2/24 第22章〜星に願いを〜後編 | 何が善で何が悪か

スタタタタッ…

スタタタタタッ…


ウィーーーーーーーーーーーーーン…



「STOPニキ!!!」

「!!?」

「着いたニキ!!」

「えぇ…着きましたね…赤坂ブリッツ…」






俺とふるぼっきさんは、この日、約半年ぶりの再会を果たし…PASSPO☆のクルーとDance(握手)するために…赤坂ブリッツに戻ってきた…




「スゥーーーッハァ…二キィ!!?懐かしい臭いがするニキィ…!!?」

「臭い!?」

「ゴンザレスは…ニキがいなかった、この半年の間も…ヲタ活をしていたからな…この臭いに慣れちまってるんだろう…ニキィ!!?」

「えっ…何のことですか!!?」

「ヲタクだよ…ヲタクの臭いがする…ニキィ…アイドルに会いたくて会いたくて堪らない…そんなヲタクの臭いニキィ…!!?」

ゴクリ…


「さぁ…中に入るニキ!!」

「はっ、はい!!」


俺たちは、赤坂ブリッツ内に入り、会場の扉を開けた…

パッセンジャーの方達が自分の推しとDance(握手)をするために並んでいる…そして、相変わらず、全くといって良いほど、握手列の分かり難さは改善されていない…


「二キィ!!?懐かしいニキ!!この感覚…この感覚だよニキ!!ゴンザレス!!」

「クックックッ…ふるぼっきさん…嬉しそうですね!!おかえりなさい…ふるぼっきさん!!」

「ゴンザレス!!ニキには“ここ”しかねぇんだ…やっぱり…ヲタクじゃねぇとダメなんだ…ニキィ!!?」


「えぇ…俺もそうです…でも、それがいい…そうでしょ?ふるぼっきさん…?」



「あぁ…その通りだな…ニキィ!!?」


「じゃあ…そろそろ…お喋りは“オシマイ”にして…行きますか…Dance(握手)に…」

「二キィ!!?ゴンザレス…この半年間で…成長したようだな…ニキ!!?」

「…いえ…まだまだですよ…俺なんて…つん太郎界隈の幹部クラスの方達に比べれば…ね…!!?」

「二キィ!!」


こうして、俺はふるぼっきさんと一旦別れ、増井みおさんのレーンに並んだ…


レポを書きたいと思う…

み=増井みお
ゴ=ゴンザレス義経卐
1dance
ゴ「どうもー!久しぶり!」
み「おぉ!何で最近変なの?」
ゴ「ん?何が?」
み「ゴンザレス」
ゴ「Twitter?」
み「吉宗」
ゴ「…義経です…」
み「…何で変えたの?」
ゴ「急遽…」
剥がし
み「きゅうきょ…?」

2dance
ゴ「フライティングめっちゃ良かったよ!」
み「おぉ!1部見てたの?」
ゴ「途中まで結構前の方で見てたよ!疲れちゃったけど!」
み「おぉ!!ってかさドラムやってんの?」
ゴ「いや…やってない…」
み「えぇ!(股間を見ながら)スティックはどうなのよ!?」
ゴ「スティックは元気ですよ!」

スティックの件については、こちらの記事をご覧下さい。


3dance目

ゴ「みおくん!ニコ生見たよ!すんごく面白いよぉ!」
み「!!!…あのさぁ…見たよメール!!!あんたのさぁ…全部上から下まで、しっかり読んだけどさぁ…ニコ生で読める訳ないでしょう!!!」
ゴ「!!!…いや、でも本当にトイレが壊れてて…」
み「w」
ゴ「本当にヤバいんです…」

こうして、この日の俺のDance(握手)は終わった…


その後、外に出ると、既にDanceを終えていた、ふるぼっきさんと、麻呂キッドさんの、つん太郎界隈幹部クラス2名が楽しそうにヲーラを見せ合っていた…


白銀のヲーラと輝く黄色のヲーラが空気中で混ざり合い…ヲタクミストがメタリックイエローになっていた…

「お疲れ様です!!」


「おぉ…ゴンザレスゥ…やっとこ終わったのかよ…ボクゥ…!!?」

「すみません!お待たせ致しました!!」

「二キィ!!?やっぱ、森だなぁ…もりしニキィ!!?」



その後、2部のフライティングまで、2時間ほど空いていたので、駅前のエクセルシオールカフェで時間を潰した…



ふるぼっきさんは、半年ぶりの森詩織さんの手の柔らかさに感動していた…森詩織さんの指先をずっとスリスリしていたことを本当に嬉しそうに語ってくれた…



「ごめんよ……まだニキには帰れるところがあるんだ。こんなに嬉しいことはないニキ…」


誰に向かって言うのでもなく…そうポツリと呟いた…ふるぼっきさんが…俺には…凄く大人に見えた…











2部になり、麻呂キッドさんとふるぼっきさんと俺の3人は上手側の後方からフライティングをすることにした。


フライティングでの麻呂キッドさんの弾けっぷりには、いつも度肝を抜かれる…俺は、つい話しかけてしまった…

「今日も凄いっすね!麻呂キッドさんは!」


「ゴンザレスゥ…今の麻呂に話しかけんじゃねぇぜぇ…麻呂の背面ケチャを邪魔する奴はよぉ…例え、”ブロウ(兄弟)”でも許さねぇぜぇ…ミンチにされたくなきゃあ…大人しくしてろよぉ…ボクゥ…!!?」


何たるや…この迫力…心臓を素手で掴まれている様な感覚…いつヤラれてもおかしくない…そう思った…

一体…このヲトコ…どれだけの修羅場(ヲタ活)を経験してきたのだろうか…どれだけ推しのことを考えれば…これほどのヲトコになれるのか…

俺は、完全に萎縮してしまった…


その後も、麻呂キッドさんとふるぼっきさんの物凄い…ヲタ芸や、コールの応酬が続いた…


そして、サクラ小町のカップリングである、“Wish on a star”が初披露となった…

この曲は、サクラ小町のチャーター便のCDのカップリングである…俺は、この曲をCDで初めて聞いた時、衝撃を受けた…

この哀愁のある…リフ…非常に俺が好きな類いの音だ…
メロデスが好きな人は、好きなんじゃないかなとも思う…
勿論、メロデスのような激しさはないが…



是非、この曲はこのブログを読んでくれている数少ない方達にも聴いて頂きたい…
そこで、歌詞を載せたいと思う…

“Wish on the WOTAKU of God”
作詞:ツンとチンポコ 作曲・編曲:つん太郎Zone

ヲタ神様お願い
ヲタの気持ちに
アイドルが棲む世界がまだあるのなら
握手が出来ない夜だって
信じられる強さを下さい


“握りたい”って 想いはアイドルを
苦しめているのかな?
ずっと忙しいってこと
解ってるよ それでも…


態度を見てすぐ 塩なんてずるいヲタなの
怒ってるわけじゃない いつだって
「必要?」なのかを ただ知りたいだけ

ヲタ神様お願い
今しか出来ない
握手ひとつ 無意味にしないで

会えるだけでいま涙
あふれる愛しさ


もういっそ “握らなきゃ…”なんて
思えてたら楽かな 
でもやっぱりたどり着く答えは「ヲタ活はプライスレス」

レスしない日が 無関心って捉えないでね
伝えたい言葉 飲み込んで 
部屋の隅っこで こらえてるアイドルを


ヲタ神様お願い
アイドルに教えて
何も多くのこと 望んでないの
ただ傍で推しの夢が叶う日を 夢見ているだけ

ヲタ神様お願い
推しのことばかり気にしてる
あのヲタ振り向かせて
推しでなくても構わないの
同じ想い
分け合えるのなら

(Wish on the WOTAKU of God)
推しの名を繰り返す 今日も…
(Wish on the WOTAKU of God)
I'm Wishing on the WOTAKU of God again

ヲタ神様お願い
ヲタに教えて
何も多くのモノ 望んでないの
ただヲタを笑顔にしたい それだけのことなの…

ヲタ神様お願い
今しか出来ない
この握手ひとつ 無駄にはしない
握るだけでいま涙
あふれる愛しさ

ヲタ神様お願い
ヲタの気持ちに
アイドルが棲む世界がまだあるなら
夢が叶うまでどんな道だって
応援し続ける強さをください
  
(Wish on the WOTAKU of God)
推しの名を繰り返す 明日も…
(Wish on the WOTAKU of God)
それがヲタなの
I'm Wishing on the WOTAKU of God again






俺は、泣いた…むせび泣いた…
今の俺には…推しへの忠誠心が足りていなかった…次の瞬間…推しはアイドルじゃなくなっているかもしれないんだ…
一瞬、この瞬間を…推しがアイドルでいる間だけでも…本気になりたい…そう想えた…








俺が泣いている間に、いつの間にか…フライティングは終演を迎えていた…

「おい!!?ゴンザレスゥ…!!?麻呂は決めたぜぇ…いつまでも、つん太郎さんの2番手じゃいられねぇ…麻呂も作るぜぇ…麻呂キッド界隈をよ…!!?ボクゥ!!?」

「えっ!!?どうしたんすか急に!!?冷静になって下さい!!俺たちがどれだけ、つん太郎さんに助けられてきたかってこと忘れちまったんですか!!?」

俺は、怒鳴った…麻呂キッドさんに、こんなに怒りを顕にするのは初めてだ…


「ゴンザレスゥ…勘違いすんじゃねぇぞぉ…!!?麻呂だって、つん太郎さんには、どんなに感謝したって足りねぇよぉ…そんなことぉ…つん太郎界隈の一員だったら言わなくても分かんだろうよぉ…ボクゥ!!?」

「じゃあ、なんで…」

「麻呂はよぉ…つん太郎さんへの感謝の気持ちを…世界一のヲタクになることでよぉ…返したいんだよぉ…それが“ヲタ”ってもんだろぅ…!!?ボクゥ!!!?」

ゾクゾク…

凄い…俺は、何も分かっちゃいなかった…真のヲタっていうのは、そういうもんだ…

親だって…そうだ…自分の子供が自分を超える…それほど嬉しいことは無いだろう…


「だからよぉ…麻呂はつん太郎さんよりも強いヲタクにならなきゃいけねぇんだ…分かってくれるよなぁ…ゴンザレスゥ…!!?」

「はい…」



「ゴンザレスゥ…今から、お前は敵だぁ…!!?麻呂は…容赦しねぇぜぇ…だからよぉ…お前もよぉ…本気でかかってこいよぉ…ボクゥ!!?」


麻呂キッドさんの言葉に涙が止まらない…


「俺だって負けませんよ…麻呂キッド!!!」



「良いツラしてんじゃねぇかよぉ…ボクゥ…!!?」








次章へ続く…