Il Venditore di morte
監督:ロレンゾ・ジッカ・パリ
音楽:マリオ・ミグリアルディ
主演:ジャンニ・ガルコ、クラウス・キンスキー、ジェリー・ジェンカ、ルチアーノ・ロルカス、アルフレッド・リッツォ、アラン・コリンズ
1971年 イタリア映画

ジャンニ・ガルコのマカロニ・ウェスタンといえば、当たり役「サルタナ」シリーズというのがありますが、
この映画、てっきりその中の1本だとばかり思ってたら、
実は格好だけ「サルタナ」でシリーズとは全くカンケイの無い作品だったという、いかにもイタリアな作品。
劇中、ジャンニ・ガルコの役名も「シルバー」という名前でした。
この映画、本邦劇場未公開で、ビデオになったのかも分からないので、
「死の商人」というのがほんとに「邦題」として通用するのかはちょっと微妙です(^^;)
「サルタナ」シリーズといえば、こざかしい(笑)秘密兵器がお楽しみの一つでしたが、
本作でもホールド・アップしたと見せかけて、腕に仕込んだデリンジャー?が隠し技で活躍します。
ストーリーは、冒頭メキシコ娘が何者かに殺され、その後、酒場が強盗に襲撃されるのですが、
酒場強盗の容疑でクラウス・キンスキーが逮捕されて死刑判決を受けます。
しかし、酒場の女主人は他に真犯人がいると主張して、回り回ってジャンニ・ガルコに真犯人捜しのお鉢が回ってきます。
捜査を進めるうちに、ジャンニ・ガルコは何度も命を狙われる・・・というようなお話です。
(ジャンニ・ガルコは、殺されたメキシコ娘の両親からも娘を殺した犯人捜しを頼まれるのですが、
こっちの方は途中終始放置プレーで、最後の最後で一気に解決します。)
正直なところ、ちょっとヘンテコな印象を受けるマカロニです。
妙にコミカルな演出があったり、冒頭の1人称カメラ(笑)による殺人シーンはまるでジャーロだったり、
ストレンジなスコアと相まって、摩訶不思議な感覚の作品です。
一応、謎解きの推理ウェスタン(そこまで立派なものでもありませんが)で、
マカロニの王道である「復讐」とは無縁の作品です。



音楽は、マリオ・ミグリアルディ。
あんまし聞いたことない名前の人です。
担当した作品も、60年代イタリアン・カスモノSF「地球最終戦争」ぐらいしか分かりません。
この人、あんましマカロニのスコアに慣れてないのか、全編に渡ってマカロニ節はほぼ皆無。
かろうじて、ラスト直前でマカロニ調のラッパが出てきますが、それぐらいで、
後はヘンテコなスコアが続きます。
テーマも不協和音を使った現代音楽調で、わざと音程を外したフルートが主旋律を奏でる
前衛的なトラックです。
それでいてメロが中南米っぽいので、不思議な感覚に襲われます。
劇伴で、チェンバロやオルガンが出てくるところなどは、
ピエロ・ピッチョーニの「サルタナ」を意識したのかなと思います。
総じて劇伴もスリリングなものは少なく、ユルユルなトラックばかりが印象に残ります。
こんなヘンチクリンなスコアですが、イタリアでは3年前にCDが発売されてしまっています。
トラック名が全て映画のタイトルになっているので、もともとLP用の音源ではなかったのだろうと思います。
どっかから無理矢理見つけてきて、メディア化したのではという感じです。
(イタリアン・サントラはこういうのが多いので、もう慣れましたが(^^;))
たまには風変わりなマカロニ・スコアを聴いてみたいという方はどうぞ。


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