◆ 2000年頃から、子供たちの睡眠事情が、危機的状況にあるということが言われていました。

  40~50年前以降から、コンビニ、ファミレス、ネットの普及などによる、眠らない24時間社会という社会環境に激変しました。 我々は利便性という便利な面ばかりを享受してきましたが、その裏には、弊害というものもあります。 その影響を1番うけているのが、「 睡眠 」というテーマです。

     8月1日、厚生労働省研究班の調査で、携帯電話やパソコンに没頭する「インターネット依存」の中高生が全国で推計518千人にも上る、という数字がでました。


  調査対象は昨年10月~今年3月、全国の中学校140校と高校124校の約14万人に実施。中高生のネット依存に関する全国規模の調査は今回が初めてで、ネット依存が強く疑われる「病的な使用」と認定されたのは8.1%に上った、とのこと。 今回の調査は中高生に向けたものでした。

  寝床に入っても、モバイル機器で、なかなか寝ないで、翌朝、寝不足状態で、朝食も食べずに登校する生徒たちが増えているようです。 この慢性寝不足状態が、子供たちの発育にとって、どれだけの健康損失になるでしょうか? 

 今、子供たちの健やかな発育のためのしつけとして、眠育の重要性について考えなければいけない時期にあります。

 

  ◆    「 寝る子は育つ 」 という昔からの言葉があります。 まさに、この言葉に集約されています。  

発育期の子供たちにとっての睡眠は、脳の休息という役割以上に、健やかに心身を育てるという役割があります。

 先進国の中でも、日本の子供たちの睡眠時間が、ダントツで、短いです。 子供たち自身も、「 今、したいことは? 」 という調査の回答のほとんどが、「 眠りたい 」といった、睡眠不足に関係するものでした。

 

    発育期の子供たちの睡眠というのは・・・・

 

1.  ノンレム睡眠の深い眠りが多く、 その時に、成長ホルモンが大量に分泌されます。それにより、体や脳の発育が進みます。 現状は、その成長ホルモンの分泌も、自らの睡眠時間短縮により、大なり小なり、分泌量抑制という影響をうけていると考えられます。

 

2.   レム睡眠のときに、記憶の整理や定着という作業をするので、学習成績にも大きく影響します。

 

3.   最近の研究知見で、 「 眠らない子供は、肥る 」 ということがわかっています。 裏返して言うと、こどものメタボが増えています。 メタボが抱えるリスクは、成人と同じです。 健やかな発育以前に、メタボ状態が先行することは、本末転倒です。

 

4.   睡眠不足により、 「 キレやすい性格形成 」などの精神発達にも影響します。

  こどもの睡眠の主な役割をあげましたが・・・、

 一番危惧することは、 今までの睡眠状況の弊害として、これからの将来に渡って、どのような形で、心身の発育阻害として、現れるのか? ということです。

  ◆   
これは、我々にも言えることなのですが、 私たちは、学校教育で、睡眠教育を受けていません。 知らなくて当然なのです。 しかし、 24「時間社会という取り巻く社会環境が激変した中で、

   「 眠るのは当たり前 」 時代から、 「 自分の眠りを守る 」 時代に、我々の意識も変えなければいけません。

 この
24時間社会と、健康的に過ごしていくために、 「 睡眠知識は、自己防衛策 」とも言えます。

 

 「 不眠大国日本を、豊眠大国日本に変えていく 」 ために、 簡単なことではありませんが、小さな一歩として踏み出さなければなりません。

 

「 睡眠健康指導士 上級者 」 として、講演、セミナー、ワークショップなどを通して、睡眠知識を伝えている者の、ミッション(使命)と心に命じています。