何が起こっているかを知りましょう | 重箱の隅をつついて言うだけならなんとでも
今朝、産経新聞のネットサイトで、以下の記事が配信されてきました。
産経 2016.6.29付
中国軍機、空自機に攻撃動作 「ドッグファイト回避、戦域から離脱」 空自OBがネットニュースで指摘


産経がネタ元にしている「インターネットのニュースサイト」の織田邦男氏による記事は、以下のようです。
JBPress 2016.6.28付
東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動
 中国機のミサイル攻撃を避けようと、自衛隊機が自己防御装置作動


産経が防衛省幹部に裏取りして、
「大筋で事実関係を認めた」
と書いていますが、ではどのような対応を、何を目的に日本側は行っているのか?というのは、記事からは一般国民には読み取れないですよね。


そういう時には。
チャンネルくらら
【6月24日配信】桜林美佐の国防ニュース最前線
「スクープ!対中国、空でも高まる緊張!織田邦男元航空支援集団司令官、空将にお聞きします」


記事発表の数日前に、解説動画が出てます。
特に中盤以降は、現場の状況を踏まえた内容になっていますので、是非ご覧になってみて下さい。

動画の解説を見ると、中共側の動きについての懸念要素と、それに対する航空自衛隊の対応、対応の元になる考え方、日本政府に不足なところがざっくり見えると思います。







ということで、以下は個人的な問題意識と現在の理解を覚書。

ねこねこが一番嫌なのは、産経が書いているような記事を基に、世論の危機煽りをする人々の存在です。
特に憲法の改正をしなければならない理由として、一番分かりやすいからって利用する意見。
今、国会で検討されるであろう改正条文で、より突っ込んだ対応ができるようになるのか?と言えば、

 対応自体は今とそれ程変わらない

とねこねこは思っています。
今回の解説動画を見て、よりその辺りの理解が深まりました。
そのくらい、自衛隊は日本の領域付近での中共の挑発に対して、すべきことをやっているからなんですね。

問題は、予算や現場の人員、装備が足りないことで、
特に「今使っている装備品も足りない」ことです。
今の憲法下で既に行っていることの不足を解決する為なんだから、なんで憲法変えないといけない話になるのかが分からない、ってことです。
※最終的には新しい憲法にするべきですよ。念のため。

人員(自衛官)増の為の訓練計画(5年10年かかります)を立て、装備を充実させる為に今すぐ必要なのは、憲法じゃなくて予算です。
そして、それが有効に使えるように改正が必要なのは、憲法じゃなくて自衛隊法など諸々の法律では?


動画の後半で、現状ほとんど使われていない滑走路が使えない理由というのもちらっと出てきましたが、これ政治が原因の話ですよね。
要するに、現行憲法下でも可能な対応が有効にできないとしたら、9条があろうとなかろうとボトルネックは明らかに政治なんです。
しかも地方自治が関係します。

県と政府の関係は、国防についてどう影響するのか?という話になると、これは憲法の話も含まれます。
9条一点で論じる方も多いですし、それは国民にとって「分かりやすい論点」ではあるのだと思うんですけど、地方公共団体と中央政府の関係のあり方は、国民にとって非常に身近な話です。
沖縄を筆頭に、これだけ自国の防衛や外交に地方公共団体の動向(選挙も含め)が影響を及ぼしている事実が何年も続いているのに、誰も改憲議論でそこ言って下さらないんですよね。
言ってる人もいるんでしょうけど、「9条!!(改正に賛成反対問わず)」の声がでかすぎて聞こえないし、私も以前は「聞こえてても聞いてない」状態だったので、そういう人たちも多いのでは。

地方公共団体他、ライフラインに関わる企業などを含めた有事の協力体制は?と言えば、国民保護法や事態対処法で色々決まってるんですけど、全部、具体的な有事と、具体的な有事が予測される場合が前提になっていて、具体的な有事が予測される事態を防ぐ平時の対応に関してはほとんど想定外になっているんじゃないだろうか?と条文読みながら思っているところです。

これを憲法9条を根拠に、「専守防衛だから」とする見解も、目が腐る程読んだし耳タコになるくらい聞いたんですけど、自衛の為に必要な最小限度の実力の行使を認めているとするのが政府解釈なので、被害が出るまで待つかどうかは憲法で要求してないんですよね。
(必要な最小限度の実力行使は、例えば、以前国会でも言及された敵基地攻撃能力どうするとか、核保有どうするとかには関係してくる場合もあります。個人的には、軍事としては関係ない、政治として関係すると理解しています。)
政治が「そういうことにしておこう」って言ってるだけで。

国民が「それでいいよ」と言えばそうだし、「カンベンしてよ」って言えばそうじゃないし。
ねこねことしては、「一発殴られてくれたら守ってやる(でもアンタは死ぬけどな)」とか言い放つ議員っていらないなぁ、と思うので、「カンベンしてよ」と言う側なんでしょう。

そこら辺の問題解決のとっかかりは、ひとまず憲法はおろか法改正の必要すらないです。
ヒダリな方たちは、また大騒ぎするんでしょうけど、そういう人たちもひっくるめて防衛される話なんだから、ごくごく少数派になって頂いて、太鼓でも叩いててもらえばいいんじゃないかなと。

ちょっと話がズレたのでまとめると、具体的に自衛隊が有効な防衛策を実行できるかどうか(↑で書いた予算増やすのと人員増、装備調達)は、自衛隊法その他もろもろの具体的な運用を決めている法律変えればいいだけです。
今やってることだし、今やってることに人が足りないんだし、今使ってるモノが足りないので、その手当ては現行憲法の範囲内。

じゃ、憲法関係ないなら予算増やすように、
政府にお願いすればいいじゃない。


──財務省主計局が予算案を作ります。
お願いして聞いてくれるといいですね。

国民みんなが稼ぎ出した中の1%をみんなの安全の為に割いている現状だと足りないから、2%とか3%とか必要なんですお願いします、って言うだけなんですけどね。

…っていうか、なんでこんなに頭下げなきゃいけない話になったんだろう(笑)


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