LE SPIE UCCIDONNO A BEIRUT
監督: マーティン・ドーナン
音楽: カルロ・サヴィーナ
出演: リチャード・ハリソン、ドミニク・ボシェロ、アレン・コリンズ、ワンディサ・グイダ、ルチアーノ・ピゴッツィ
1965年 イタリア映画



またまた見つけてしまいました、65年製作のパチモン・マカロニ・スパイ巨編(笑)。
これも、イタリアCAMレーベルのカタログにサントラが載ってたので、
探してアップしてみました。
当然、この作品は観たことがありません。
なんでも、日本で最初に公開されたパチモン・マカロニ・スパイ映画だそうです。
これまでうちのブログで077ことディック・マロイ等を紹介してきましたが、
本作のヒーローは、ボブ・フレミングという凄腕のCAIスパイ。(イアン・フレミングからもじった名前だということは誰の目にも明白)
このボブが、世界を股に掛けて大活躍するのですが、
ロシアからパリからハンブルグからベイルートまであっちこっちへ飛び回ります。
ストーリーは、旧ソ連の軍事機密が収められたマイクロフィルムを巡って、悪党やスパイたちが争奪戦を繰り広げる・・・というだけのたわいもないお話。
このボブ、あんまりIQが高くないのか、状況判断がマズイのか、いっつも敵に先を越されて対応が後手後手に回ってしまいます。
こんなことでCIAのスパイが務まるのだろうかと心配になりますが、ラストは上手い具合につじつまを合わせて一件落着するようです。
しかしまあ、主人公は英国スパイの007の向こうを張ってアメリカのCIAエージェントということになっていますが、
CIA情報員とした背景は、おそらくCIA情報員を主人公にすることで、「アメリカ映画」みたいに見えることが狙いだったのでしょう。
おそらくハリウッドアクションと誤解した観客が誤って来場してしまうことを狙ったのでしょう。
その証拠に、監督はマーティン・ドーナンなんて言ってるけど、本名はルチアーノ・マリティーノ。
姑息な連中だなあ、こいつら(^o^)。
なお、下のyou tube動画にアップされた予告編は、しっかりクライマックスまで撮しちゃっています。
ボブ・フレミングシリーズ、ヒットしたのかしなかったのか全然わかりませんが、
少なくとも製作陣はご満悦で、この後、第2作目「殺し屋へ挑戦状」なんてのも作ってしまいます。



音楽は、意外にまともな人選のカルロ・サヴィーナ。
この人は本来、史劇のスコア等、比較的パチモンにしては格調高い作風を得意とする人なので、
スパイ・アクションを担当させるのは、はっきり言って畑違い。
それでも、カルロ氏はなんとかスパイ映画らしく聴かせようと努力するところがいじましい。
テーマ曲は、007風だけど、やっぱりはっきりニセモノと分かるサウンド。
劇伴奏は、サックスがメインのけだるいジャズが多く、ちょっとキレが無い。
シンセは、当時のSFでもホラーでもなんでもかんでも同じようなビヤ~ンって感じの音。
全体を通じた劇伴のイメージは、ポリスアクションもののTVドラマ風。
ビッグ・バンド風のジャズもありますが、ビッグ・バンドというより編成がショボイので、いわばスモール・バンド・ジャズ。
パチモン・スコアですから、当然いつものマカロニ・テケテケギターも幅を利かせています。
ペリー・メイソンみたいなメロを持ったトラックもあって、ははあ、このスコア、これが元ネタか・・・と思わせます。
サントラCDは、イタリアの老舗CAMレーベルから発売されています。
本国では人気があるのかどうか分かりませんが、発売当時は日本でもサバービア系には結構受けたことでしょう。
昔はLPも出ていたようなのですが、こんなもん渋谷系全盛期に日本で出回った日には、
悪徳円盤屋が極悪プレミアを付けたのではないかと、目に浮かぶようです。


よろしかったら、ポチッとお願いします(^o^)
  ↓
にほんブログ村 映画ブログ 映画音楽・サントラへ
にほんブログ村