JOE KIDD
監督:ジョン・スタージェス
音楽:ラロ・シフリン
出演:クリント・イーストウッド、ロバート・デュヴァル、ジョン・サクソン、ドン・ストラウド、ステラ・ガルシア、ジェームズ・ウェインライト
1972年 アメリカ映画


昨日に続いてラロ・シフリンがらみの1本。
クリント・イーストウッドが名匠ジョン・スタージェスと監督と組んだウェスタン。
シンプルなストーリーで、意外とコンパクトにまとまった作品です。
ストーリーは、西部の町シノーラを舞台に、土地の所有を巡って対立するメキシコ人武装グループと大地主たちに流れ者のジョー・キッドがからむという内容で、メキシコ人グループを捕えるため、大地主にジョー・キッドが道案内として雇われますが、
メキシコ人のボスを捕えるためなら手段を選ばぬ大地主の横暴に、ジョー・キッドは大地主との対決を決意する・・・・みたいなお話。
ちょっと荒唐無稽というか、ありゃりゃ?と思えるシーンが後半に何か所か出てきますが、
大味なマルパソカンパニー作品なので大目に見てやりましょう。
この映画、銃には結構凝っていて、「殺しが静かにやってくる」でも登場したモーゼルが出てきます。
しかも、本作ではモーゼルのマガジンハウスに弾倉を装着するシーンや、ストック付きで撃つシーンが出てきます。
ストック付けてカービンのようにして撃つモーゼルは一見おもちゃのように見えるので、
バタバタと相手が倒れるのには何となく違和感を覚えますが、
この拳銃、自動式で口径の割に威力が高いので、こんなシーンもありかなと思います。
さらには、メキシコ人狩りに使うライフルの組み立てシーンや、
狙撃シーンなどは当時の映画としてはかなりのリアリティがありました。
時折ハッとするような景色を映し出す撮影担当は、イーストウッド作品の常連、ブルース・サーティス。
「荒野のストレンジャー」もこの人が撮っているので、どことなく似たような雰囲気が出ています。




音楽は、ラロ・シフリン。
70年代シフリンはやはり一番脂が乗り切っている時期なので、何を聴いてもハズレがない。
本作もスコア単独として聴くと、かなりの力作。
ところが、シフリンのウェスタンというと、意外にも本作と「マスター・ガンファイター」の2本くらい。
アクション映画やスパイ映画のスコアのエッセンスをウェスタンに持ち込んでるので、
「マスター・ガンファイター」の時にも感じたのですが、実はあまり画面に合ってない。
たまにスコアだけ浮いちゃってる時がある。
でも、サントラ単独で聴く分には素晴らしい出来という不思議な作品。
オープニングは、哀愁を帯びたテーマでちょっぴりマカロニ風。
トミー・テデスコ?のギターがモロそんな感じ。
劇伴の中には、シフリン節ともいえる他の作品をイメージさせるフレーズや楽器が登場。
「ダーティ・ハリー」や「戦略大作戦」、「燃えよドラゴン」の劇伴を彷彿とさせるフレーズ
ちょこちょこと出てきて、ファンとしてはうれしい作りになっています。
70年代シフリンの定番アクションスコアも出てくるので、この頃のシフリンが好きな人はさらに楽しめるはず。
サントラは、公開当時には発売されず、つい最近になって米Intradaレーベルから例のSpecial Collectionシリーズの1枚として発売されました。
本編未使用曲も含めて、18曲43分の収録です。
ステレオ音源で音質も良好です。


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