セルフィッシュ・サマー

PRINCE AVALANCHE
監督：デヴィッド・ゴードン・グリーン
音楽：エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ、デヴィッド・ウィンゴ
出演：ポール・ラッド、エミール・ハーシュ、ランス・ルゴール、ジョイス・ペイン
２０１３年　アメリカ映画

登場人物が４人しか出てこない、ドラマティックな展開も無い、地味～な劇場未公開作。
一応、WOWOWでも放映され、国内版DVDも出たので、邦題がついてます。
人里離れた森林で大規模な山火事が発生し、主人公の２人はひたすら火事で焼けた道路の補修作業を続けていく・・・というそれだけのお話。
淡々とストーリーが展開する、名実ともに（笑）ロードムービーです。
恐ろしく淡々とお話が続くもんだから、ベルリン国際映画賞で銀熊賞を受賞したのに日本では劇場未公開。
主人公の２人は、性格が正反対なもんだからよく衝突するのですが、お互いの身に降りかかってきたことを少しずつ話し合ううちに心を通わせていきます。
ユルユルな映画なんですが、なんだかほっこりとさせてくれます。
個人的にはかなり好みな作品。
それにしても、アメリカ映画でこの手のスタイルはほんと珍しい。
と思ったら、アイスランド映画「Either Way」のリメイクなんだそうです。
こっちの方は未見ですが、オリジナルもユルユルなんでしょうね。

音楽は、エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイとデヴィッド・ウィンゴ。
エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイといえば、ポストロック系のインスト・ギター・バンドで、「ローン・サバイバー」でのスティーヴ・ジャブロンスキーとのコラボが有名。
本作では、アコギにピアノ、時々アナログシンセ音というポストロックの定番ともいえるインストを提供していますが、同系列のバンド「モグワイ」あたりと比べると幾分ポップかな。
ギターのアルペジオが美しい。
ロックオヤジのためのヒーリングミュージックという趣のサントラで、映像がなくてもアルバムとして十分通用します。
轟音エレキが炸裂するエモーショナルなプレイは極力押さえてありますが、ポストロック好きならハマる人もいるはず。
こういう下手くそと紙一重（失礼）の音をサントラとして使う映画って、素敵だなあ。
エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ、最近サントラの仕事が増えてきているみたいですが、こういう感性のインストをスコアとしてもどんどん使ってもらいたいと、個人的には思ってます。
サントラのジャケもなかなか素敵でオシャレです。
私事で恐縮ですが、最近何かと忙しく、まともに音楽を聴く時間がありません。こういうのをかけながら部屋でまったりできるのはいつの日になることやら。

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