秦組Vol.6『くるくると死と嫉妬』の稽古場見学に再び行って来ました。


2回目を申し込んだ理由が初めて稽古場見学をして稽古の進め方でもう一度確認したいことや疑問に思ったことを見てみたかったからだったので、その日の稽古が返し稽古ではなく通し稽古だったのは少し残念でした。

ただ理由がなくなってしまったというのが残念なだけで、通し稽古を観れるというのはとてもうれしいし楽しみでした。


今回の稽古場は前回とは場所が変わり、部屋は広く高くなっていました。

また今回の見学者席は上手端の客席側。
僕の位置は上手側舞台袖の中を仕切りなしで観れるようなところでした。

前回が下手側の真横から舞台を観るような位置だったので風景が全く違いました。

ただ前回と違う一番の原因は位置ではなくセットがあるということでしたが。


セットは書割などはない剥き出しの状態でしたが、稽古場いっぱいに広がったそれは高さもあり迫力満点でした。

剥き出しのセットなので、舞台裏も隙間から見える状態であり、そんなところに待機場所があるのかとか、スタッフさんが現状ではまだ存在していない扉か幕を裏から開けるアクションをしたりするのが見えて、細かいところまで本番を想定して通し稽古をしていることがわかりました。


また上手側の舞台袖の裏側はまるまる見える位置だったので、これから舞台に出て行こうとスタンバイ状態のキャストさんの様子が観れたのはすごく新鮮でした。


一つ気になったのが、通し稽古が始まる前に、秦さんと演出助手の方が一旦芝居を止める位置を確認していたこと。

それは何のシーンで何で止めなきゃいけないんだろうと思っていたのですが、そのシーンは上手袖からストレッチャーで患者が搬送されてきて舞台中央のセット内へ消えていくところでした。

そこで秦さんの合図で一旦芝居が中断し、ストレッチャーは舞台上を通って下手袖へ移動していきました。

本番が行われる劇場とは違い、稽古場では舞台裏を通って下手袖に運ぶスペースがないための措置なのかなと思いました。


本番を想定しての通し稽古ですが、全てが同じ状態には出来ないのは当たり前であり、だからこそ小屋入りしてからの場当たりやゲネプロが大切なんだなと、また通し稽古は場当たりやゲネプロを円滑に行うためのものでもあるのかなと思いました。


通し稽古を真剣に観ているとあっという間に見学時間が終了してしまいました。


終了時間が訪れた時に舞台上ではダンスが行われていました。

僕が前回の稽古場見学で最初に観たシーンです。

そこからクライマックス前までのシーンを僕は前回の稽古場見学で観たのです。


ということで僕は2回の稽古場見学で全体の80%程を観れたのではと思っています。


通し稽古が始まる前に見学者のところまで秦さんが挨拶に来てくれたのですが、その際に今日の内容から本番では30箇所くらいは変更になると思いますと仰ってました。

実際に秦さんやキャストさんのTwitterを見るとその後もガンガン変更、追加、削除が行われているようです。


僕が観た内容からどれ位変わっているのか。

この文章だけ読むと再演の舞台を観るみたいな感じですが、実際にはそれとは全く違う新たな感覚で舞台を観ることができます。


そしてまだ観ていないクライマックスシーンはどんなものなのか。

たまたま僕がそうだっただけかもしれないですが、この絶妙な寸止め感。


これは見学に行った人にしか味わえない感覚なんじゃないかと思いますし、このような機会を作っていただいた秦さんと秦組スタッフさんには本当に感謝したいと思います。


初日の幕が上がるのが本当に本当に楽しみです。