BULLITT
監督:ピーター・イエーツ
音楽:ラロ・シフリン
主演:スティーヴ・マックイーン、ジャクリーン・ビセット、ロバート・ヴォーン、ウォルター・チャーマース、ドン・ゴードン、サイモン・オークランド、ロバート・デュヴァル、ノーマン・フェル、ジョーグ・スタンフォード・ブラウン、ジャスティン・ター
1968年 アメリカ映画

久しぶりにパチモンからの脱出・・・・・。


ついに、念願のブリット完全盤が発売されました。
公開当時から出回っていた良質な再録音盤の音源を前半に配して、後半はフィルム音源を収録。
音質も当時の録音としては申し分のないクオリティです。
長年待った甲斐があった(T_T)
この作品、今から4年前にもうちのブログでレビューしてますが、再投稿ということで・・・・・。


寡黙なスティーヴ・マックイーンの魅力爆発の刑事アクションの名作。
緩急ありすぎる展開に、途中で間延びした印象を受ける人もいるようですが、
これが案外と作品にリアリティを与えているのではないかと勝手に思っています。
特に突如として始まるサンフランシスコの坂道を使った、怒濤のカーチェイス。
これは子供の頃、TVで初めて観て「カッコええ~!」と手に汗握ったものでした。
カーチェイスといえば、その後「フレンチ・コネクション」等、派手なのがいろいろい出てきて、
今では「ポーン・アルティメイタム」に代表される側面衝突なんて荒技まで登場するようになって、
この作品のカーチェイスも色褪せてきたかも知れませんが、
この映画を初めて観た時の感動は今も忘れません。
POVの視点によるカーチェイスなんて、既にこの頃からあったなんて、感動ものです。
スタイリッシュなタイトルバックもインパクト大。
硬質でクールな映像がジャズスコアを使ったサウンドトラックとベストマッチしてました。
ドラマ部分では地味な展開もありますが、僕の中ではほんと名作だと思います。
あと、ジャクリーン・ビセットがいい。
ダンナのワイシャツ1枚羽織っただけの格好で、
部屋をうろうろするビセット嬢には、子供心にドキドキしたものです。



音楽は、60~70年代のアクション映画といえばこの人、ラロ・シフリン。
僕がジャズというジャンルに興味を持つきっかけを作ってくれたのがこの人でした。
基本的にはロックが好きだったので、その後ジャズにどっぷりハマるということはありませんでしたが、
僕がジャズのアルバムを買うときは、常に頭の片隅にラロ・シフリンみたいな曲がないかなあと思い描いていたように思います。
本作は、スタイリッシュかつクールな映像にマッチするスコアということで、
シフリンのスコアは最高の相性だったと思います。
ジャズがベースになっているスコアなので、今聴いてもまったく古さを感じさせません。
サントラ盤は、「Music Form The Motion Picture」と呼ばれる再録音盤が長らく流通していて、
僕もこの盤で育ったので、厳密な意味でのサントラではないものの、この音がすべての基本になっていました。
アルバム用に再構築されたサントラなので、これはこれで優れたアルバムでかなりカッコいいのですが、
その一方で、やはり本編で流れたテンポをグッと落としたよりクールなオープニング・テーマをオリジナルで聴いてみたいという思いはずっとありました。
その後、2000年にラロ・シフリン自らのレーベル「Aleph」から、全18曲入りの再々録盤が発売され、
初めてフィルム・バージョンのメイン・タイトルが収録されましたが、これも優等生的な録音で音もクリアだし、今ひとつでした。
しかし、その不完全燃焼な気持ちも、やがて解消される日がやってきました。
遂に、昨年末になって米FSMから再録盤とオリジナル・フィルム音源の両方を収録した長尺の完全盤が発売されました。
オリジナル音源を聴いた印象は、全体的に再録盤に比べてメロウな演奏だなあという感じを受けました。
再録盤の方が、スリリングなスコアはよりシャープになっていたことが分かります。
オリジナル音源は、BGMとして全体を一つの組曲としてスルッと聴けてしまうような感覚です。
1曲1曲の立ち上がりに強烈なインパクトがないので、あんまり、引っかかりがない。
まあ、それも再録音盤のイメージが強すぎるせいもあると思いますが・・・・。
でも、オリジナルのオープニング・タイトルはさすがにカッコいい。
「戦略大作戦」の劇伴みたいにブラスやフルートの音にエコーをかけてみたり、
ちょっと泥臭い雰囲気がいかにもオリジナル音源という感じで素晴らしい。
いやあ、これは「ナバロンの嵐」以来の感動です。
たっぷり79分、シフリンのスコアを堪能できるアルバムです。
3000枚限定なんかしなくても売れるような気がするのですが・・・・・。


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以下に貼ってあるのは、すべて再録または再々録盤です。
FSM盤ではありません。

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