民主党の政権奪取による大勝から丸3カ月、4ヶ月めに突入した今、民主政権を評価すべき点は多い。
1.公共事業見直し
2.事業仕分けによる財源捻出
3.国民に支持されたものだからという曲解による
強硬姿勢を緩めマニフェスト実施項目の見直し開始。
しかし、現在根底にあると思われる民主党政権の方向性に疑念を覚えざるを得ない。
鳩山首相の「ない袖は振るもの」発言からも現実離れしており、無謀である点が明白。
更に冒頭の評価に値する3項目についても(故意なのか)詰めが甘過ぎる。
なぜかと言えば、まず筆頭は、借金漬けで返すに返せない借金が膨らむ一方であり、
借金が膨らむ一方の火の車状態を前提とした予算組みをしている日本の台所事情がある。
この点を至極当たり前に常識的に切り盛りする事が求められる。
これができなければ、歴史的な政権交代の意味は皆無と言っても過言ではなく、
この時点で民主党にも期待ができないことが明白となり、他政党は期待できないからこその
民主党大勝であって日本と言う国が破たん消滅してしまう事を意味する。
まず、直近の日本の財政を見てみると、
前自民政権の今年度(2009年度)2010年3月までの予算執行は、
●税収見込み 46兆円
●赤字国債発行額 44兆円
との事だが、民主政権になった後の今年度でも既に税収見込み46兆円が38兆円を
割り込むことが見えており、穴埋めは赤字国債発行以外にないと判断されれば
(事実それしかない)、
●税収見込み 37兆円強
●赤字国債発行額 52兆円
となるが、これは現段階であり、更に増える可能性を多分に秘めている。
この現状においても、民主党政権は、赤字国債発行上限を今年度の自民党政権が
出した予定の44兆円にこだわっている。
2010年度(来年度)の民主党政権では、
●税収見込み 37兆円強
●赤字国債発行額 44兆円
と言っているのだが、概算要求額は95兆+アルファで100兆を超える。
税収見込みと赤字国債発行予定上限を加算しても、81兆円しかない。
19兆円以上足りない計算。
しかも、後述するが借金などしている場合ではないので37兆を
ベースにすれば63兆以上不足。
更にいえば、その税収から現在既に少なくとも868兆円前後にも
のぼる日本の借金を国債償還(返済)しなければならない。
更にある一定率で借金の返済(国債償還)が行われるが、
今年度の返済額は20兆円ちょっとであり、
現時点で新たに借りた分と超過額合算(52兆円)より返済額(20兆円)が
相当に少なく、更には税収見込みも38兆円と遥かに少ないので
日本は、自転車操業どころか、火の車となっている。
そして財務省が公表してる数値は、あまりにも的を射ない根拠不明な金額であり、
毎年一定額を償還することには「なっていない」上、
常に「返済額」が新たに借りる額の50%を割り込むのが当たり前かのように
「異常なほど少額」である点が借金が膨らむ一方である原因。
この国債発行は諸説あるようだが1975年から本格的に始まったようだ。
このたった34年間の間に公表されているだけでも返す気もなく
870兆円弱の借金を作ったことになる。
ここでも赤字国債と多用しているが、国債がより正しく、国債は
日本国債であれば、日本の信用力を元に発行され証券・株券と
同様金融市場で取引されているが、これとも複雑に絡み合い、
●借入金+政府短期証券を含む「日本全体の債務残高」
●「国および地方の」長期債務残高
●「国の」長期債務残高
という様々な見方があり、「日本全体の債務残高」は既に1000兆円を
超えていると言われている。
更にその財務省のわかりずらい根拠の見えない返済プランにおける
償還期間を迎えると国債保有者に金利を支払う必要がある。
金利は変動するし、そもそも予算はないので、その金利分を補う為に、
更に赤字国債を発行するという悪循環で日本の借金は膨らみ続ける一方で
返済のめどなど立つはずもない。
仮に借金を一切せず、毎年10兆円ずつ元金のみ返済し続けたとしても
単純計算で87年かかることになる。
この期間は日本人男性の平均寿命より長く、日本人女性の平均寿命と同程度であり、気が遠くなる話だが、
更に金利分が入ると元金が大きいだけに数年から10年以上更に余計に払う必要があると思われ、
更に実際には、返済以上に借金を重ねているので永遠に返せないという解せない話となり、
つまり、返す気がない、返そうにも返せなくなっている。
サブプライム問題に起因した昨秋からの『リーマンショック』と呼ばれる金融不況による世界同時不況があったとは言え、既に日本の税収見込み8兆円割れというのは財政にとって結果的に誤算・誤差では済まされない致命的なものだ。
そもそも、税収見込み(46兆円)とほぼ同額(44兆円)の借金をする事を前提に国政を行うことは正常な感覚ではない。
(実際は税収の内2兆円は予備で同額の借金を前提としている)
個人でボーナスなし月給46万円の人が、2万円積み立て貯金し、
慢性的に毎月88万の支出をしていたら即破たんだ。
支出の中には、当然借金返済も含まれるが、
まして、今年度でさえ税収見込み(37兆円台)で赤字国債発行額は膨らみ52兆円超と1.7倍前後の借金を加算して国政を行うなど正気の沙汰ではない。
個人で月給37万円の人が、月89万の支出したら即破たんだ。
今の大人が満足を得るためだけに
これから生まれる子どもたちに、未来大人になる今の子どもたちに、
そのしわ寄せとしての悲惨なほどの借金により莫大な負の遺産を
遺してしまうことになっていいのか。
いいわけがない、だからこそ、税収以上の、返済額以上の借金を前提とした国政は許されない。
どうしてもやりたければ、やりたい人たちが自腹を切ってやるといい。
それができないなら、雪だるま式の借金体質から脱却し、財政健全化を図らなければならない。
逃げてもいずれはやらなければならないことなので経済が縮小してでもグローバル社会から
離脱してでも一刻も早い日本の財政健全化は不可避である。
この点からしても優劣なくいずれも重要であり、とにもかくにも真っ先に着手、英断しなければならないことは
1.自民政権の負の遺産とはいえ860兆円以上積み上がっている
国の借金を真剣に当たり前に常識的に返済する前提で物事を
考える
2.今年度及び来年度税収見込みの額(37兆円台)を直視し、
マニフェストと概算請求を1から見直す
3.1項と今年度分として既に8兆円税収不足から870兆円に迫る
公表赤字を考慮し、今後、借金返済完了間近まで一切、
赤字国債を発行せず、もしくは発行額を限りなくゼロに近く
大幅に縮小し国政を行う前提とする
不足する税収を考えれば、経費カットは当然であり、
4.議員定数の大幅削減
5.議員報酬の大幅削減
6.霞が関官僚の大幅削減
7.その他国家公務員・地方公務員人員削減
8.公益法人(独立行政法人・社団法人等)を全廃の観点から
本当に必要な法人のみ残す
9.8と併行して天下り・渡り全廃と法外な高額報酬、
必要であれば公務員の定年の見直しを実施
10.年金一元化を早急に実施、共済年金・厚生年金・
国民年金一元化を行い、共済年金の優位性を排除
(8、9と併行)
11.国家公務員及び地方公務員の優遇された福利厚生を
撤廃含む見直し
12.公共事業全面見直し
※7については、例えば少子化の今、幼稚園~大学までの学校・学校法人数、教員数はかなり余剰があるはず。
※12については、交通網(航空・電車・車/バイク・船舶)の全体を俯瞰した撤廃廃止を含む見直し、99程度の内黒字空港3空港程度以外の赤字空港は基本廃止、抜本見直し、高速道路の廃止撤廃も含め、また継続してダムも抜本的に見直すべき。
これに付随し、不健全な財務体質と社風により破たん寸前のJALの
救済は一切せず、倒産させるべき。
JAL企業年金なども取りざたされるが、これまでの旧経営陣及び管理職、
JAS統合含めJAL1社で 8つもある労組幹部は少なくとも現役以上の責を
負うべき。だからといって現役の責も重い。
元国営1民間企業の失態を政府が、つまり国民の税金で「救い続ける」
には根拠が乏しすぎる。
により小さな政府を実現するとともに脱官僚、公務員改革実施、財源を確保をし、更に
●事業仕分けの結果に横串を刺し、聖域なく予算削減、財源捻出
●社会保険庁解体と年金機構の新設を直ちに中止撤回し、社会保険庁内部人員の大幅刷新
2010年1月あと1カ月程度で移行するようだが、即刻中止すべし。
職員1万人はスライド異動するだけで、懲戒対象300名の内、200名もスライドでは、
旧社会保険庁の仕業だからと、これまでの失態を押し付け、知らぬ存ぜぬを貫き通す為の
詐欺行為を行う準備にさえ見えてしまう。新たにオフィス賃料などもかかることだろう。
そう思われない為にも即刻中止、白紙撤回せよ。
さて、ここまでが民主政権が休む間もなく最低限、真っ先に行うべきと思われることだが、ここで世界が窮地に至った原因を考えてみる。
直接的にサブプライムの影響を受けた日本企業は、野村証券や農林中金等数社といわれているが、金額の多少はあれ、すそ野は広いものと思われる。
しかし、このサブプライム問題は、事前に回避できたこと。
にも関わらず、欲に駆られて回避しなかった事も大きな原因。
そもそも論で言えば、米ウォールストリートがサブプライムを金融商品化したことはもとより、
非常にリスキーなサブプライム商品をデリバティブ(金融派生)商品として、
サブプライムが含まれているか否かすらわからない金融商品を世界中に売りまくったのだが、
非常にリスキーで危険である事は世界中の少なくとも識者であれば、明白だったこと。
ハイリスクハイリターンを承知で勝負した投機家はいただろうが。
なぜなら、『米国低所得者向け住宅ローン』と一言で表現できる程度のリスキーさではなく、
今話題となっているがアメリカには公的年金というものが存在せず、任意でお金のある人々だけが
民間保険に加入する仕組みであり、医療保険すら入れない人々が相当数いるアメリカにおいては、
『低所得者層』というのは、医療保険すら入れず、病気やけがをした際に病院に行く事すら悩まざるを得ない人々をも多分に含むからだ。
更にそもそもアメリカが金融中心経済になった背景は、日本等のモノづくりに長けた他国の台頭により輸出が激減し、輸入超過に陥いる羽目となった。
現在は転換を図っているアメリカだが、元々、貯蓄不要、借金して生活するのが当たり前
という異常な金銭感覚により、
世界中からあらゆるモノやサービスを輸入し、その過剰消費によって世界が潤い、日本を含む各国経済が著しく経済的に伸長した背景がある。
アメリカは、これにより、米ドル含め通貨がアメリカから海外に流出する一方で通貨循環しない為、
将来的に米国経済ひいては財政が厳しくなることが明白である為、米ドル回収、外貨獲得を狙った結果、金融経済を信奉した。
次々に生み出される金融商品は、アメリカの目論見通り、膨れ上がり、今も尚金融経済は世界経済の中心となっている。
が、しかし、この事が現在と未来に暗雲が立ち込める主要因となり、先行き不透明感とこの矛盾を廃絶しない限り、明るい未来を語ることができない状態になっている(後述)。
こうしてアメリカはもとより、世界各国も欲に駆られず、信用取引と言うまやかしで底上げした経済を妄想せず、
堅実であれば、当然食い止められたサブプライム及びサブプライム混入が見えないデリバティブ商品を早期に排除していたことだろう。
ところが欲にかまけた結果起きたリーマンショックにより、ことにアメリカにおいては上流層の目減りもあったろうが、中流層の打撃も無視できず、ホームレスに転じた人々が多発した。
現在、アメリカで食糧無料配給を待つ人々は1700万人を超えるとわれており、
人口約3億8千万人前後のアメリカの失業率が10%を超えている事を考えても
失業率とは総人口比ではなく労働人口比であり、それにしても2000万人前後は失業している状態と考えられる。
更にクビきりのリストラが止まったわけでもなく、米国地方銀行の内、500行以上の銀行が、財務体質が危険な状態にあるといわれている。
更にリーマンは見せしめに潰したものの、
「大き過ぎて潰せない」という矛盾した論理により、多額な財政投入をされたにも関わらず
証券大手のトップ達は、
通例どおり、短期的な目先の事業業績だけで庶民が想像を絶する法外な額の報酬を受け取る無神経さが残っている。
アメリカが金融経済依存から大半をシフトまたは脱却して経済の新機軸を打ち立てない限り、未来は暗い。
このままでは明るい未来を語ることができない状態について後述すると言ったが、ここが重要。
更にアメリカにとどまらず、世界的に金融経済から手を引かない限り、あらゆる困難な状況に見舞われることになる。
なぜなら、金融取引されている商品の内、現物取引となっている『農産物』『白金・金・銀・銅・石油等の鉱物』などの天然資源の乱高下は、庶民の実生活にダイレクトに響く事だから。
通貨の信用が落ちた際にこれら現物に投機・投資資金は流れやすく、金は金本位制の名残からも主要な指標品目となっているし、
石油も大量エネルギー消費によって発展したという事からこれも主要な指標となっているが、
いずれも天然資源の枯渇をはらんでおり、仮に現物と資金を全て清算した場合を考えるとそら恐ろしくなる。
これも金融経済が『まやかし』だと考えている理由。
それ以上に危険なのは、『農産物』。
日本は少子高齢化といわれており、日本人口は減っていくと言われているが、他方、世界人口は増加の一途をたどると言われている。
そうなると農産物価格が温暖化や天候による豊作・凶作に関わらず、常に乱高下してしまう上に世界人口増加によって後述の新興国の発展に伴い裕福な人口が増えると食糧不足、エネルギー含む天然資源不足の問題に直面する事は不可避。
更に地球温暖化対策の議場に、ようやく中国、インド、アメリカも乗り出したが、目標が曖昧、実数として減らす気がなく、天然資源も手を緩めることなく掘削・掘り出し続けている。
ちなみに水も例外ではない。飲料水として使える水は地球上の水分(海水除く)の内、正確な数値は忘れたが0.01%とかいうレベルであり、
自然の摂理により100年単位で貯まる地下水を数年で吸い上げてしまっていると言われている。
BRICs、ブラジル・ロシア・インド・中国といった新興国を意味する造語ができて久しいが、
ロシアはバブルが崩れた感があるものの、他3国は今も尚、経済的に伸びているように見える。
この内、ブラジルとインドについては、見えるだけでなく伸びていると言ってもいいだろうが、
現在世界が熱視線を送っている中国については、経済伸長しているように見えているだけだと言っていいだろう。
なぜなら、
●中国人口13億の内、10億人は農民等の貧困層であり、3億人程度が現代の経済を謳歌しているに過ぎない
●従前発展していた輸出をメインとしていた臨海都市は世界同時不況によりことごとく不振にあえいでいる
●現年度の中国の羽振りのよさは、今年度50数兆円に上る財政投入に下支えされたものである
●通貨人民元は、中国政府介入によって完全ともいえるコントロール下で安定しているが、
変動相場に移行することがあるとすれば為替相場で乱高下が容易に予想される
●それまでに世界経済が緩やかにでも上昇し続ける状態であれば良いが、
そうでなければ、輸出入への影響も、内需においても影響が多大であり、不安定となることは必至
●これまで人件費の安さから先進各国の特に製造業が工場を構えていたが経済発展に伴う人件費の高騰から徐々に労働力の安いアジア圏に流出している
●他方、中国の活況に誘われ、中国内需を狙った現地法人の設立が相次いでいるが、
世界中の国々が一気に中国目指して乱入しており現富裕層・中流層を含めた3億人のパイがなくなるまでの時間はあっという間
●更に来年度も今年度同様50数兆円という数十兆円規模の財政投入が可能とは思いにくいし、可能だとしても毎年となると無理が生じる
●こうした状況下で1人勝ちしているかのように見える中国に世界の投機家・投資家達が、こぞってマネーを投じている
毎年、数十兆円超の巨額の財政投入ができなければ、一気に中国経済が冷え込み、世界のマネーは中国から逃げていくことになる。
というか『毎年、数十兆円超の巨額の財政投入』などできるはずがないし、それによる経済浮揚は無理を来すことは日本やアメリカだけを見ても明白。
仮に世界経済が上向けば、財政投入をゼロにするのは無理にしても減額することは可能だろうが、
中国を含めて世界が『まやかしの信用取引による金融経済』にどっぷり浸かっている以上、
泡と同じであり、つまりバブルだといえる。
民主党政権に告ぐ、2010(平成21)年度含む以降の予算組みは、
グローバル社会からの離脱、経済大幅縮小を余儀なくされても
健全な財務体質に転換していかねばならない。
どんな理由があるにせよ、どんな事情があるにせよ、
今の大人が満足を得るためだけに
これから生まれる子どもたちに、未来大人になる今の子どもたちに、
そのしわ寄せとしての悲惨なほどの借金により莫大な負の遺産を
遺してしまうことになっていいのか。
いいわけがない、だからこそ、税収以上の、返済額以上の借金を前提とした国政は許されない。
どうしてもやりたければ、やりたい人たちが自腹を切ってやるといい。
それができないなら、雪だるま式の借金体質から脱却し、財政健全化を図らなければならない。
逃げてもいずれはやらなければならないことなので経済が縮小してでもグローバル社会から
離脱してでも一刻も早い日本の財政健全化は不可避である。
1.公共事業見直し
2.事業仕分けによる財源捻出
3.国民に支持されたものだからという曲解による
強硬姿勢を緩めマニフェスト実施項目の見直し開始。
しかし、現在根底にあると思われる民主党政権の方向性に疑念を覚えざるを得ない。
鳩山首相の「ない袖は振るもの」発言からも現実離れしており、無謀である点が明白。
更に冒頭の評価に値する3項目についても(故意なのか)詰めが甘過ぎる。
なぜかと言えば、まず筆頭は、借金漬けで返すに返せない借金が膨らむ一方であり、
借金が膨らむ一方の火の車状態を前提とした予算組みをしている日本の台所事情がある。
この点を至極当たり前に常識的に切り盛りする事が求められる。
これができなければ、歴史的な政権交代の意味は皆無と言っても過言ではなく、
この時点で民主党にも期待ができないことが明白となり、他政党は期待できないからこその
民主党大勝であって日本と言う国が破たん消滅してしまう事を意味する。
まず、直近の日本の財政を見てみると、
前自民政権の今年度(2009年度)2010年3月までの予算執行は、
●税収見込み 46兆円
●赤字国債発行額 44兆円
との事だが、民主政権になった後の今年度でも既に税収見込み46兆円が38兆円を
割り込むことが見えており、穴埋めは赤字国債発行以外にないと判断されれば
(事実それしかない)、
●税収見込み 37兆円強
●赤字国債発行額 52兆円
となるが、これは現段階であり、更に増える可能性を多分に秘めている。
この現状においても、民主党政権は、赤字国債発行上限を今年度の自民党政権が
出した予定の44兆円にこだわっている。
2010年度(来年度)の民主党政権では、
●税収見込み 37兆円強
●赤字国債発行額 44兆円
と言っているのだが、概算要求額は95兆+アルファで100兆を超える。
税収見込みと赤字国債発行予定上限を加算しても、81兆円しかない。
19兆円以上足りない計算。
しかも、後述するが借金などしている場合ではないので37兆を
ベースにすれば63兆以上不足。
更にいえば、その税収から現在既に少なくとも868兆円前後にも
のぼる日本の借金を国債償還(返済)しなければならない。
更にある一定率で借金の返済(国債償還)が行われるが、
今年度の返済額は20兆円ちょっとであり、
現時点で新たに借りた分と超過額合算(52兆円)より返済額(20兆円)が
相当に少なく、更には税収見込みも38兆円と遥かに少ないので
日本は、自転車操業どころか、火の車となっている。
そして財務省が公表してる数値は、あまりにも的を射ない根拠不明な金額であり、
毎年一定額を償還することには「なっていない」上、
常に「返済額」が新たに借りる額の50%を割り込むのが当たり前かのように
「異常なほど少額」である点が借金が膨らむ一方である原因。
この国債発行は諸説あるようだが1975年から本格的に始まったようだ。
このたった34年間の間に公表されているだけでも返す気もなく
870兆円弱の借金を作ったことになる。
ここでも赤字国債と多用しているが、国債がより正しく、国債は
日本国債であれば、日本の信用力を元に発行され証券・株券と
同様金融市場で取引されているが、これとも複雑に絡み合い、
●借入金+政府短期証券を含む「日本全体の債務残高」
●「国および地方の」長期債務残高
●「国の」長期債務残高
という様々な見方があり、「日本全体の債務残高」は既に1000兆円を
超えていると言われている。
更にその財務省のわかりずらい根拠の見えない返済プランにおける
償還期間を迎えると国債保有者に金利を支払う必要がある。
金利は変動するし、そもそも予算はないので、その金利分を補う為に、
更に赤字国債を発行するという悪循環で日本の借金は膨らみ続ける一方で
返済のめどなど立つはずもない。
仮に借金を一切せず、毎年10兆円ずつ元金のみ返済し続けたとしても
単純計算で87年かかることになる。
この期間は日本人男性の平均寿命より長く、日本人女性の平均寿命と同程度であり、気が遠くなる話だが、
更に金利分が入ると元金が大きいだけに数年から10年以上更に余計に払う必要があると思われ、
更に実際には、返済以上に借金を重ねているので永遠に返せないという解せない話となり、
つまり、返す気がない、返そうにも返せなくなっている。
サブプライム問題に起因した昨秋からの『リーマンショック』と呼ばれる金融不況による世界同時不況があったとは言え、既に日本の税収見込み8兆円割れというのは財政にとって結果的に誤算・誤差では済まされない致命的なものだ。
そもそも、税収見込み(46兆円)とほぼ同額(44兆円)の借金をする事を前提に国政を行うことは正常な感覚ではない。
(実際は税収の内2兆円は予備で同額の借金を前提としている)
個人でボーナスなし月給46万円の人が、2万円積み立て貯金し、
慢性的に毎月88万の支出をしていたら即破たんだ。
支出の中には、当然借金返済も含まれるが、
まして、今年度でさえ税収見込み(37兆円台)で赤字国債発行額は膨らみ52兆円超と1.7倍前後の借金を加算して国政を行うなど正気の沙汰ではない。
個人で月給37万円の人が、月89万の支出したら即破たんだ。
今の大人が満足を得るためだけに
これから生まれる子どもたちに、未来大人になる今の子どもたちに、
そのしわ寄せとしての悲惨なほどの借金により莫大な負の遺産を
遺してしまうことになっていいのか。
いいわけがない、だからこそ、税収以上の、返済額以上の借金を前提とした国政は許されない。
どうしてもやりたければ、やりたい人たちが自腹を切ってやるといい。
それができないなら、雪だるま式の借金体質から脱却し、財政健全化を図らなければならない。
逃げてもいずれはやらなければならないことなので経済が縮小してでもグローバル社会から
離脱してでも一刻も早い日本の財政健全化は不可避である。
この点からしても優劣なくいずれも重要であり、とにもかくにも真っ先に着手、英断しなければならないことは
1.自民政権の負の遺産とはいえ860兆円以上積み上がっている
国の借金を真剣に当たり前に常識的に返済する前提で物事を
考える
2.今年度及び来年度税収見込みの額(37兆円台)を直視し、
マニフェストと概算請求を1から見直す
3.1項と今年度分として既に8兆円税収不足から870兆円に迫る
公表赤字を考慮し、今後、借金返済完了間近まで一切、
赤字国債を発行せず、もしくは発行額を限りなくゼロに近く
大幅に縮小し国政を行う前提とする
不足する税収を考えれば、経費カットは当然であり、
4.議員定数の大幅削減
5.議員報酬の大幅削減
6.霞が関官僚の大幅削減
7.その他国家公務員・地方公務員人員削減
8.公益法人(独立行政法人・社団法人等)を全廃の観点から
本当に必要な法人のみ残す
9.8と併行して天下り・渡り全廃と法外な高額報酬、
必要であれば公務員の定年の見直しを実施
10.年金一元化を早急に実施、共済年金・厚生年金・
国民年金一元化を行い、共済年金の優位性を排除
(8、9と併行)
11.国家公務員及び地方公務員の優遇された福利厚生を
撤廃含む見直し
12.公共事業全面見直し
※7については、例えば少子化の今、幼稚園~大学までの学校・学校法人数、教員数はかなり余剰があるはず。
※12については、交通網(航空・電車・車/バイク・船舶)の全体を俯瞰した撤廃廃止を含む見直し、99程度の内黒字空港3空港程度以外の赤字空港は基本廃止、抜本見直し、高速道路の廃止撤廃も含め、また継続してダムも抜本的に見直すべき。
これに付随し、不健全な財務体質と社風により破たん寸前のJALの
救済は一切せず、倒産させるべき。
JAL企業年金なども取りざたされるが、これまでの旧経営陣及び管理職、
JAS統合含めJAL1社で 8つもある労組幹部は少なくとも現役以上の責を
負うべき。だからといって現役の責も重い。
元国営1民間企業の失態を政府が、つまり国民の税金で「救い続ける」
には根拠が乏しすぎる。
により小さな政府を実現するとともに脱官僚、公務員改革実施、財源を確保をし、更に
●事業仕分けの結果に横串を刺し、聖域なく予算削減、財源捻出
●社会保険庁解体と年金機構の新設を直ちに中止撤回し、社会保険庁内部人員の大幅刷新
2010年1月あと1カ月程度で移行するようだが、即刻中止すべし。
職員1万人はスライド異動するだけで、懲戒対象300名の内、200名もスライドでは、
旧社会保険庁の仕業だからと、これまでの失態を押し付け、知らぬ存ぜぬを貫き通す為の
詐欺行為を行う準備にさえ見えてしまう。新たにオフィス賃料などもかかることだろう。
そう思われない為にも即刻中止、白紙撤回せよ。
さて、ここまでが民主政権が休む間もなく最低限、真っ先に行うべきと思われることだが、ここで世界が窮地に至った原因を考えてみる。
直接的にサブプライムの影響を受けた日本企業は、野村証券や農林中金等数社といわれているが、金額の多少はあれ、すそ野は広いものと思われる。
しかし、このサブプライム問題は、事前に回避できたこと。
にも関わらず、欲に駆られて回避しなかった事も大きな原因。
そもそも論で言えば、米ウォールストリートがサブプライムを金融商品化したことはもとより、
非常にリスキーなサブプライム商品をデリバティブ(金融派生)商品として、
サブプライムが含まれているか否かすらわからない金融商品を世界中に売りまくったのだが、
非常にリスキーで危険である事は世界中の少なくとも識者であれば、明白だったこと。
ハイリスクハイリターンを承知で勝負した投機家はいただろうが。
なぜなら、『米国低所得者向け住宅ローン』と一言で表現できる程度のリスキーさではなく、
今話題となっているがアメリカには公的年金というものが存在せず、任意でお金のある人々だけが
民間保険に加入する仕組みであり、医療保険すら入れない人々が相当数いるアメリカにおいては、
『低所得者層』というのは、医療保険すら入れず、病気やけがをした際に病院に行く事すら悩まざるを得ない人々をも多分に含むからだ。
更にそもそもアメリカが金融中心経済になった背景は、日本等のモノづくりに長けた他国の台頭により輸出が激減し、輸入超過に陥いる羽目となった。
現在は転換を図っているアメリカだが、元々、貯蓄不要、借金して生活するのが当たり前
という異常な金銭感覚により、
世界中からあらゆるモノやサービスを輸入し、その過剰消費によって世界が潤い、日本を含む各国経済が著しく経済的に伸長した背景がある。
アメリカは、これにより、米ドル含め通貨がアメリカから海外に流出する一方で通貨循環しない為、
将来的に米国経済ひいては財政が厳しくなることが明白である為、米ドル回収、外貨獲得を狙った結果、金融経済を信奉した。
次々に生み出される金融商品は、アメリカの目論見通り、膨れ上がり、今も尚金融経済は世界経済の中心となっている。
が、しかし、この事が現在と未来に暗雲が立ち込める主要因となり、先行き不透明感とこの矛盾を廃絶しない限り、明るい未来を語ることができない状態になっている(後述)。
こうしてアメリカはもとより、世界各国も欲に駆られず、信用取引と言うまやかしで底上げした経済を妄想せず、
堅実であれば、当然食い止められたサブプライム及びサブプライム混入が見えないデリバティブ商品を早期に排除していたことだろう。
ところが欲にかまけた結果起きたリーマンショックにより、ことにアメリカにおいては上流層の目減りもあったろうが、中流層の打撃も無視できず、ホームレスに転じた人々が多発した。
現在、アメリカで食糧無料配給を待つ人々は1700万人を超えるとわれており、
人口約3億8千万人前後のアメリカの失業率が10%を超えている事を考えても
失業率とは総人口比ではなく労働人口比であり、それにしても2000万人前後は失業している状態と考えられる。
更にクビきりのリストラが止まったわけでもなく、米国地方銀行の内、500行以上の銀行が、財務体質が危険な状態にあるといわれている。
更にリーマンは見せしめに潰したものの、
「大き過ぎて潰せない」という矛盾した論理により、多額な財政投入をされたにも関わらず
証券大手のトップ達は、
通例どおり、短期的な目先の事業業績だけで庶民が想像を絶する法外な額の報酬を受け取る無神経さが残っている。
アメリカが金融経済依存から大半をシフトまたは脱却して経済の新機軸を打ち立てない限り、未来は暗い。
このままでは明るい未来を語ることができない状態について後述すると言ったが、ここが重要。
更にアメリカにとどまらず、世界的に金融経済から手を引かない限り、あらゆる困難な状況に見舞われることになる。
なぜなら、金融取引されている商品の内、現物取引となっている『農産物』『白金・金・銀・銅・石油等の鉱物』などの天然資源の乱高下は、庶民の実生活にダイレクトに響く事だから。
通貨の信用が落ちた際にこれら現物に投機・投資資金は流れやすく、金は金本位制の名残からも主要な指標品目となっているし、
石油も大量エネルギー消費によって発展したという事からこれも主要な指標となっているが、
いずれも天然資源の枯渇をはらんでおり、仮に現物と資金を全て清算した場合を考えるとそら恐ろしくなる。
これも金融経済が『まやかし』だと考えている理由。
それ以上に危険なのは、『農産物』。
日本は少子高齢化といわれており、日本人口は減っていくと言われているが、他方、世界人口は増加の一途をたどると言われている。
そうなると農産物価格が温暖化や天候による豊作・凶作に関わらず、常に乱高下してしまう上に世界人口増加によって後述の新興国の発展に伴い裕福な人口が増えると食糧不足、エネルギー含む天然資源不足の問題に直面する事は不可避。
更に地球温暖化対策の議場に、ようやく中国、インド、アメリカも乗り出したが、目標が曖昧、実数として減らす気がなく、天然資源も手を緩めることなく掘削・掘り出し続けている。
ちなみに水も例外ではない。飲料水として使える水は地球上の水分(海水除く)の内、正確な数値は忘れたが0.01%とかいうレベルであり、
自然の摂理により100年単位で貯まる地下水を数年で吸い上げてしまっていると言われている。
BRICs、ブラジル・ロシア・インド・中国といった新興国を意味する造語ができて久しいが、
ロシアはバブルが崩れた感があるものの、他3国は今も尚、経済的に伸びているように見える。
この内、ブラジルとインドについては、見えるだけでなく伸びていると言ってもいいだろうが、
現在世界が熱視線を送っている中国については、経済伸長しているように見えているだけだと言っていいだろう。
なぜなら、
●中国人口13億の内、10億人は農民等の貧困層であり、3億人程度が現代の経済を謳歌しているに過ぎない
●従前発展していた輸出をメインとしていた臨海都市は世界同時不況によりことごとく不振にあえいでいる
●現年度の中国の羽振りのよさは、今年度50数兆円に上る財政投入に下支えされたものである
●通貨人民元は、中国政府介入によって完全ともいえるコントロール下で安定しているが、
変動相場に移行することがあるとすれば為替相場で乱高下が容易に予想される
●それまでに世界経済が緩やかにでも上昇し続ける状態であれば良いが、
そうでなければ、輸出入への影響も、内需においても影響が多大であり、不安定となることは必至
●これまで人件費の安さから先進各国の特に製造業が工場を構えていたが経済発展に伴う人件費の高騰から徐々に労働力の安いアジア圏に流出している
●他方、中国の活況に誘われ、中国内需を狙った現地法人の設立が相次いでいるが、
世界中の国々が一気に中国目指して乱入しており現富裕層・中流層を含めた3億人のパイがなくなるまでの時間はあっという間
●更に来年度も今年度同様50数兆円という数十兆円規模の財政投入が可能とは思いにくいし、可能だとしても毎年となると無理が生じる
●こうした状況下で1人勝ちしているかのように見える中国に世界の投機家・投資家達が、こぞってマネーを投じている
毎年、数十兆円超の巨額の財政投入ができなければ、一気に中国経済が冷え込み、世界のマネーは中国から逃げていくことになる。
というか『毎年、数十兆円超の巨額の財政投入』などできるはずがないし、それによる経済浮揚は無理を来すことは日本やアメリカだけを見ても明白。
仮に世界経済が上向けば、財政投入をゼロにするのは無理にしても減額することは可能だろうが、
中国を含めて世界が『まやかしの信用取引による金融経済』にどっぷり浸かっている以上、
泡と同じであり、つまりバブルだといえる。
民主党政権に告ぐ、2010(平成21)年度含む以降の予算組みは、
グローバル社会からの離脱、経済大幅縮小を余儀なくされても
健全な財務体質に転換していかねばならない。
どんな理由があるにせよ、どんな事情があるにせよ、
今の大人が満足を得るためだけに
これから生まれる子どもたちに、未来大人になる今の子どもたちに、
そのしわ寄せとしての悲惨なほどの借金により莫大な負の遺産を
遺してしまうことになっていいのか。
いいわけがない、だからこそ、税収以上の、返済額以上の借金を前提とした国政は許されない。
どうしてもやりたければ、やりたい人たちが自腹を切ってやるといい。
それができないなら、雪だるま式の借金体質から脱却し、財政健全化を図らなければならない。
逃げてもいずれはやらなければならないことなので経済が縮小してでもグローバル社会から
離脱してでも一刻も早い日本の財政健全化は不可避である。