

 

どちらにしても、大した技能も訓練もなく、カタチだけのスーパー戦隊になってスタート。敵が現れないうちは、平穏にイベントやら安全安心パトロールやら、小学校まわっての啓蒙啓発をしているわけですが、問題は「本当の敵」が現れた時です。

 

本気のご当地スーパー戦隊ならば立ち向かうでしょうが、多くの地域で仕方なく引き受けた担い手たちは「あくまで言われたからやっている」という姿勢ですから、「本当の敵が出るなんて聞いてないよー」と大騒ぎになるでしょう。警察に電話をしたり、自衛隊出動要請をしたり、となってしまうように思います。

 

はたまた、最初の議論に戻りますが、運よく敵が出現しない時期が続けば続いたで、スーパー戦隊を維持することが目的となり、しかしその必要性は市民からも疑問視され、次第にしりすぼみになっていく。

 

敵が出ても問題が起き、敵が出なくても問題になる。結局は「おらがまちにもスーパー戦隊がほしい」という話はあっても、「自分が当事者としてやる」ということや、「必要な資金を皆で出し合う」という考え方がそこから欠落している限りは、結局はどんなに国が予算を確保したところで機能しないわけです。

 

 

全国頑張るご当地スーパー戦隊50選!

 

 

工藤:当初描いていた計画とは違った方向へ向かい、敵が出ても機能せず、予算縮小と人材不足で消失に至る。なんだか悲しくなってきました。

 

木下さん:悲しいですが、スーパー戦隊にかぎらず、「地方に◯◯がほしい」という議論の多くはこのような構造になっています。声をもとに政策をもとめて予算を確保したところで、「お金」自体が仕事をしてくれるわけではありません。

 

ヒト・モノ・カネではないですが、カネだけあっても経営資源として不足していて、ヒトをちゃんと確保しないといけないし、必要な機材や組織などのモノも用意しないといけない。特に今は人不足の時代ですから、ヒトの要素をないがしろにしたら話にならないわけです。

 

ましてや、時限付きの補助金事業なんかで始めてしまえば、雇われたとしても期間雇用でしかなく、2-3年で解雇されるような非正規雇用のブラック現場さながらの状況になってしまうわけです。ですから、いいヒトなんて集まらないんですね。

 

工藤:持続可能性のない補助金モデルだと最長でも三年、最短で一年で終わってしまいます。

 

木下さん:モデル事業の二年目くらいで、各地でやったものをまとめて事例集作成。大規模予算でたくさんのスーパー戦隊が設立されたら「全国頑張るご当地スーパー戦隊50選!」が作られるでしょう。最初は100選を作りたかったけど、50くらいしかなかった、的なオチで50選みたいな。(苦笑) ま、それである意味の成果となって国の支援は一巡し終わり、ということになっていくなんてことも有り得そうです。

 

法律まで作られて、恒久的な制度になれば、また様相は変わってくるかもしれませんが、財政的な制約がある現代においてはかなり難しいでしょうね。社会保障費だけでここまで膨らんでいるわけなので、国も地方も恒久的な財源の手当をすることはとてもむずかしいですので。

 

工藤:何か前向きな話はないでしょうか・・・

 

木下さん:不幸にも一年目でガチの敵が出現してしまい、そして運よく敵をやっつけた場合、国民の支持も得られるので予算がしばらく確保できるかもしれません。実際に危険に晒され、そこでやっつけたことで地域を、人類を滅亡から守ったわけですので。

不幸がこないと成果が出ない、場合によっては不幸が起きた時にも、どこかの特定地域の「ご当地スーパー戦隊が逃げた」なんてことになれば終わりでしょう。真面目にやっているスーパー戦隊がバカを見ることになりますが、一部の問題が全体の結果として評価されてしまう怖い時代でもあります。

 

 

サッカークラブ型スーパー戦隊という希望

 

 

工藤:スーパー戦隊の活動を持続的に、そして「仕事」にしてくためにはどうしたらいいのかを考えるのが趣旨なのですが、地方展開は難しいでしょうか。

 

木下さん:本当にまちに必要だと思うなら、そもそもは地域のヒトが自分たちでお金を出すものですよね。携帯電話とかみなさん必要だから、毎時数千円のコストを支払っているわけで、本当に生活に必要ならば自分たちの財布からお金を出すわけです。これは第一点ですね。本当に必要なものは自分たちで支えるということを無視しては成立しません。パブリックサービスの基本ですね。

 

一方で、スーパー戦隊も、漠然とした「地域の平和のため」とかではなく、「誰にとってどのようなメリットがあるのか」という視点を持つことです。漠然とした「みんなのため」とかだと言っても、敵が現れない限りは「みんな」から感謝されません。ショーにしても、子どもたちを巻き込んだ企画にして、おじいちゃん、おばあちゃんを含めた企画に組み立てて、ちゃんと対価をもらえる構造を作っていくことが不可欠です。

 

そのように、スーパー戦隊が地域に与える内容を「サービス」として位置づけて、しっかりと経済活動の側面を作り、「稼ぎにはならない本来のスーパー戦隊の仕事」と「その仕事が持つ魅力をもとにした経済力」とをセットにしていくことですね。スポーツ選手とかは近いですよね。スポーツ自体では賞金とかはあるかもしれませんが、極めて不安定性が高い。だから、ちゃんと企業とのスポンサーシップをとってそれで経済力を形成して、トレーニング環境をつくったり、コーチをつけたりするわけです。

 

ご当地スーパー戦隊も、まずは自立した経済基盤を作る。その上で一定の公共性ある仕事については寄付などを集めて持続性を担保していく。NPO法人でも、一般社団法人でも、株式会社でもいいので、「稼げる事業と稼ぎにくい事業、安定性の高い事業と不安定性の高い事業による事業収入」と「公共性をもとにした市民たちによる寄付収入」といったようなポートフォリオを組み立ててやっていく必要があります。

 

そういう意味では、最初から全国区で知名度のあるスーパー戦隊以上に経営力が求められるかもしれません。ご当地スーパー戦隊のマネジメント力が結果的に大きな差を生み出すかもしれませんね。

 

その収入でご飯をしっかり食べられて、いざとなったら命を懸けて戦う。一定の経済力と、仕事自体に魅力があれば、「俺がやる」という人間が出てきます。逆に、経済力も乏しく、補助金頼みで、それもいつまで出るかわからず、烏合の衆としてしかみられないご当地スーパー戦隊になって命がけで事業をやる人間はいないのです。

 

工藤:気が付いた人間がやる、ということですね。

 

木下さん:当初は「うちのまちでもスーパー戦隊ほしいよね」という声から始まるわけです。しかし、調査事業、講演会、ワークショップを経て、「最後は誰がやる?」で止まる。必要性はあるが、俺ではない誰かがやってくれとなってしまうんです。

 

さらにカネも出したくないから、都市部の人たちが出してよ、となる。最悪の場合は、「都市部の若者にやってもらおう」になってしまう。もしかしたら、最近であれば外国からやってくれる若者を連れてこよう、なんてことになるかもしれません。何より、「これってやっぱり役所の仕事だよね」と誰かが言い、途中から全て役所に押し付けてしまう。

 

工藤:地域にはさまざまな事情がありますので、役所の仕事になることもあるでしょうね。

 

木下さん:現実に役所自体がやるとなっても、今や一自治体一戦隊のような固定式は難しいと思います。もう少し広域で、複数自治体によるスーパー戦隊を「広域行政事務組合」などの枠組みを使って共同保有するとかになりそうです。小さな自治体が各自でやることが難しい事業-例えば、消防や廃棄物処理施設など - では既に各地で運用されています。参画自治体がトップを持ち回りでやり、職員を共同で出し合う。握手会はみんな自分のまちでやる

工藤:みんなが必要だけどやりたくない。だから「行政の仕事だ」となるのは残念ですが、行政がやるから持続性があるというのもいかがなものかと思います。

 

木下さん:大きなヒントは地域クラブ型のサッカーチームにあります。地域性が高く、仕事もあって、何より夢がある。もちろん甘い世界ではありませんが、最初は「俺たちのまちからプロサッカーチームを!」で始まり、地元の老舗企業や成長企業が地元の未来のために立ち上がる。子どもから高齢者まで地域を巻き込んでいく。企業も大きなスポンサー料は支払えなくても、選手を雇うことでバックアップできます。日中は仕事、夜はサッカー。

 

工藤:地元に若者がいなくても、プロ選手を目指して全国から若い選手が集まってきやすいですね。

 

木下さん:地元の若手中堅が本気でやれば、サッカークラブ型スーパー戦隊はまわっていく可能性があります。自分たちの経済力のなかで、自分たちのビジネスでやるんです。スーパー戦隊をやりたいけれど生活も大切です。

 

そうであればトレーニングや敵と戦うときは戦隊として、そうでないときは会社で働きながらの両立から始められるということもあるかもしれません。それも地域で独自にやればいい。ただし、命を懸けるほど本気であること、一定の自負やプライドを持ってやる、これが可能になる環境というのはとてもむずかしいですね。

 

今は衰退過程に入っていますが、地域の安全を守るために、時に命がけとなる猟友会や消防団などの地域業務について、自治体などではなく、民間と行政の中間的な部分を地域の有志が支えてきた仕組みは日本にはあったわけです。ただ、地域における「務め」的なものだけでは現代では難しいので、一定の事業性を含めた仕掛けを考えれば、可能性はあると思っています。

 

工藤:最後の質問です。地域を守るスーパー戦隊の活動を生業にしていくのは難しいでしょうか。

 

木下さん:地域で一から展開していくには従来のサラリーマン型だと続かないでしょう。そもそもスーパー戦隊は誰に頼まれるわけでもなく自発的に始めるものですよね。言われたからやるとか、はたまた単に教わったからできるというものではありません。

 

ただ、強い成長意欲のある一流人材が来てくれるなら別です。一流は敵にやられても新たな戦い方をアップデートしていきます。自発的成長が一番の成長モデルです。スーパー戦隊を仕事にするのが難しい理由があるとするならば、そういう仕事を地元の人たちが資金的にも本当に支えようとか考えず、また当事者も仕事にしていこうと本気で考えていない人間がスーパー戦隊をするからでしょうね。単に気合の問題ではなく、一定の志をもった人たちが算盤勘定もできるリアリズムを持ち合わせていることが、地域における取り組みを事業化する上でのマストの要件です。

 

ご当地スーパー戦隊を本当に地方に根付かせて、事業にし、地域の安全を確保していこうという仮の話においても、例外ではないのだと思うところです。

 

工藤:大変勉強になりました。本日はお忙しいなかありがとうございました。

 

 

<結論>

「社会課題は気づいてしまったひとがやる」という言葉がありますが、まちづくりのプロである木下さんのお話はまさにそこに収斂されていくものだと感じました。一方で、気が付いたとしてもやれない状況にあるひともいます。まずは声をあげる。そして課題が知られ、社会化されたとき、新たな担い手が登場するかもしれません。その担い手を応援すること、活躍環境を整えることなど、自らが課題のど真ん中に入ることができなくとも、その意義と志を精一杯支えていくという役割に回ることもできます。

 

政治家や行政担当者に強く迫ることもときに必要でしょう。うまくいけばスタートアップや三年くらいの予算が付くかもしれません。それをテコにして活動を軌道に乗せて行くのも一手だと思います。木下さんのお話を受けて考えるのは、そもそも「コレが絶対に必要だ!」と考えたひとは、補助金があるからやるとか、みんなが手伝ってくれるから初めて見るといった受け身の行動ではなく、何があろうがなかろうが必要なのだから始める。そしてやってみるなかで足りないものが見えてきたり、失敗を次に生かせるように試行錯誤していく。そんな姿にヒト・モノ・カネが集まってくるのではないでしょうか。

 

最後のサッカークラブ型スーパー戦隊は、非常に示唆に富むものであったと思います。特に経営運営が軌道に乗るまでは、誰かにやってもらうのではなく、自分(たいt)でやる。それも、通常以上の「自発性」「成長意欲」「夢」「リアリズム」「ホンキ」といったワードを持ち合わせたひと(たち)から始めていく。とても大切なことを木下さんのお話から学び取ることができるのではないでしょうか。

 

過去記事

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パパ、スーパー戦隊は仕事なの?「スーパー戦隊とマーケティング」

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木下 斉

 

 

1982年東京生まれ。早稲田大学高等学院在学中の2000年に全国商店街合同出資会社設立。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年、熊本城東マネジメント株式会社設立、09年一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立し、地方都市中心部の再生会社への出資、経営参画などを行う。内閣官房地域活性化伝道師や各種政府委員も務める。。

主著に「地方創生大全」(東洋経済新報社)、「稼ぐまちが地方を変える」(NHK新書)、「まちで闘う方法論」(学芸出版)、東洋経済オンライン「地方創生のリアル」も連載中。

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2017年01月17日(火)

無知が生み出す排除された子どもたち『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』

テーマ:ブログ

漫画レビューサイト、マンガHONZで新しいレビューをあげました。

 

無知が生み出す排除された子どもたち『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』

 

 

(抜粋)

 

哲学者ソクラテスの言葉、「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり」は有名ですが、無知こそが生み出す排除により社会からはじき出され、行き場を失いかける家族、子どもたち。障害児でないと療育手帳を受け取れず、かといって通常学級では苦しめられる。地域にも理解者がいない。嘘のような本当の、作り話のような現実が私たちの社会に現存することを教えてくれるのが『はざまの子ども 息子は知的ボーダーで発達障害児』だ。

 

子どもたちは「社会の子」として、私たちは社会の一員として保護者と同じくらい子どもたちのことを考え、みんなで健やかな成長に手を差し伸べていかなければならない。わざわざ教科書にも書いていないのは、「当たり前」のことだからであるが、その「当たり前」が「当たり前」でない現実がある。

 

主人公のヨシ君の成長と、それを取り巻く社会環境を観ながら「はざまのコドモ」の置かれた状況やその家族をユーモアとともに伝えていく本書において、最初に訪れる危機が家族問題。母親も父親も愛する子どものために奮闘するも、育てづらさの原因がわからず憔悴し、父親が無意識にわが子に手をかけてしまうシーンは、毎晩多忙を極めて家庭に帰ることのできない労働の在り方、まさに「働き方改革」によって何を変え、誰を支えるのかが一目瞭然だ。生活における余裕のなさは、家族や子どもたちをも悲劇へと巻き込んでいくリスクがある。母親は離婚してシングルマザーとなり、線維筋痛症を患ってしまう。

 

 

 

 

子どもが保育園、小学校と社会を広げていくにあたり、社会の側に理解と寛容性があればいい。しかし、「はざまのコドモ」に与えられたのは「フツウ」に適応し得ない状況と、発達障害などの診断が降りない現実、そして学校からの排除だ。無知は罪であり、排除を生む。

 

 

 

続きは下記サイトでお読みください!

 

無知が生み出す排除された子どもたち『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』

 

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