アジア・パーティーライン(5) | 交心空間

交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

  SE 歌が終わる。
DJ「はい、そういうわけで一時はどうなるかと思いましたが、結局3番のタ
 ッちゃんがラインから降りちゃいました……タッちゃん、まだ聞いてるかァ。
 はぶてるなよ……ということで3番が入れ替わります。もしもし、3番の方
 ……」
ブン「(通話)ブンちゃんだよーん。インプットしてあるかなァ」
DJ「ハーイ、覚えてるよ……ここんとこ毎週の電話だね」
ブン「(通話)中毒してるかな? 先週のテーマは初恋でノリノリじゃったけ
 ど、でも今週は、ブンちゃん、チョビしんどいな。途中でおっこったら、ゴ
 メン印ね」
DJ「えー、淋しいこと言うなよォ」
ブン「(通話)きみパパ、わがまま言わないの。チュしたげるから……ンー、
 チュ!」
DJ「オ、ホホホホ……サンキュー」
ミリ「(通話)負けるなァ、やっぱ女子高生には」
ブン「ア、ミリねえ、元気印してるー?」
ミリ「(通話)お墓よ、お墓」
ブン「(通話)ア、それ解るゥ。ボチボチってことでしょう」
ミリ「(通話)ヘヘヘ……」
DJ「ところで5番の方、アパートのアジア人に、言いたいことがあるみたい
 ですね」
綾子「(通話)そうよ。あいつらときたら、こっちが女だと思って」
ブン「(通話)チョビタンマ!」
DJ「はい?」
ブン「(通話)アイアムが思うに、その人のダベリより、オバチャマの方がイ
 ケルよ。ピピッときたもん」
綾子「(通話)何、この子」
社長「(通話)お手上げですのォ、若い子には」
DJ「ブンちゃん、どういうことかな?」 
ブン「(通話)ラジオ、ずっとヒアリングしとったんじゃけど、オバチャマ、
 誰かサーチしとるみたいじゃったよ」
ミリ「(通話)そう言えば、中国人が何だかんだって」
DJ「そうなんですか? オバチャン」
昌枝「(通話)はい。中国から来られた、留学生の方を探しとります」
社長「(通話)そりゃァ聞き逃しとりましたわい」
綾子「(通話)自慢話ばかりしてるからよ」
社長「(通話)あんたじゃけえ言うて」
綾子「(通話)アタシのは切実な問題なの」
ブン「(通話)キャー!(と悲鳴)」
綾子「(通話)何!?」
ミリ「(通話)なーにィ?」
社長「(通話)どうかしましたか?」
昌枝「(通話)大丈夫ですか?」
DJ「もしもし? ブンちゃん?」
ブン「(通話)ヘヘー……みんな注目した」
DJ「ブンちゃん……そりゃないよ」
ブン「(通話)ゴメン印だすから。ね、ヘルプしてあげよ。みんなで探偵しよ
 ーよ。その方がブチオモだって……ね!」
ミリ「(通話)そうね。面白そう」
社長「(通話)探してみますか、みんなで」
DJ「そうですね。5番の人、ちょっとだけいいですか?」
綾子「(通話)手っ取り早くしてよね」
昌枝「(通話)すいませんね。割り込んじゃいまして」
DJ「じゃその中国人のこと、オバチャン、もう少し詳しく話してもらえます
 か?」


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