「仕事を辞めさせてください」
こう会社にハッキリと伝えて退職した。上司に何回か止められたり「オマエのレベルで雇ってくれる会社なんかないぞ、スキル身に付けてからやれ」と忠告されもしたけれど辞めた。
伝えた当初は
本当に辞める意味ってあるのかな?
お金大丈夫かな?
もう少しスキルを磨いてからでもいいんじゃないかな?
とか色々考えた。安易に言ってしまったかも知れない。取り消した方が良いんじゃないかって少し思った。誰かに相談した方が良いかとも考えたけれど、相談する意味もあまり感じられなくてしなかった。だって決断するのは自分なんだから。自分の人生、自分で決断するしかない。
色々転職について書かれたブログや情報も読んだ。けど、解決しなかった。スキルを身に付けた方が良いとか、安易な転職は危険だとしか書いてなくて、気持ち的なモヤモヤを解消することはできなかった。
そんな時、あのアップルを創業した「スティーブジョブズ」の名言集を読んだ。その中で一つ、目に留まった言葉があった。
毎朝鏡に向かって自分にこう問いかけよう。「明日が人生最後の日だとしても、今の仕事を続けられるか」。そう思わない日が続くようであれば、仕事を考え直した方が良いかも知れない。
Noだ。絶対にNoだ。直観的にそう思った。今やっている事はやりたい事じゃない。せっかく実家を飛び出してきたのに、なんで俺はやりたい事やってないんだろ?・・・当時やりたい事は分からなかったけど、少なくとも現在の仕事をやり続けるのはやめようと思った。結局退職願いは取り下げず、嫌な顔をする上司もいれば助言してくれた方もいて、色々な方の評価を受けながら退職した。
・・・転職活動を始める時、まず考えなければならなかった事が「やりたいことは何か」ということ。自己分析的な物は学生時代にやったけど、また考えることになった。
けど、自己分析みたいに「自分は何者なのか」的な分析はしなかった。とりあえず
「今自分がやってみたいと思うこと」
「そのやってみたい事をやる手段をどうするか」
「どうすれば早く実現できるか」
というのを軸に考える事にした。尚、これを考える際に「自分ができるかどうか」は一切考慮しない。自分のスキルを軸に考えてしまうと、結局今までやっていた仕事の延長線上になる。なので「やりたい事」という目的から大きくズレてしまう。
そもそも「やりたい事」というのは「できる事」とイコールじゃない。今までだって「できるからやる」のではなく「やってみたいからやる」というスタンスでやってきた。そうやって面白いゲームを見つけたり、新しい趣味を開拓してきたはずだ。
アクションゲームが得意だったからカービィを好きになった訳じゃないし、ラブライブだって何か気付いたらハマっていたのである。極論を言ってしまうと「やってみないと分かんねえ」という事である。
色々考えて、プログラミングを使った仕事を探すことにした。やってみたい事としてゲームを作ってみたいと思ったからだ。個人でも出来るけれど、プログラミングを仕事にすればお金を稼ぎつつ、技術を鍛えられる。個人でやるより早く実現できると思った。
こうして軸を整えて、俺は転職活動をはじめた。