天開山大谷寺
おおやじ
■天台宗
■御本尊:石造千手観音菩薩立像
■栃木県宇都宮市大谷町1198
■札所:坂東三十三ヵ所第19番

大谷寺は「大谷石」と呼ばれる凝灰岩の洞穴内に堂宇がある洞窟寺院で、御本尊は岩壁に彫られた約4.5mの千手観音像(国特別史跡・重文)です。

寺伝では810年に空海が千手観音を刻んで開創したとされていますが、平安時代中期に磨崖仏が造立され、鎌倉時代初期には幕府により坂東三十三ヵ所のひとつに定められています。

当地の有力御家人だった宇都宮氏の庇護下で隆盛しましたが、秀吉が宇都宮氏を改易して一時衰退します。その後天海の弟子の伝海が宇都宮藩主・奥平忠昌の援助を得て堂宇を再建しました。

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JR宇都宮駅からバスに30分ほど乗って「大谷観音前」で下車します。正面の山門ですが、背後に大谷石の壁面が見えます。ちょうどこの下に磨崖仏があります。



だんだん壁面が生々しく露出してきます。



拝観料を払って入ると、壁面に取り込まれるようにして建っている本堂が見えてきます。



本堂右横の入口から中に入ります。ここから先は残念ながら撮影禁止です。中には千手観音、釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊などの4組10体の石心塑像が4区に分かれて凝灰岩の壁面に彫り出されています。



※資料から引用

御本尊の千手観音立像は42臂を有し、凝灰岩で概形を彫り出してから細部は塑土で造形されています。平安時代中期から鎌倉時代にかけての制作と推定され、造立当時は金箔と彩色が施された煌びやかな像であったと推定されています。



境内にあった祠で、周りは豪快な洞穴になっていました。



受付で坂東三十三ヵ所の「千手大悲殿」の御朱印を頂きました。


#大谷寺御朱印(坂東三十三ヵ所)

門前から歩いてすぐの場所に大谷平和観音があります。太平洋戦争の戦死者を弔うため、昭和23年から6年かけて大谷石の採石場跡の凝灰岩層壁面に総手彫りで彫られ、高さは26.93mあります。なお大谷寺との直接的な関係はありません。



そこから大谷資料館に向かいましたが、途中に鳥居も祠も大谷石づくしの神社がありました。





川沿いの崖も独特の景観です。