0と1の間にあるさまざまな中間市場を大切にしていく | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

0と1の間にあるさまざまな中間市場を大切にしていく

2011.07.01
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若者支援分野に限らず、福祉なんかもそうなのだけれど
「働けない」と、いわゆる一般労働市場において「働ける」の間に
段階/ステップなど、言い方はそれぞれだけれども、中間的なモノが
大切だ、といった文脈のことは語られてきた。

職業訓練を中心とした「働く」へのステップアップが重要なのは
言うまでもないが、支援者が言う「中間」はちょっと異なるのでは
ないかと常々感じる。

それは、企業(企業でなくてもいい)という場において、労働を
通じて経験や人間関係を育み、労働価値に対する対価を得ることによって
成長や自身の場になるところ、というイメージではないだろうか。

当然、立ちはだかるものはたくさんある。まずは「最賃」の問題。
現段階で、例えば、時給800円の仕事を580円分しか一時間で
こなせないひとに、会社が800円を支払うことはあり得ない。

※実際に、会社内で仕事/成果以上に給与をもらっているといった
 事象は除く

だからといって、580円しか支払わないというのは最賃に抵触
するのでできない。結果として、一時間で800円以上の価値を
出せるようになってから来てね、ということになる。

また、心身の問題を抱えていると、一日連続8時間(休憩あり)、
週5日と、いきなりフルタイムスケジュールで働いたりすることが
できないひともいる。できれば、慣れるまで一日数時間、月に6日間
といったところから徐々に、という希望もある。

一方、一日8時間働いてほしい枠があるのに、2時間しか働けないと
なると、雇用主としては8時間働けるひとを探すか、せめて
4時間働けるひとを二人、となるだろう。管理や研修にもコストが
発生するからだ。

でも、実際に求められている「場」は、現状のなかでステップアップを
目指して物理的にも、金銭的にも働ける「場」であり「機会」である。
それ以外にも、人間関係に慣れるとか、通勤に耐えうる身体を創るとか、
ニーズは多様。

内閣府のパーソナルサポートという大きな事業の検討委員会でも
やはり「中間」という概念をどう整理し、成果に反映させられるか。
そして、その成果はもちろん、納税者に理解してもらえる形にできるか
などが俎上に上った。

主に、ホームレスの方への支援の流れだったのだが、現状で「働けない」
状況ではあるが、成果/評価指標が「就労/就職」でカウント1と
だけになってしまうと、本当に厳しい環境にいるひとに支援がしづらい
ことになってしまう(←成果が出ない、またはすごく時間がかかる)からだ。

この「0」と「1」の間には本当に無数のステップがあり、個人的には
その無数のステップを可視化し、定量化して示していかないと
支援者しか理解できない成果の枠組みを超えられないと思っている。

この「0」と「1」の中間という概念は「働く」ことだけにとどまらず
「教育」と「労働」の中間も(※最近では戦略的休学とかギャップイヤーとか)
「孤独」から「コミュニティー」の中間、もしかしたら、
「友達」と「親友」や「友達」と「恋人」の中間など、あらゆるものに
”のりしろ”や”バッファー”としてあったほうがいいものなのでは
ないだろうか。

成果を数字(定量化)で示すときは、どうしても、o,1,2,3,4,
となってしまうが、0と1, 3と4の中間にもストーリーがあり、
ゆるやかな次の数字への移行にもっと価値を置くことが次の
豊かな社会というひとつの定義にならないかなと、最近、じんわり
考えている。



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