愛媛県今治市と徳島県徳島市へ行ってきたのですが、今回は今治市でのお話を書きます。
今治市は今や地域ブランドとして確固たる地位を築き上げた『今治タオル』が有名です。この今治タオルを訪ねてきました。
当店は今治タオルとして「kontex(コンテックス)」という会社さんと取引しています。このコンテックスさんの工場見学をして来ました。
まずは、
※直営店「コンテックスタオルガーデン」
![コンテックス1](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/85/33/j/t02200165_0800060012997040734.jpg?caw=800)
今治タオルを作る各メーカーさんの中でも直営店を設けてタオルを販売されているのは珍しく、これが出来るのはコンテックスさんが自社ブランドとしてタオルを企画製造されているから。多くのメーカーさんはOEMの形式で委託を受けて製造しているのです。
中では喫茶店もあり、お買い物をしながらお茶も飲めます。
一般のお客様がいらっしゃったのと、時間もギリギリだったので残念ながら中の様子は撮影していませんが、売場作りの良い参考になりました。
それでは工場の中を見てみましょう。
※のり付けの工程
![コンテックス4](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/6b/db/j/t02200165_0800060012997040735.jpg?caw=800)
今治タオルの特徴でもありますが、糸の状態で晒しを行い、のりを付けます。晒しとは簡単に言えば洗浄です。洗って綿糸の油脂分などを取り除き、吸水性を上げる工程と考えて下さい。のりを付けるのは、ここから生地にする過程で糸が切れやすくなってしまうからです。織り上げた後に洗ってのりは落とします。
※整経の工程
![コンテックス5](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/5c/dd/j/t02200165_0800060012997040733.jpg?caw=800)
タオルは経(たて)糸と横(よこ)糸、そしてパイル糸で構成されます。経糸と横糸で出来た生地にパイル糸を植え付ける様なイメージと言って分かりますかね。タオルの肌に触れる部分はパイル糸です。整経の工程では経糸とパイル糸を作ります。
のり付けした糸をトイレットペーパーの芯みたいな筒に巻き付けます。これはボビンと呼ばれます。ミシンを使える方はご存知でしょう。このボビンが何百個と用意され、上の写真の様に設置、これを奥のドラムという巨大なボビンにまとめて巻き付けていきます。この工程が整経(せいけい)です。
![コンテックス6](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/d9/7f/j/t02200165_0800060012997042773.jpg?caw=800)
この時の糸の張り(テンション)を均一に調整しながら巻き取る作業は人間が行います。この他の工程もそうですが、タオル製造は完全な機械化ではなく随所に人間の技術が込められています。
※織りつけ工程
![コンテックス8](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/52/c8/j/t02200165_0800060012997042771.jpg?caw=800)
この工程で3つの糸を織りなしタオルを作ります。写真の上から伸びているのがパイル糸、下側から伸びているのが経糸になります。
![コンテックス12](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/8a/ed/j/t02200165_0800060012997044617.jpg?caw=800)
この写真は先ほどの織機を反対側から撮ったものです。写真中央部の緑とオレンジのラインが分かるでしょうかね。この下あたりで横糸が左右に行ったり来たりしています。
![コンテックス11](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/0e/8a/j/t02200165_0800060012997044615.jpg?caw=800)
織られたタオルはバームクーヘンの様に巻かれていきます。ちょうど織られていたのは当店だけでなく全国的にも人気の高い「ガーゼチェック」という種類。現在も当店では一部の色が欠品中なんです。
※検品と切断
![コンテックス13](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/1e/63/j/t02200165_0800060012997044616.jpg?caw=800)
出来上がった生地は人の目で検品されて、機械で必要なサイズに切断されます。
以上。
大雑把にですが、コンテックスさんの中での製造工程はこの様な感じです。商品によってはこの後に染色の工程で別工場へ移ります。
ちなみに、今見てきたのは最新設備を備えた新工場となります。
実は、コンテックスさんでは一昔前のシャットル織機も現役で稼働しています。こちらの織機の方がより柔らかく風合いの良いタオルが織れますが、どうしてもスピードに乏しいため生産効率が落ちてしまいます。現在、この織機でタオルを作っているのは、今治タオルを作る工場全体で見た時には、ほとんどありません。
以下の写真がシャットル織機のある旧工場です。
![コンテックス2](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/76/5a/j/t02200165_0800060012997040731.jpg?caw=800)
![コンテックス15](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/25/69/j/t02200165_0800060012997044619.jpg?caw=800)
![コンテックス14](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/89/35/j/t02200165_0800060012997048128.jpg?caw=800)
![コンテックス16](https://stat.ameba.jp/user_images/20140708/15/sleepdesigner/ee/a2/j/t02200165_0800060012997048129.jpg?caw=800)
商品によって新工場で作るか、旧工場で作るか変えるそうです。
旧工場の方が“味”がありました(笑)
さて、ありきたりな感想ですけど、今回、今治まで行って生産の現場を見て来れて本当に良かったです。どこの誰かも知らない人が、こんなに手間暇掛けて作ってくれているモノを粗末に扱ってはいけない気持ちになりましたね。
工場で働かれている方を実際に写真で撮れたら良かったなって、このブログを書いてて思いましたが…、でも嫌ですよね。真剣に働いている所を変な若造に写真撮られたら。私が工場の働き側だったら嫌だし。今度、担当の方に会社として撮ってもらえないかそれとなく頼んでみようかな。
生産者と消費者をつなぐ販売者として、今回はタオルですけど、そのモノの裏側に隠れたストーリーまで感じてもらえる工夫をしないといけないなって。これからの販売者にはそこまで求められている気がします。先を行くのが食品スーパーか…。
さて、今治では「テクスポート今治」という『今治タオル』という地域ブランドを統括する事務局にも行って来ました。今治地域のタオル産業の歴史館みたいな感じです。ショッピングも出来ます。
そこの事務局が発行する「タオルソムリエ」という資格があるんですね。特に資格を受ける気は無いですが、良い資料になるのでテキストを買ってきました。
![ソムリエテキスト1](https://stat.ameba.jp/user_images/20140711/17/sleepdesigner/db/c7/j/t02200293_0600080013000005641.jpg?caw=800)
![ソムリエテキスト2](https://stat.ameba.jp/user_images/20140711/17/sleepdesigner/d2/de/j/t02200293_0600080013000005642.jpg?caw=800)
このブログを書きながらもチラチラ読んでましたが、これからしっかり熟読したいと思います。
今回、取り上げた会社・施設について、もっと知りたい方は下記をご覧ください。
●コンテックス株式会社 公式Webサイト
⇒ http://kontex.jp/
●テクスポート今治 公式Webサイト
⇒ http://www.imabari-texport.com/
さてと、今治タオルのお話は以上。
次回は「徳島日本睡眠学会編」です。
by sleepdesigner:圭
◆ウメナ寝具のWebサイト ⇒ 〔http://www.umena.biz〕