少年院から退院した子どもたちが安心して再チャレンジできるよう「みんなで」支えたい | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

少年院から退院した子どもたちが安心して再チャレンジできるよう「みんなで」支えたい

少年院から退院した子どもたちが安心して再チャレンジできるよう「みんなで」支えたい - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

 

 

 

 

 

 少年鑑別所にいる子どもたちに話をしてほしい。私が矯正教育分野を知るきっかけになった一言です。私が前に立つと部屋の後部扉に施錠がされ法務教官が立ちました。私の横にある前方扉にも施錠と法務教官が立っています。 

 

ほんの一瞬だけ目を閉じ、顔を上げた先にはまだ幼さの残る子どもたちが座っていました。私が行っている活動のこと。社会には必ずしも暖かく迎えてくれる大人だけではないが、将来、もし困ることがあったら頼ってみてほしいということ。そんなことを伝え、何名かの子どもたちと話もしました。

 

これをきっかけに少年院や少年刑務所、少年鑑別所に何度も伺わせていただき、実際の生活空間や食べているもの、矯正教育施設で行われている数々のプログラムを知り、また、少年たちを24時間365日支えている教官の方々と語らいました。

 

今年に入ってスタディツアーということで、関東3個所の少年院、1個所の少年鑑別所の中に入り、子どもたちの生活空間と日常生活を知り、その表情や食事風景を見て、少年院という場所を学ぶ機会を作りました。社会的に多忙に違いない方々が、スケジュールを無理やりにでも調整して参加してくださる姿に、私たちの活動は孤独にはならないと感じました。

 

少年院などの矯正教育施設は学校に似ています。少年院も子どもたちと法務教官だけの世界から、地域社会に開かれた場所を目指し、子どもたちのために外部とつながっていこうとしています。学校と社会の境界線をどんどん曖昧にしていく流れと同じくして、少年院と社会の間に引かれた明確なラインを引きすぎない、相互乗り入れでの支援の方向に向かっています。

 

そのとき、子どもたちを直接応援したいひとたちはもちろんのこと、先生という立場である法務教官や法務技官の多忙さに着目し、彼らが子どもたちと本当の意味で向き合える心の余裕と時間を作るため、法務教官を支える存在もまた重要です。

 

矯正教育の関係者と食事をさせていただいたとき、普段から冷静沈着なイメージのあった方が、泣いているようにも見える表情でお話くださったのは「感動」でした。「ワクワク」という言葉もおっしゃってました。

 

長年、少年院などにかかわるなかで、矯正教育にこんなにも多くのひとが関心を持ち、何ができるかを一緒に考える場所に出会ったことがないということでした。それをお聞きしたとき、少年隊を支えるのは「誰か」ではなく「みんな」でなければならないと確信しました。支える側の人間もまた誰かに支えられている実感が必要です。

 

そして、これまで見えていなかった子どもたちの存在を知り、私たちが支えるべきだと決断しました。しかしながら、子どもたちの置かれた状況や家庭背景、迎え入れる社会の側の見方や見え方を知るにつれ、「私たち」から「みんな」で支えることの必要性を痛感しています。

 

私たちができることは微力なことかもしれません。しかし、実際に少年たちと出会い、支援するなかで、決して無力ではないとも感じています。私たちは子どもたちを支えます。そして、社会をよくしていこうとする志と優しい眼差しを持つ「みんな」と手を携え、少年院内外で子どもたちが未来に希望を持てるよう向き合います。

 

小さな活動を進めるなかで、私たちができることも見えてきました。いまのままではできないこともわかってきました。それでも、子どもたちを支えたい気持ちは変わりません。そしていまから、ここからみなさまとともに、これまで見えていなかった少年院にいる子どもたちが「ひとりぼっち」にならないよう、いま以上に全力で支えていきたいと思います。

 

ともに支えてください。日本の未来を担う子どもたちを。

 

2016年12月1日より、クラウドファンディングサイトを通じての支援者、応援者を募っています!私たちの活動や想いを聞いてください。

 

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