今日は、原因の分からない全身倦怠感、疲労感で学校に行けなかった高校3年生の患者さんの治癒症例についてご報告したいと思います。
高校3年生ということで受験のストレスがいろいろとあったということですが、今年の4月頃から一日中続く全身倦怠感がひどくなり、
学校にも行けなくなってきたということでした。
朝起きた時にはあまりにも気分が不良で嘔気もあり、十分に食事も摂れていないということです。受験生が学校にいけないということはとても大きな問題です。
既往歴として、小さなころからアトピー性皮膚炎があります。

詳しくお話を伺っていて、「副腎疲労症候群」とそれに伴う「低血糖症(血糖調節障害)」が疑われました。もともとアトピー性皮膚炎があるということから腸内環境がバランスを崩して「腸管漏出症候群」「遅発型食事アレルギー」を合併している可能性が高いと考えられました。
そこで、確定診断のため「唾液中のコルチゾール
検査」を行いました。

患者様の検査結果

次に正常のコルチゾールの結果を示します。


この二つのデータを比較しても分かっていただけるように、この患者様の場合、朝の唾液中のコルチゾールの結果が低下しているのが分かります。これは、副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンの基礎分泌能力が低下していることを示します。
コルチゾールというのは、別名「ストレスホルモン」とも言われ、私たちがいろいろな心身のストレスを感じた時にそれに対応するために分泌されるホルモンです。
このホルモンの基礎分泌が低下するということは、慢性のストレスが長期にわたって続いた結果、副腎が疲労してしまったということを意味しています。
別の患者様ですが、さらに副腎の疲労が進行するとほとんどコルチゾールが分泌できない状態になります。


この患者様の場合、他にも必要であると思われる検査を行い腸管漏出症候群の合併が確認されました。
早急に症状を改善する目的でDHEAというコルチゾールの前駆物質の投与を行い、さらに腸内環境を整えるためにプロバイオティクスのサプリメントを開始しました。
直後から症状の改善が認められ学校にも行くことが出来喜んでいただけました。

「副腎疲労症候群」や「低血糖症」などの病態はまだまだ、西洋医学の分野では十分に認識されておらず、病院で通常の検査をしても診断することが困難です。ストレスになっている根本原因を取り除かないと慢性化してしまいます。しかし、きっちりと診断を付ければ治療が可能な病態なのです。

「副腎疲労症候群」や「低血糖症」について詳しくはこちらのブログ記事をご参照ください。
http://ameblo.jp/sna10826/entry-11539778292.html

http://ameblo.jp/sna10826/entry-11540932250.html