ヒッターとスインガーの力の違い | So-kunのブログ

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好きなゴルフと音楽のことについて色々と書いてます。
ゴルフは始めて5年くらい。大して上手くないのに、スイングについて語ったりします。
生あったかい目で見てやってください。

勢いでTGMの用語まとめとか書いてしまいましたが、書いていてイマイチ理解が足りないというか、モヤッとしている用語も結構あります。

そこで、自分の理解を深めるというつもりで、割と基本的というか、コアな部分からもう少し掘り下げてみようかと思います。

TGMを内容を理解する前には、前提としていくつかの理解すべき設定があります。
一番大きなのは、やはり「ヒッター」と「スインガー」という定義の違いです。

24あるTGMのコンポーネントも、いろいろと動きなどに差は見られますが、基本的にはどれが最も適切ということはありません。というか、そもそもTGMには「どれが最適」とか「どれを選択すべき」という”Do it”的なことは殆ど書いていません。

言い換えれば、ゴルファー本人が使えるならば、どれだって良いということです。
コンポーネントの組み合わせ次第では、かなり個性的に見えるスイングになることもありますが(実際に昔のプロにはそういう人が多かったですね)、システムとして整合性があるならば何の問題も無いということです。

ただし、「関連するコンポーネントのシステム的な連携を壊さないこと」が大前提で、それぞれに相性というものがあります。

これを判断する上で、一番分かりやすい分類が「ヒッター」と「スインガー」という括りです。

このコンポーネントはヒッター向けか?、スインガー向けか?というようなことはTGMの原書に細かく書いていると思うのでそれを見るしかないのですが、結局のところ、クラブに対する力の使い方によって適正が分かれると思います。

ヒッターはスラスト(ラディアス):Thrust(Radius) Acceleration

スインガーはロンジチューディナル:Longitudinal Acceleration

という力の使い方の差があるとされていて、それぞれの力の使い方によって、24のコンポーネントの選択も変わってくるということだと思います。

スラストはクラブシャフトと垂直方向に押す力で、自転車の車輪のスポークを押してタイヤを回転させるようなイメージです。(写真の上側。青い矢印)

一方、ロンジチューディナルとはクラブシャフトと平行、グリップエンド方向へ引っ張るような力のかけ方です。(写真の下側。赤い矢印)
写真の矢印の向きを見てもらうと分かりやすいですが、インパクト付近では上に引っ張り上げるような方向になっています。
インパクトで伸びあがるようにヘッドスピードを増す打ち方は、完全にスインガーの力の使い方だと思われます。

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これら2つの力は互いに垂直なベクトルであり、双方が交わることがありません。

ヒッターの力の使い方だと、コックをほどく方向に力をかけているため、やりすぎるとアーリーリリース(キャスティング)になることは容易に想像できます。
なので、ヒッターの場合、リリースは極限まで(自分の意識として)遅らせるイメージが必要になってきます。

一方、スインガーの場合、コックからリリースにかけては遠心力と重力によって自動発生的に行われるイメージですから、むしろリリースを意識的に管理しようとすれば上手くいかなくなる可能性が出てきます。(前回の2重振り子の原理と同じです)

こうして考えていくと、スインガーとヒッターの力の使い方は、水と油

「混ぜるな危険」

ということは何となく分かります。

ただ、絶対にNGかと言えば、そういう原理原則的なことではなく、「混ぜない方が望ましい」といったニュアンスのようでもあります。

TGMではパワーアキュムレーターの究極は4バレルスイングだと定義されていますが、どのようなスイングになるのかちょっとピンときません。

ベン・ホーガンは4バレルヒッターだということらしいですが、TGM的な観点で見ると彼のスイングはスインガーの要素がかなり多いので、一見スインガーのように見えます。

ただ、本人が右手で押している(右手が3本欲しい)と言っているようなので、力の使い方としてはヒッターの要素が強いのだと思います。

ホーガンのスイングにスインガーとヒッターの要素の究極的なヒントがありそうな気もしますが・・・まだよくわかりません。。。