Kei Kudo

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2017年02月21日(火)

対立関係にある「イノベーター」と「生活者」:不寛容の本質

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東京工業大学の西田亮介さんの新著「不寛容の本質 なぜ若者を理解できないのか、なぜ年長者を許せないのか (経済界新書)」を読了。

 

本書の基本的なフレームは、「昭和」時代の事実と現代の乖離。そして現代と「昭和」への羨望をくみ上げていく。そこにあるのは、あの(よかった)頃の時代を通じて、いまの事実とは異なる感覚や価値観をもったひとたちが、昭和の時代を知らないいまの事実で生きるひとたちを観る。それが不寛容という形で表出してしまっていることを多面的に、客観データに基づいて進めていく。

 

ただ、そこにひとつ、現代を生きるひとたちにあるあの(よかったと思われる)時代への羨望というものも存在していることを提起している。

 

この不寛容の一端として挙げている事例が、西田さんの研究に紐づいた「豊かさ」「政治」「イノベーター」「少年院」、そして「高等教育」だ。何を切り口にするのかは著者次第であるが、幅広いテーマを追う西田さんらしい。

 

読みやすい新書なのであまり書き過ぎないよう、僕が一番興味深く感じたのが、「対立関係にある『イノベーター』と『生活者』」の部分だ。

 

映画「シン・ゴジラ」から、政治的文脈で活用される「イノベーション」「中小企業基本法」に触れつつ、本書での「イノベーター」としてライブドア創業社長の堀江貴文さんや、認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんを挙げる。比較的「イノベーター」という文脈で思い当たる人選ではないだろうか。

 

当該部分は、以下の文章で始まる。

 

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 今後、ますまる日本における「イノベーター」と「生活者」の関係は利益相反になっていく。彼らにとっては国の財政破綻は懸念事項であり、同時に母国の格を下げることにもなるだけに、ともすれば緊縮財政を主張する。財源があれば、現在の直近の社会に偏在する困難の改善よりも、「未来への投資」を望むことだろう。

 また堀江貴文や新経連を例に挙げるまでもなく、「イノベーター」たちは規制緩和がその主張の中心にある。まるである種の信仰のように。

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これに対して、生活者にとっては「未来への投資」よりも、「今日の生活」の防衛が主であり、「生活保守」が重要であると位置づける。

 

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 「生活者」にとっての合理性からすれば、公共投資の増額、規制の強化を志向し、また財源があるならばあらゆる世代における社会保障の改善を望むはずだ。

 驚くほどに「イノベーター」と「生活者」両者の潜在的な利害が合致しない局面を迎えつつあることに気づく。

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もちろん、実際にすべての「イノベーター」と「生活者」が完全に断絶しているわけもなく、個々人で見れば、その主張も混在しているだろう。だからこそここでは”潜在的な利害”という言葉で締めくくったものと思われる。

 

全体的には年長世代(在りし日の昭和)と若年世代(羨望の昭和)という世代論を語る書籍に見られるが、読後感としては、確かに生きてきた時代の影響は色濃く残りながらも、案外、個々人の相違が、実際のファクトやデータを越えて、価値観となって他者と関わる(インターネットのみ、匿名的なかかわりを含む)ことによって、どこかで不寛容性が育まれ、その誤解とかい離が埋まるどころか増長された結果として、その不寛容性が深まってしまうことを示唆しているのではないだろうか。

 

そうであるとするならば、その不寛容を寛容にするためには、丁寧にして客観的、包摂的な対話を気づいたひとから少しずつ地道に行っていくしかないのかもしれない。

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2017年02月18日(土)

双子の父親同士が話す、企業× NPO によるイノベーションの今と未来

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企業× NPO によるイノベーションの今と未来セミナーへの登壇のお話をいただきまして、今回のケースはスタディサプリでお馴染み、リクルートマーケティングパートナーズさまと育て上げネットの取り組みについてお話させていただきます。
 
RMPの小野村さんは、僕の双子男子・父親の少し先輩で、いつも数か月後の双子の姿を教えてくれます。おそらく、NPO×企業のコラボレーションにおいて、発表者が双子男子・父親というのは例を見ないのではないでしょうか!
 
未来の日本を担う子どもたちのために何ができるのか、何をしているのか。そして自らも父親である小野村さんとともに、楽しくケース提供できればと考えております。

企業とNPOの連携、子どもの教育、双子男子・父親育児(違、にご関心ありましたら、ぜひ、お越しください!
 
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企業×NPO=イノベーション!?
企業とNPOがそれぞれの強みを活かし、一緒に課題解決に取り組むと何が起きるのでしょうか・・・??

企業とNPOによる共創事例を通じて、企業×NPOのイノベーションの今と未来の可能性を探ります。またあわせて、企業×NPOの共創を加速させるマッチングプラットフォーム「Co-creAction」より、「Co-creAction Award 2017」の授賞式を開催します!

当日は、企業×NPOの事例として、
企業から「リクルートマーケティングパートナーズ」の小野村学さん、
NPOからは「育て上げネット」の工藤啓さん、そして、「チャリティーサンタ」のなつきサンタこと清輔夏輝さんをゲストとしてお迎えし、実際に起きた「企業×NPO」のケースをご紹介いただきます。
また、Co-creAction Award 2017の最優秀賞、優秀賞の授賞NPOと共創テーマを掲出した参加企業の方にも参加いただき、授賞式を開催する予定です。

Co-creActionは、企業とNPOが一緒に課題に取り組むことにより、両者に事業上のメリットを生み出し、同時に社会もよりよくなっていく・・・そんなことを目指した取り組みです。是非ご一緒に企業×NPOのイノベーションの可能性を探り、実現していきましょう!
 
イベント詳細・お申し込みは下記にございます。
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2017年02月11日(土)

変容する若年無業者の呼称。前田敦子さん主演、映画『サポステ』イベントにて

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昨日、40歳未満の、自立の実現に向けたような課題を抱える無業者を対象に、就職による自立の実現を目的として厚生労働省が設置する「地域若者サポートステーション」のPR映画『サポステ』のプレスセミナーに参加してきました。

 

出演者に前田敦子さん、井之脇海さんをキャスティングした『サポステ』は、公開前からにわかに噂となり、その関連グッズ(配布資料など)を求めてサポステに電話なども入りました。広く社会にサポステの存在を知っていただくことを目的にしていることから、認知度の向上とともに、サポステを利用してみたい若者に情報が届くことを願います。

 

 

映画製作とはこれまでなかったPRの取り組みとして興味深いと思っており、そもそもなぜ前田敦子さんをキャスティングされたのかについてプロデューサー・脚本の山田英治さんにお聞きしてみたところ、下記のコメントをいただきました。

 

『彼女は、数年前に、「もらとりあむタマ子」という映画でニートの女の子の役をやって話題になったので、今度はそのニートを支援する役に、ということが狙いです。』

 

 

映画を見ていただけるとわかる通り、前田敦子さんが演じる前島いつきは、サポステで働く新米相談員です。相談員である前島いつきと、井之脇海さんが演じるサポステを利用する若者を通して、若者が「一歩を踏み出す」瞬間を描いています。この「一歩の踏み出し」は、傍から見るとちょっとしたことに見えるかもしれないものの、本人にとって過去から今にいたる経緯を含めて大きな葛藤や苦悩の存在を鮮やかに映し出していると思います。本編では「ゴミ拾い」の機会が使われてますが、どのような機会が若者の「一歩」になるかはわかりません。だからこそ、できるだけ多様な機会を地域の実情や運営法人ごとに準備されているのがサポステの特徴ではないでしょうか。

 

上映後は、厚生労働省職業能力開発局の伊藤正史キャリア形成支援課長、さっぽろ青少年女性活動協会若者支援担当課長の松田考氏、さがみはら若者サポートステーション総括コーディネーター織田鉄也氏によるプレゼンテーションと質疑がありました。

 

そんななか、伊藤正史キャリア形成支援課長の資料において、サポステの対象者を表す若者の呼称が複数あることに気が付きました。いくつか別々の資料を組み合わせたもののため、どれが正式ということは示されていませんがややわかりづらいことになっていますので少し説明をしたいと思います。。

 

最初に地域若者サポートステーションの説明ページにおいて、その目的が示されています。

 

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40歳未満の、自立の実現に向けたような課題を抱える無業者を対象に、就職による自立の実現を目的として(以下、省略)

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ここでは「40歳未満の無業者」という言葉で表現されています。ふたつ目に、地域若者サポートステーションの法律上の位置づけの説明があります。

 

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青少年の雇用の促進等に関する法律 第23条

国は、就業、就学及び職業訓練のいずれもしていない青少年であって、職業生活を円滑に営む上での困難を有するもの(無業青少年)(以下、省略)

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ここでは「無業青少年」という言葉が出てきました。ちなみに、資料であ「就業」から「(無業青少年)」までに下線が引かれ、吹き出しがついています。

 

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法令上の「ニート」の定義

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と吹き出しに記載してあります。ここで「ニート」という言葉が使われます。

 

別のページでは地域若者サポートステーションの実績や来年度の事業設計に触れています。そこには地域若者サポートステーションが、地方自治体と協働しならが我が国の担い手、地域の支え手を育成しましょうということ。また、「ニッポン一億総活躍プラン」でも、サポステなど関係機関の連携による就労・自立支援にと取り込むことが盛り込まれ、教育機関との連携も打ちだされている説明があります。

 

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若年無業者(ニート※1)の数は近年、約60万人で高止まり。

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ここで「若年無業者(ニート※1)」が出てきます。※1についての説明もあります。

 

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15~34歳で、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者

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こちらでは34歳までとなっていますが、これは総務省統計局の「労働力調査」からのもの(資料別ページにあります)であり、そこにも注書きで同じ定義が書いてあります。

 

さて、ここまでさまざまな名称が出てきました。それぞれを考えていきますと、

 

40歳未満の無業者: 地域若者サポートステーションの事業政策対象者

無業青少年:法令上のニート

若年無業者(ニート※1):少しややこしいのですが、内閣府の過去の調査報告では、若年無業者を三類型しており、就業希望を表明しかつ求職活動を行っている無業の若者が位置付けられてます。

 

さらに無業者を、就業希望を表明しかつ求職活動を行っている「求職型」、就業希望は表明していながら求職活動は行っていない「非求職型」、就職希望を表明していない「非希望型」に分類する。求職型は総務省統計局『労働力調査』で調査されている完全失業者に類似した概念である。一方、いわゆる「ニート(通学も仕事もしておらず職業訓練も受けていない人々)」とは、非求職型及び非希望型の無業者として、日本では通常理解されていると思われる。

 

出典:若年無業者に関する調査(中間報告)

ここらへんは東京工業大学の西田亮介氏との共著「無業社会」にも書きましたが、特に今回のように「若年無業者(ニート)」または「若年無業者(いわゆるニート)」と表現される場合、その若年無業者の類型定義から「求職型(≒失業者)」が外されていることが少なくありません。

 

地域若者サポートステーションが位置づく法律的には「無業青少年」であり、事業の必要性を示す場合の根拠資料からは「若年無業者(ニート)」であり、実際の事業目的における対象者は「40歳未満の無業者」ということになります。さまざまな調整のもと、財源重複が起こらないよう、さまざまな事業案件ごとに細かく対象者の定義が決められ始めておりますので、若者に限らない公的な支援機関に足を運ぶ際には、事前に電話などで利活用可能かどうかを聞いておくことをおススメします。

 

 

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