謙虚さの美徳(宮城クラブの活動から) | 片岡タイムズ(日本語版)

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UPSET/宮城クラブ所属/片岡タイムズ編集長

【謙虚さの美徳】

「誰の手柄かと言えば、僕の手柄だと思います」


10/10、体育の日とも呼ばれる日の練習終了後の記者会見で開口一番に言い放った。

「さらに言えば、平田がフリーでボールを受けた時点で、こちらのチームの勝利を確信した。仮に、最後に決めたのが私ではなくても、あの勝利の手柄は私だったと思う」

本人の言葉を解説する。練習の終盤に行われた10×2のスクリメージ内。36対36のイーブン。18秒でチーム白のサイドスローイン。このシチュエーションは、その1つ前のポゼッションでも訪れた。

「正直、違うエントリープレーで入る事も考えた。だが、あえて同じエントリーで、かつ、微妙にアレンジする形を選択した。相手も油断していた節があったと思う」

本来、スクリナーになるはずの平田が45度でボールを受ける。そのまま、パサーの蓮見勇がハンドオフでボールを受け。ベースラインヘドライブ。ヘルプポジションが出てきた瞬間に、村上選手へパス。だが、相手も、必死だ。ヘルプディフェンスが動いた際には、もう1枚のディフェンスがカバーダウンをする。事実、村上氏がボールを受ける頃にはディフェンスに囲まれた。


そこで、一人の男がエルボーと呼ばれる場所へと動き、ボールを受け、あまたのディフェンスを交わし(本当はノーマーク)、ミドルシュート。残り時間は7秒。プレーが始まる前の段階から逆算して時間の管理も出来ていた。こちらのオフェンス終了後、相手のオフェンスにも転ずる。早いとも、早くないとも、どちらともいえない場面だ。判断材料があるとすれば、自信。自信があるか、ないか。答えは、前者だった。


一人の男とは、当FBの管理人。片岡氏。綺麗な放物線を描いたシュートはリングへと吸い込まれ、この試合を決定づける得点となる。事実、その後、相手チームのオフェンスはリングに嫌われ、最後のリバウンドも片岡が確保し、タイムアップ。

余談であるが、片岡氏がシュートを放つ場面、「まだ早い!」と大声で叫んだ選手がいた。平田選手だ。試合後、納得のいかない片岡氏が平田氏に詰め寄ると「勝ってると思ってた。シュートを打たなくても良いと思ってた」とポツリ。的外れなアドバイスもいいところだ。

練習後、コートサイドを走る平田氏の姿があった。間違ったアドバイスをした自責の念に堪え切れず、自らを戒めるためのラントレーニングなのだろう。それもまた、青春の1ページだ。

自分の手柄だと豪語する片岡氏。謙虚さのかけらも無いが、本当は、誰よりも謙虚な精神の裏返しを持つ男である。それは、彼に関わった事のあるすべての人間が知るところである(と、信じたい)。


(文責:宮城クラブ広報部 片岡)