QUIEN SABE?
監督: ダミアーノ・ダミアーニ
音楽: ルイス・エンリケス・バカロフ、エンニオ・モリコーネ
出演: ジャン・マリア・ヴォロンテ、マルティーヌ・ベズウィック、クラウス・キンスキー、ルー・カステル、カルラ・グラヴィーナ
1966年 イタリア映画


久々のマカロニ・ウェスタンです。
数あるマカロニの中でも、社会派ダミアーノ・ダミアニが監督したことで、
単なるいつものマカロニに終わっていない社会派ウェスタン。
基本的にメキシコ動乱を背景にした山賊とアメリカ人の冒険を描いた
人種差別や貧困にあえぐ農民や革命に身を投じる若者の姿などとしっかり描いており、
いつもの「虐殺」、「一匹狼」、「復讐」といったおなじみのマカロニ・キーワードはちょっと薄いかも。
むしろ、後年の「夕陽のギャングたち」の原形ともとれるような構成をしています。
ストーリーは、 政府軍の武器を強奪して、それを革命軍に売っては生計を立てるメキシコの山賊一味に
あるきっかけでアメリカ人青年が合流することになります。
政府軍を襲い武器を調達していくうちに山賊のリーダーと青年はいつしか友情が芽生えます。
政府軍との激戦の末、革命軍の将軍のもとへ調達した武器を持って行きますが、
そこで青年に真の目的が明らかになり・・・・・というようなお話です。
この映画、タランティーノも好きだそうです。
僕も、この映画は、印象的なラストも手伝ってなかなか好きな作品です。


音楽は、ルイス・エンリケス・バカロフ。
メキシコが舞台なので、メイン・タイトルからして
男性コーラスによるメキシカンで陽気な曲に驚かされます。
まるで、マカロニ・ウェスタンには似つかわしくない明るさです。
劇伴も大半がマリアッチ風だったり、メキシコをイメージさせるラテン系のスコアがたっぷり入っています。
ちなみに、「続・荒野の用心棒」でも使われたスコアの使い回しもあります。
音楽監修をエンニオ・モリコーネが担当しているので、
モリコーネ調のスコアがあちこちに顔を出していてこれまた面白い。
生ギターをフィーチャーした残酷節は、「続・夕陽のガンマン」みたいです。
サントラ盤は、日本でもキングレコードから22曲入りのCDが発売されていたことがあります。
イタリアでも25曲入りのCDが出てましたが、今はどうなんだろ?
派手なマカロニ・ウェスタンを想像すると裏切られますが、
メキシカンなスコアが好きな人にはバッチリの作品です。



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