BLUE
監督: シルヴィオ・ナリッツァーノ
音楽: マノス・ハジダキス
出演: テレンス・スタンプ、ジョアンナ・ペティット、カール・マルデン、リカルド・モンタルバン、サリー・カークランド

1968年 アメリカ映画




平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・




異色ウェスタン「血と怒りの河」をご紹介。

この映画は、たまにマカロニ・ウェスタンと勘違いされる作品です。
でも、実際に見るとほとんどマカロニの雰囲気は無い。
それでも普通のアメリカ製西部劇に比べたら、少し雰囲気は違うなあと思ってたら、
監督を始め、キャストに結構イギリス人がいたり、音楽はギリシャ人だったり・・・・。
ストーリーは、幼い頃にメキシコの盗賊のボスに育てられた白人男性ブルーが、成人して盗賊の一味となり、
アメリカの開拓民の村を襲撃します。
そこで、医者の娘が盗賊のボスの息子にレ○プされそうになりますが、
ブルーは息子を撃ち殺して、女性を助けます。
襲撃の際ブルーは肩に銃弾を受けたことから、命からがら医者の家に身を隠します。
医者と娘は、ブルーをかくまうことにし、ブルーも次第に心を開いていきますが・・・・というお話。
一応、メキシコの盗賊に育てられた白人男性の苦悩と開拓民の娘との愛、
さらには人種問題にも切り込んだ作品という感じなのですが、
国境の河を挿んだメキシコの盗賊と村人の壮絶な銃撃戦をクライマックスにもってくるあたり、
アクション西部劇の要素もあります。
中盤までの、寡黙なテレンス・スタンプの演技が秀逸なので、
後半にあんなスペクタクルシーンもってこなくてもいい作品に仕上がったのになあ。
製作者側が、これでは地味で売れないと思ったのかなあ。
異色ですが、テレンス・スタンプの演技が光る、とても味わいのある西部劇です。
しかし、盗賊のボスを演じたリカルド・モンタルバン、めちゃくちゃ似合うなあ、こういう役。
それと、この映画、撮影を担当した人、かなりの腕前とみました。
是非、DVDで鑑賞をオススメします。




音楽は、「トプカピ」、「日曜はダメよ」のマノス・ハジダキス。
ギリシャの作曲家で、映画音楽の仕事は少ないようです。
この人は、ミキス・テオドラキスと並んで現代ギリシャのポピュラー・ミュージックの基礎を創った人と言われています。
民族音楽の再興にも力を注いだ人で、
サントラの世界にギリシャの民族楽器ブズーキ(ラロ・シフリンの「オフサイド7」でもお馴染みの弦楽器)を大々的にフィーチャーしたのは
この人が最初じゃないかなと思います(違ってたらゴメンナサイm(_ _)m)
で、本作のスコアの方は、オープングやアクション・シーンで普通のアメリカ西部劇っぽくなるのですが、
それ以外は、この人の特徴を生かしたアコギなスコアが満載です。
基本的に、ドラマ部分のスコアは生ギター1本とか、生ギター+ハーモニカといった極めてシンプルな楽曲で構成されています。
ジャケ写真を見る限りでは、マカロニ・ウェスタンな血生臭い残酷節を想像してしまいますが、
実はそんなことはありません。
王道の西部劇スコアもあったり、マカロニに近い雰囲気と言えば、哀愁を帯びたメキシカンなフレーズが出てくるところでしょうか。
サントラは、LPがかつて再発までされたことがあるのですが、何故かCDはギリシャでしか発売されていません。
これも10年位前の話なので、もう廃盤だろうなあ。
「トプカピ」が限定でCD化されたんだから、これもまたCDにして欲しいなあ。



・・・と。ここまでが過去記事。

現在では、ジャケが白黒のデザインになってますが、i-Tunesでダウンロード版が入手可能になっています。











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