BLINDNESS
監督: フェルナンド・メイレレス
音楽: マルコ・アントニオ・ギマランイス
出演: ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリシー・ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃、ドン・マッケラー、モーリー・チェイキン、ミッチェル・ナイ、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル
2008年 ブラジル/日本/カナダ映画


これ、SFなのかなあ。
「トリフィドの日」みたいに、人類がみんな失明してしまって、たった一人目が見えるおばさんが奮闘する映画(^_^;)
ジョゼ・サラマーゴという人の小説「白の闇」を 「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレスが映画化した作品で、
日本から伊勢谷友介と木村佳乃が出演するなど、国際色豊かなキャスティングが目を引きます。
ストーりーは、車で信号待ちをしていた日本人男性が突然失明します。
そして、彼を助けて自宅まで送った男、日本人の妻、眼科医、眼科に来ていた患者、
・・・・と次々に原因不明の失明が広がっていきます。
ただ一人、失明しない眼科医の妻は、夫が隔離されるので、自分も失明したと偽って、
隔離病棟とは名ばかりの劣悪な環境の元精神病院に送り込まれます。
そこは、銃を持った守衛に常時監視された強制収容所のようなところで、
次々と感染者が送り込まれてきます。
失明者ばかりの中で、患者の世話をしようと試みる眼科医の妻ですが、
病院内を支配しようとする輩が現れ、配給食料を独占して、
他の患者に食料と交換に対価を要求するようになります。
その要求はだんだんエスカレートしていき・・・・ついに眼科医の妻を先頭に他の患者たちが蜂起する・・・・といったような映画です。
極限状態の中の群集心理、集団ヒステリーみたいなのも描かれる作品ですが、
ほんと人間の暴力性ってほんと恐ろしいなあと思います。
ラストは一応ハッピー・エンドなので、多少救われますが、
ただ、極限状態を描いた作品だけに、緊張感がある分、退屈はしません。
しかし、目が見えなくなっただけで、人間はこうももろくなるのかと思うとゾッとします。
独裁者となろうとする第3病棟の王役のガエル・ガルシア・ベルナル、最近注目されてる役者ですが、
こいつ、こういう悪党やらせたらすごく上手い。
21世紀のトーマス・ミリアンだな、こりゃ。
こいつ主演で誰かマカロニ・ウェスタン撮ってくれないかなあ。



音楽は、マルコ・アントニオ・ギマランイス。
これ、誰だろうと思ってたら、ブラジルの手作り楽器バンド「UAKTI」のメンバーじゃん。
そのため、スコアの演奏はすべて「UAKTI」が担当しています。
このバンド、ヒーリング系のナチュラルで透明感ある音が魅力ですが、
ビニールホースをヘラで叩いて音を出したり、水の入った容器等、
怪しげな自作楽器が活躍することでも知られています。
メンバーは、ガラクタで音を出して遊んでいるようにも見えますが、
みんなミナス州立交響楽団出身という、れっきとした音楽家。
本作のスコアは、彼らの透明感のある楽器の素朴な音を大切にしたアンビエントなサウンドを
生かしたヒーリング・スコア。
ミニマルなスコアは、フィリップ・グラスを彷彿とさせる一面もあります。
あまりメロディらしいものはありませんが、乾いたクールな世界感を表現するにはもってこいの音です。
かなり乾燥した音ですが、塩化ビ・ホース製パーカッションやゴングにマリンバ系の音の響きが最高です。
サラウンドで聴くとすごくいい感じ。
もともと、「UAKTI」のオリジナル・アルバム自体がアンダースコアみたいなアルバムなので、
本作も彼らのオリジナル・アルバムとして聴いても遜色ない出来映えになっています。


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