アンダーカバー私服刑事

UNDER COVER
監督：ジョン・ストックウェル
音楽：トッド・ラングレン
出演：デヴィッド・ニードルフ、デヴィッド・ハリス、ジェニファー・ジェイソン・リー、バリー・コービン、キャスリーン・ウィルホイト、デヴィッド・デニー
１９８７年　アメリカ映画

メナハム・ゴーランが脚本に携わった未公開学園ポリス・アクション。
ストーリーは、麻薬捜査中の刑事が、田舎町の高校での麻薬事件を追っている途中何者かに殺されます。
殺された刑事の親友の刑事が真相を突き止めるため、地元警察と協力しながら捜査を進め事件の核心に迫っていく・・・・というお話。
日本では劇場未公開ですが、ワーナー・ホーム・ビデオからレンタルビデオが出ていたので、
案外観た人もいるかも知れません。
ジェニファー・ジェイソン・リー出てるし、そんなに悪くない内容だと思います。
隠れた佳作かな。
でも、既に生え際が後退しはじめた主人公が高校生になりすまして潜入捜査するというのはちょっと無理があったなあ。

音楽は、なんと音の魔術師トッド・ラングレン。
元NAZZのメンバーで、自らソロ・アーティストとして活躍する一方、バンドUTOPIAを率いたり、
他のアーティストのプロデュースをこなしたり、いろんな作品を残してます。
実はこの人、僕の大好きなアーティストの１人で、若い頃は彼の作品、相当聴き込みました。
まさかのサントラの仕事はこれ１作のみだと思われます。
劇伴にはしっかり彼のエレキギターがフィーチャーされていて、
硬派でハードなアクションをイメージさせます。
所々で後の１人マルチ録音アルバム「ノー・ワールド・オーダー」の曲を彷彿とさせるフレーズが出てきたりして
ファンなら興味深く聴くことができる内容になっています。
もちろん、スコアにオケなど使っておらず、スタジオの虫トッドが１人でせっせと多重録音して作っているのが目に浮かぶような曲が並んでいます。
ただ、明確なテーマモチーフが無く、劇伴に始まって劇伴に終わるという内容なので、
サントラ・ファンとしては物足りない。
しかも、録音したテイクをギターソロの途中でフェイドアウトするという尻切れトンボなパターンが多いのが残念。
でも、トッドのファンなら全編ギター弾きまくりなので、結構楽しめますよ。
サントラは、LPのA面がトッドのスコア、B面が既成曲の寄せ集めになっています。
B面は、TSOL、WEDENSDAY WEEKなどの当時のニューウェーヴ、オルタナ系の若手アーティストの作品が収録されています。
B面もトッドが作曲やプロデュースに携われば、アルバム全体の統一感もあったのになあと思います。
この人だいたいにオーバープロデュースが過ぎて、出来上がった曲がほとんどトッドの曲になってしまうという嬉しい難点がありました。
でも、案外このB面のエニグマ系アーティストもいいもんだなあ。
こういう音もなんだか懐かしいです。

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