ファンボーイズ

FANBOYS
監督：カイル・ニューマン
音楽：マーク・マザースボウ
出演：サム・ハンティントン、クリストファー・マークエット、ダン・フォグラー、ジェイ・バルシェル、クリステン・ベル、デヴィッド・デンマン、クリス・マクドナルド、セス・ローゲン、ダニー・トレホ、イーサン・サプリー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ウィリアム・シャトナー、キャリー・フィッシャー、レイ・パーク、ケヴィン・スミス、ダニー・マクブライド
２００８年　アメリカ映画

「スター・ウォーズ」オタクの連中が、ガンで余名数ヶ月と診断された仲間のために、
公開前の「エピソード１」を盗み出そうと、ルーカス・フィルムの本拠地へ珍道中を繰り広げるというコメディ映画。
スター・ウォーズの熱狂的なマニアには、かなり楽しめるコアなネタが満載なんだと思うのですが、
平凡な映画ファンの僕にはなんのことか分からないネタやスルーしてしまうネタも多かったんだろうなあ。
むしろ、劇中繰り広げられる、ものすごくマニアックなスター・ウォーズ問答が面白くて
単純に「こいつらなんでそんなことまで知ってんの？」というオタクぶりに大笑いしました。
個人的に一番笑ったのは、スター・ウォーズマニアとスター・トレックマニアの確執。
お互い敵視し合って、いい大人がムキになって取っ組み合いの喧嘩までする様が大笑い。
しかもお互いひ弱なので、怪我人が出るほどの喧嘩に至らないところがまた可笑しい。
スター・ウォーズ、スター・トレックにゆかりのある俳優をはじめとする大勢のカメオ出演も楽しかった。
「シン・シティ」のゴールディー役、ジェイミー・キングなんかもコールガール役でしれ～っと出てるもんなあ。
「オタク」な映画マニアたちを、愛すべき存在としてカラっと描いた青春コメディです。
しかし、アメリカではスター・ウォーズみたいな大作映画の公開初日には、
ほんとにみんなコスプレしたり、ライトセーバー振り回したりして大騒ぎしながら観るのかなあ。

音楽は、マーク・マザーズボウ。
DEVO（一昨年新譜が出た）のメンバーとして活動する傍ら、近年、映画音楽の仕事もいろいろとこなしています。
スコアは、スター・ウォーズのパロディを意識しながらも、（たぶんわざと）明快なモチーフを使わず、安いシンセとオケの組み合わせで、安物C級SFスコアのテイストを見事に表現しています。
メロがカッコ悪い上に音がショボいので
「鳴っているんだけど乗れない」C級SFスコア独特の居心地の悪さを絶妙に再現しています。
また、トレッキーが登場するシーンでは、スター・トレックの雰囲気を持った安いスコアを提供していて
これまた笑えます。
なお、この映画、規制曲のインスト部分もたくさん使用しているので、
どこまでがスコアでどこまでが既製のロックやポップスなのか判断に迷う部分があります。
マーク・マザーズボウ自身がロック・アーティストなので余計ややこしい。
ロックテイストの短いインストや、アポロ４４０風のデジロック調トラックなど、スコアなのか規制曲なのか迷ってしまいます。
規制曲では、やはりRUSHの名曲"Limelight"、"Tom　Sawyer"の使い方が素晴らしい。
また、オープニングのパーティ・シーンで使用されたChumbawambaの"Tubthumping"、
マッチョなゲイバーのBGM、Heather Mylesの"Broken Heart for Sale"、
そこでオタクたちがストリップさせられそうになるときのMenudoの"Fuego"、
エンディング近くで使用されたSpacehogの"In the Meantime"等々
なかなか印象的な使われ方をしています。
ただ、残念なことにサントラは発売されていないようです。
歌モノとのコンピレーション盤でもいいので、CD化してほしい作品です。

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